Tableau Cloud とログインベースのライセンス管理を始める

手順ガイド

Tableau Cloud Manager (TCM) の概要

Tableau Cloud Manager (TCM) は、組織の Tableau Cloud サイトを一元管理するための機能を持っています。Tableau Cloud 管理者は TCM を利用することで、サイトの作成と変更、エンドユーザーの管理、複数の Cloud サイト全体でのライセンス割り当てのモニタリングを、すべて 1 か所から行うことができます。ライセンスに関して TCM から加えられた変更はすべて、テナント/導入環境のレベルで適用されるとともに、関係する全サイトでも共有されるため、サイトの管理とガバナンスが効率化します。

個々の Tableau Cloud サイトは、組織がインテリジェントなツールとインサイトを利用できるように設計された、完全ホスティング型のクラウドベース分析プラットフォームです。そのため TCM により、TCM テナントでのユーザーベースライセンス管理が簡素化されます。

ほとんどの Tableau Cloud 管理者がアクセスするのは通常、1 つの TCM テナントです。しかし組織構造によっては、複数テナントの管理が可能、あるいは必要になることもあります。その場合、Cloud 管理者は TCM でのみ割り当てられますが、各テナントの TCM インスタンスにアクセスできる唯一のユーザーである点は変わりません。

ここまで、TCM のメリットを簡単に説明してきました。次は、Tableau Cloud に対する TCM の管理機能を見てみましょう。

Tableau Cloud のテナントとサイトの管理とは

Tableau Cloud Manager を使う前に、Tableau Cloud の管理構造を理解するために「テナント」と「サイト」とは何かを知っておくことが必要です。

テナント: TCM テナントは最上位の管理レイヤーであり、ここに組織の Tableau Cloud 導入環境が含まれています。TCM テナント (導入環境) は、契約しているすべてのサイト、ユーザー、ライセンスを抱える「管理センター」のようなものだと考えるといいでしょう。Cloud 管理者は TCM を利用してこのレベルで作業し、Cloud サイトの設定、各サイトへのユーザーベースライセンスの割り当てに加え、一意に識別可能なソフトウェアユーザーの永久ライセンス割り当ての管理を行います。

Tableau Cloud Management Tenant diagram

サイト: Tableau Cloud の通常のエディションでは、契約したそれぞれの TCM テナントにつき、3 つの Tableau Cloud サイトを作成できます。Cloud サイトは、テナントの下のレベルに属します。ワークスペースとして、あるいは特定のチームや部署、プロジェクト専用の環境として考えるといいでしょう。各サイトには、サイト管理者が管理する独自のコンテンツやユーザー、パーミッションがあります。サイト管理者は、担当する個々の Tableau Cloud サイトのほか、関連するワークブックやデータソース、ユーザーアクセスも管理していくことになり、TCM 管理者がテナントのレベルで設定した制約の範囲内で作業を行います。

まとめると、TCM テナントは全サイトを一元的に維持管理するための管理レイヤーであり、組織や各チームが Tableau Cloud サイト利用の柔軟な拡大と管理を効率的かつセキュアに行えるようにします。

URI と URL: サイト URI (統一資源識別子) は Tableau Cloud サイトの一意の識別子であり、認証後のサイト URL に表示されます。たとえば、「Company X」という名前のサイトは、URL で https://us-east-1.online.tableau.com/#/site/companyx と表示されます。サイト URI を求めるメッセージが表示された場合は、「companyx」と入力することになります。

導入環境: 導入環境とは、複数のライセンスを組織の視点からまとめたものです。これにより、ライセンスをどこに、どのようにまとめて導入できるかが判断しやすくなります。導入環境は特定のテナントに結び付けられます。テナントは最上位の管理レイヤーであり、ここに組織の Tableau Cloud 導入環境が含まれています。たとえば、異なる導入環境のプロダクトキーをまとめることはできないため、1 つのテナントに対して購入され、特定の導入環境にまとめられたライセンスは、すべて一緒に使用する必要があります。

Tableau Cloud テナントへのアクセス

ステップ 1: Cloud 管理者がログインメールを受信

ご購入の完了後、Tableau は注文書に記載された Cloud 管理者に対して、TableauID の作成方法の情報などとあわせて、ログインリンクをメールでお送りします。このメールの送信先は Cloud 管理者のみです。使い始めるには [サインイン] ボタンをクリックしてください。

  • 契約の購入者ではない場合は、営業担当者までお問い合わせください。
  • Tableau Cloud Manager (TCM) のログイン URL: (テナント名).cloudmanager.tableau.com/
    • URL/URI がわからない場合は、表示されたメッセージで [URI を忘れました] を選択してください。設定された値をメールでお知らせします。

ステップ 2: URI を確認

お客様の URI を調べるには、まずカスタマーポータル (customer.tableau.com) にログインします。ポータルが表示されたら、[Deployment] (導入環境) タブで導入環境名をクリックします。

Customer Portal screenshot

導入環境が表示されたら、下にある [Deployment Assets] (導入環境アセット) セクションで Cloud サイトのキー名をクリックします。

Deployment Assets screenshot

[License Detail] (ライセンスの詳細) セクションの下部に、[Key Name] (キー名) という名前のフィールドがあります。これがお客様の URI です。

Key Name screenshot

[Key Name] はお客様の URI のことです。たとえば、キー名が「Company X」であれば、URI は「companyx」になります。URI には、スペースや特殊文字を入れないでください。この例の TCM テナントにログインするための URL は、companyx.cloudmanager.tableau.com/ となります。なお、この方法で URI を取得できるのは新規購入のお客様のみです。Tableau Cloud を長期間ご利用いただいているお客様で、ご購入後に TCM 名やサイト名を変更した場合は、URI の確認についてアカウントエグゼクティブまでお問い合わせください。

ステップ 3: TCM 管理者が Tableau Cloud サイトを作成

サイトへ最初にアクセスできるのは、最初のメールを受け取ったユーザーのみです。Cloud 管理者は、Tableau Cloud サイトを作成、編集、削除することができます。詳しくは、「サイトの追加、削除、有効化」をご覧ください。また、サイト管理者は Cloud 管理者が兼任することも、他のユーザーに委任することも可能です。TCM 管理者のロールにライセンスは必要ありません。問題の発生を未然に防ぐために、まず 2 人以上の TCM 管理者を追加することを強くおすすめします。

Sites screenshot

ステップ 4: Tableau Cloud サイトにユーザーを追加

Tableau Cloud サイトの作成後、許可ユーザーを追加することができます。許可ユーザーは、一意に識別可能なメールアドレスとあわせて追加するといいでしょう。一意に識別可能なメールアドレスとは、個人に結び付けられているメールアドレス (johnsmith@companyx.com など) であり、契約条件に従った、チームや部署の全体宛てのもの (support@companyx.com など) ではありません。

新規ユーザーを追加する際には、そのユーザーのサイトロールを選択する必要があります (Creator、Explorer、またはサイト管理者)。Desktop や Prep Builder のライセンス認証を実行するユーザーには、Creator サイトロール (Creator または サイト管理者 Creator) を割り当てる必要があります。サイトロールの詳細については、Tableau Cloud ヘルプをご覧ください。
 

Site Users screenshot

注: サイト管理者 Creator のロールにはライセンスが必要です。ユーザーパーミッションの詳細については、「パーミッション、サイトロール、ライセンス」をご覧ください。

ステップ 5: 新しい許可ユーザーが招待メールを受信

ユーザーアカウントの追加を完了すると、Cloud サイトへの参加を招待するメールがそのユーザーに送信されます。メールには、そのユーザーが追加されたサイトの名前が記載されています。

Email screenshot

ステップ 6: 許可ユーザーが Tableau Cloud サイトに参加

まだログインしたことのないユーザーには、Tableau カスタマーアカウント (TableauID) の作成に関するメッセージが表示されます。上記の招待メール内にある [今すぐ参加] ボタンをクリックすると、アカウントを作成するようにメッセージが表示されます。

Create your Tableau Account screenshot

ユーザーが自身の Tableau アカウントを作成すると、自動的に Tableau Cloud サイトへ移動します。

Tableau Desktop や Prep Builder に接続

ステップ 1: Tableau Desktop や Prep Builder をダウンロード

Creator サイトロールが割り当てられたユーザーは、インストールされた Desktop や Prep Builder のライセンス認証を、ログインベースのライセンス管理 (LBLM) を通じて行うことができます。

ユーザーが Tableau Desktop や Prep Builder のダウンロードとインストールを完了すると、LBLM を使用して Tableau Desktop をライセンス認証、使用する準備が整います。Tableau Cloud のホームページに、Tableau Desktop と Tableau Prep Builder のダウンロード用リンクが表示されます。

Home screenshot

ステップ 2: Creator ユーザーが Tableau Desktop や Prep Builder のライセンス認証を実行

Tableau Desktop を PC にインストールすると、ユーザーは Tableau Desktop を開いて使い始めることができます。ユーザーがそのデバイスで初めて Tableau を起動する場合は、自身の連絡先を入力して 14 日間のトライアルを開始するオプションが提示されます。

Tableau Cloud サイトですでに Creator ロールが割り当てられているユーザーは、下記に示されている [Tableau をライセンス認証する] をクリックするとトライアルの開始をスキップすることができます。

Almost there screenshot

Tableau のライセンス認証画面で、ユーザーは下記に示されている [サーバーにサインインしてライセンス認証する] を選択します。サーバーにサインインしてライセンス認証することは、LBLM を使用することと同じ意味です。

Activate by signing into server screenshot

接続ダイアログボックスが表示され、ユーザーは下記に示されているリンクから Tableau Cloud にすぐ接続できます。

Tableau Server Sign In screenshot

Tableau Cloud にログインするためのダイアログボックスが表示されます。ここでは、先ほど Tableau Cloud サイトへの参加時に作成した Tableau カスタマー認証資格情報を使用します。

Sign in to Tableau Online screenshot

そのユーザーが複数の Tableau Cloud サイトのメンバーになっている場合は、ライセンス認証に使用するサイトを選択するためのダイアログボックスが表示されます。Desktop や Prep Builder のライセンス認証を完了するには、ユーザーは Creator サイトロールが割り当てられているサイトを選択する必要があります。

Select a site screenshot

認証が完了すると、LBLM を使用して Desktop や Prep Builder のインストール環境をライセンス認証したことになります。あとは Viz を活用してビジネスを進めていくだけです。

FAQ

ログインベースのライセンス管理 (LBLM) により、Creator ユーザーは Tableau Server または Tableau Cloud の認証資格情報を入力してログインするだけで、Tableau Desktop や Tableau Prep のライセンス認証を実行できます。管理者は、プロダクトキーをエンドユーザーに配布する代わりに、Tableau Server または Tableau Cloud から直接、Tableau Desktop や Tableau Prep のアクセス権の割り当て、監視、回収を行えます。

LBLM には多くの利点があります。まず、個別のライセンスキーを配布および管理する必要がないため、エンドユーザーへの Tableau Desktop および Tableau Prep の展開が簡単にできます。さらに、一元化された単一のビューで Creator ライセンスの使用状況を確認できるため、可視性が高まります。

この無料の機能は、ロールベースの Creator ライセンスを保持しており、Tableau Software の互換バージョン (2020.1 以降) を使用しているお客様が利用できます。2020.1 のリリース時点 (2020 年 2 月) で、LBLM は Creator ライセンスを購入された Tableau Cloud のすべてのお客様向けに既定で有効になっています。Tableau Server のお客様は下記の内容を参照して、LBLM がすでに認証されているかどうかを判断する方法、および認証されていない場合はオプトインする方法をご確認ください。

 

LBLM は、Tableau Desktop や Prep Builder を許可ユーザーが使用できるようにする際に、組織全体にプロダクトキーを配布する必要性をなくし、製品ライセンス認証エクスペリエンスを一新します。LBLM は、すべての Creator、Explorer、Viewer ロールに対して一様に機能し (ログイン認証資格情報の使用)、カスタマーポータルと Tableau Server または Online の UI のライセンス管理の必要性がなくなります。

詳細については、こちらのヘルプ記事をご覧ください。ログインベースのライセンス管理

Server 管理者およびサイト管理者

  • Desktop および Prep Builder のプロダクトキーを配布する必要性が排除されるため、ライセンスの展開と認証の作業が簡素化されます。
  • Creator ライセンスが不要となるユーザーに対しては、管理者が Tableau Server または Online 内で直接、そのユーザーを Creator 以外またはライセンスなしのサイトロールに設定することで Creator ライセンスを無効にし、新しい認定ユーザーに割り当てることができます。

 

Creator ユーザー

  • 許可ユーザーは、Tableau Cloud または Tableau Server のログイン認証資格情報を使用して、ローカルマシンで Tableau Desktop および Prep Builder ソフトウェアのライセンス認証を実行することができます。 プロダクトキーは不要です。

Creator ライセンスを持つ Tableau Cloud のすべてのお客様は、すぐに LBLM を使用できます。現在、個別の Creator - Desktop キーおよび Prep キーを使用している場合や、Tableau Cloud のログイン認証資格情報を使用してライセンス認証を実行する方法をエンドユーザーに指示する必要がある場合は、上記を参照してください。

Tableau Server のお客様は、Creator - Server キーが LBLM 対応となっているかを再度確認する必要があります。2020 年 11 月 12 日以降に初めて Tableau Server を購入された場合は、すでに LBLM は有効化されているはずです。この日より前にライセンス認証が実行された Server 環境で LBLM を有効化するためには、上記にリンクされている指示に従ってオプトインする必要があります。

どちらのお客様も利用できます。LBLM は、Tableau Cloud および Tableau Server の新規と既存のすべてのお客様にご利用いただけるように設計されています。その目的は、Tableau ライセンスの配布と管理のエクスペリエンスをさらに合理化することです。

Tableau Cloud のお客様であれば、すでにご利用いただけます。2020.1 バージョンのリリース時点 (2020 年 2 月) で、すべての Tableau Cloud サイトで LBLM の使用が可能です。上記のユーザーガイドにその開始方法の詳細が説明されています。許可ユーザーがローカルマシンで、Creator - Desktop キーや Prep Builder キーのライセンス認証をすでに行っている場合は、ユーザーに LBLM で再認証するよう指示する前に、ライセンス認証を解除する方法をこちらでご覧ください。

Tableau Server のお客様は、次の手順でカスタマーポータルをチェックすることで LBLM が有効化されているかどうかを確認できます。

  1. 管理アクセスを持っているポータルアカウントにログインします。
  2. 導入されている環境を表示します。
  3. 該当の導入環境を見つけます。そこに [ログインベースのライセンス管理] が表示される場合は LBLM が有効化されています。

更新と LBLM

有効化されていない場合は、今すぐアカウントエグゼクティブに連絡して LBLM を使えるように手順を進めてください。

Tableau Server のお客様は、次の手順でカスタマーポータルをチェックすることで LBLM が有効化されているかどうかを確認できます。

  1. 管理者アクセス権を持っているカスタマーポータルにログインします。
  2. [ライセンス] に移動します。
  3. 「Creator - Server」キーを見つけて選択します。
  4. ライセンスの詳細ページで、[ログインベースのライセンス管理] フィールドまでスクロールダウンし、そのフィールドにチェックマークが入っていれば LBLM は有効化済みです。

Tableau Server のお客様は、Server 上でも LBLM が有効化済みかどうかを確認することができます。

  1. 管理者として Tableau Server にサインインします (手順はこちら)。
  2. [構成] を選択します。
  3. [ライセンス発行] を選択します。
  4. [ライセンス発行] ページで、[LBLM] フィールドにチェックマークが入っていれば LBLM は有効化済みです。

Tableau Server のライセンス発行

Tableau Server のお客様の場合、Server がインターネット経由で Tableau のライセンスサーバーと通信できる必要があります (ライセンス認証のための接続最小要件を参照)。Server に必要なインターネット接続環境があれば、Desktop や Prep Builder のインストール環境にネットワーク外との通信は必要ありません。必要なのは、お客様の Tableau Server 導入環境への接続のみです。

Tableau Cloud のお客様の場合、Desktop や Prep Builder のインストール環境からインターネットにアクセスできないユーザーに対しては LBLM を利用できません。 アカウント担当者と話し合ってオプションを確認してください。

LBLM は 2020.1 以降のバージョンのみ互換性があります。 それより古いバージョンの Desktop または Prep ソフトウェアを使用する必要がある場合は、アカウント担当者と話し合ってオプションを確認してください。

もちろんです。Creator ユーザーは、Tableau Server 導入環境または Tableau Cloud サイトへのログインに使用しているのと同じ ID で、Desktop や Prep Builder のライセンス認証を実行できます。ユーザーは、使用されている ID サービス以外の別の Tableau カスタマーアカウントを作成する必要はありません。利用可能なオプションの詳細については、Tableau Cloud の認証または Tableau Server の認証をご覧ください。