Zen Master のマッピングガイド

去年、James Cheshire と Oliver Uberti の素晴らしい共著書『Where the Animals Go』 (英語) を読みました。美しく丹念に作られたマップを使い、世界中のさまざまな環境に住むさまざまな動物の旅路と挑戦を語る本です。

著者は結びの章で、自身が以前に行った人間の動作の研究に関する調査と、生物学者が動物の研究から学ぼうとしている知識の間にある類似点について、このように語っています。

「共通しているのは、何かが起こる理由を完全に理解するために、多くの場合それがどこで起こっているかを知る必要があるという認識です。場所こそがすべての鍵を握っています。そして私たちの研究方法は、対象がアリであっても潜水するクジラであっても、スマートフォンを持つ人であっても変わりはありません」

Tableau のマッピング機能を使うと、皆さんも地理的データを探索して、「どこ」に関する質問の答えを引き出すことができます。

 

マッピングの重要な概念

Tableau でマッピングできる空間データは、点、線、多角形の 3 種類です。そうした空間オブジェクトをマップ上のどこに描画するべきかを知るために、Tableau は座標 (緯度と経度か投影座標) を使い、それを Web メルカトル投影法 (英語) で正しい場所に変換します。この Web メルカトル投影法とは、Tableau やタイルベースの Web マッピングシステムの大半で使われている地図投影法です。地図投影法の詳細については、 こちらで確認することができます。

Pride Viz Gallery: Max Tham

データに地理的フィールド、たとえば国名、市区町村、郵便番号、空港コード、 その他があれば、Tableau は適切な多角形 (国などの領域の場合) か、それが Tableau に組み込まれたジオデータベースに含まれているなら緯度と経度の値 (点の場合) を自動的に生成します。

またユーザーは、マップに表示したい空間オブジェクトが含まれている、シェープファイル、GeoJSON、KML、 その他の空間ファイルに接続することもできます。

 

シンプルなマップの作成

上記のいずれかの地理的フィールドでマップを作成するには、[データ] ペインでそのフィールドをダブルクリックするだけです。Tableau は生成された緯度と経度のフィールドを使ってマップを作成します。するとユーザーは、データに含まれているメジャーを使って、地理的な点や領域を図示できるようになります。

下の例では、まずロンドンの区を表す多角形が含まれたシェープファイルに接続して、人口密度データが含まれた Excel ファイルと結合しました。そして、区のフィールドをダブルクリックしてロンドンのマップを作成した後、区の名前と、市内の人口密度の差を示すためのメジャーを追加しています。

Pride Viz Gallery: Max Tham

このワークブックは こちらからダウンロードできます

 

マップレイヤーを使った空間データ結合

バージョン 2020.4 で登場したマップレイヤーは、複数のソースの空間データをマップ上にレイヤーで表示して、より詳しい地理的なビューを作成できるようにする機能です。下の例は、 Thi Ho さんが作成した、人口、鉄道路線、公園などの空間データを 7 レイヤー重ねたシンガポールのマップです。

Using Map Layers to Combine Spatial Data

インタラクティブなダッシュボード全体は、Tableau Public の こちらで確認することができます。  マップレイヤーの詳細と使い方については、こちらの ブログ(英語) をご覧ください。

 

空間関数の利用

この 2 年間、Tableau には強力な新しい 空間関数がいくつか登場してきました。

  • MakePoint - 緯度と経度の値か、SRID がわかっている場合は投影座標から、空間的な点を作成します
  • Buffer - 空間的な点の周囲にユーザーが指定した範囲を描く、空間的なバッファ (円形のオブジェクト) を作成します
  • MakeLine - 空間的な 2 点を結ぶ線のマークを作成します。作成される線は大楕円弧であり、つまり地球の曲率が考慮されています。
  • Distance - 空間的な 2 点間の大楕円弧に沿った距離を返します
  • Area - (2021.2 の新機能) 空間的な多角形の表面積の合計値を返します
  • 空間データの共通部分の結合機能 - 空間フィールドに基づいてファイルを結合できるようにします

これらは組み合わせられるため、空間データをクリエイティブに探索することができます。下の例では、対象の地点からの範囲内にある Airbnb の場所をすべて表示し、Airbnb の場所を 1 つ選択すると、その場所からの範囲内にある充電スタンド数が表示されます。

Integrating Spatial Functions

上のダッシュボードでは、複数のデータソースに加えて、インタラクティブな機能を実現するために Buffer、MakeLine、MakePoint の空間計算も使われています。このダッシュボードがどのように作られているかを詳しく知るには、この ブログ(英語) をご覧ください。

 

面積計算

すでに触れましたが、執筆時点で最新の Tableau リリースのバージョン 2021.2 で新しい空間関数が登場しました。この Area 計算は、接続した空間ファイルに含まれる多角形の面積を、マイル、km、m、フィートのいずれかで返します。

下の例では、ロンドンの区が含まれている空間ファイルに接続しています。各区の面積をダッシュボードに表示するには、以前であれば空間ファイルと、面積の情報が含まれている別のファイルを結合する必要がありました。今では、Tableau がその値をシェープファイルから直接計算できるようになり、その値は分析やビジュアライゼーションで使えます。

The Area Calculation

新しい Area 空間関数の詳細については、この ブログ(英語) をご覧ください。

 

マッピング関連のリソース

Tableau にはマッピングに関係する機能が豊富にあり、ひとつのブログですべてを取り上げることはできません。詳しい内容については、以下のリソースをご覧ください。

このブログの著者、Marc Reid さんは、イギリスのロンドン在住のデータビジュアライゼーションデザイナーで、2017 年初めから Tableau を使っています。Tableau とデータビジュアライゼーションに関するブログ datavis.blog (英語) を書いているほか、 TwitterLinkedInにも投稿しています。 

ブログの更新情報を受け取る