皆様の質問と Tableau の取り組み: Tableau Conference 2025 の True to the Core
皆様の多くにとってそうであるのと同様に、Tableau Conference は私にとっての 1 年のハイライトです。また、Tableau の核心を成す素晴らしい DataFam とつながるための良い機会ともなっています。皆様の情熱に鼓舞され、フィードバックに導かれ、皆様からのインサイトに富んだ質問を日々、Tableau の改善に役立てています。
Tableau Conference における私のお気に入りのセッションの 1 つが、(ヘッドフォンのちょっとした不具合があったとしても) True to the Core です。これは、私と Tableau リーダーシップチームが、皆様の多くやお客様、そして Tableau を活用している方々がデータを見て理解し、行動を起こせるようにサポートしているコミュニティからの声を直接聞けるタウンホールフォーラムです。今年は、エンジニアリング、マーケティング、プロダクト、カスタマーサポートの各部門のリーダーである Sireesh、Trevor、Rekha、Southard、 Jill とともに参加し、全員で皆様と TC25 の True to the Core の参加者からの声に真剣に耳を傾けました。
Tableau の一番の価値観である信頼の精神に基づき、話題にあがったいくつかの主要なテーマと Tableau の未来に向けた今後の取り組みをシェアしたいと思います。
1. Tableau Next による製品ポートフォリオの (置換ではなく) 拡大
Tableau Desktop、Tableau Cloud、Tableau Server、Tableau Prep、Tableau Public といった皆様が熟知し、愛用してくださっている既存の Tableau は、今後も引き続きご利用いただけます。これらは Tableau の基盤であり、Tableau の分析ソリューションに深く根付いています。しかし、Tableau はエージェンティック時代のエキサイティングな可能性や、誰もが 新たなレベルのインサイトを得られるようにするというニーズも認識しています。そうした理由から、Tableau Next は Tableau のポートフォリオを置換するものではなく、これに追加された重要な構成要素となっています。
Tableau Next はいわば、エンタープライズ分析の未来のために構築された、インテリジェントで包括的なエージェンティック分析エクスペリエンスです。最新のオープンデータレイヤー、AI セマンティックレイヤー、モジュール式ビジュアライゼーションレイヤー、統合型アクションレイヤーを備えており、Tableau がさらに多くのユースケースに対応することを可能にします。さらに、Salesforce プラットフォーム上に構築されていることが、Hyperforce のスケーラビリティ、Data Cloud を通じたシームレスなデータアクセス、Agentforce のインテリジェントなパワーなど、あらゆる人に計り知れないメリットを持つ Tableau Next の提供を加速するのに役立ちました。しかし、Tableau のイノベーションへの取り組みは、Tableau 製品ポートフォリオの全体 にわたっています。
実際に、Tableau の開発リソースの大部分は、Tableau Server、Tableau Cloud、Tableau Prep、Tableau Desktop に注力しています。そして、TC 25 のキーノートでご紹介したように、鍵となるのは、Tableau の全製品にわたる完全な相互運用性です。私たちは、必要に応じて各製品の強みを活用するための選択肢、柔軟性、能力を提供したいと考えています。Tableau の戦略は「and」であり、「or」ではありません。確固たるロードマップを用意しており、Tableau 製品ポートフォリオの全体にわたって十分に投資しています。
キーノートにおいて、スクリーンでシェアした次の画像には、「Tableau we all love (私たち皆が愛する Tableau)」というフレーズが含まれています。これは、私たちが本気で発信したメッセージです。それこそが Tableau の基盤であり、あらゆる構築要素のベースとなっています。

2. 全製品にわたる AI への投資の推進
Salesforce による買収は Tableau に好結果をもたらしており、皆様の役に立てるよう、よりすばやく、より多くの分野で、より適切に行動することができるようになりました。
Salesforce の一部門として、Tableau は大量のリソースに加えて、AI の専門知識からもメリットを得ています。これにより、責任ある AI の開発にとって特に重要なデータプライバシー、セキュリティ、倫理的な検討事項へのフォーカスを失わずに、開発を加速することが可能になっています。今後も開発のペースを落とすことはありません。速いペースでイノベーションを起こし、AI 機能を拡張して、Tableau プラットフォームの全体に AI をさらに深く統合していきます。
Tableau Next や、あらゆる人が分析で AI を利用できるようにする Tableau の重要な取り組み以外にも、Tableau 製品ポートフォリオの全体に AI を取り入れる方法を積極的に探求しています。
現在、Tableau では多くの方法で AI を使用できます。Tableau Cloud では、毎月 4 万人を超える Tableau ファンが Tableau Agent と Tableau Pulse を使用しています。さらに、Tableau Server の拡張性により、AI を Tableau Server に取り入れることができます。キーノートでご紹介したように、Tableau Server、VizQL データサービス、お好みのオープンソースのエージェントフレームワークで会話型の分析機能を提供できます。また、今年の後半には Tableau Agent を Tableau Public に導入する予定です。そして、Devs on Stage では今後導入する予定の AI 機能を紹介しました。

3. ロードマップの計画とフィードバックの優先事項化
IdeaExchange (英語) は今でも、機能に関するリクエストを確認、評価して、優先順位を付けるための主な方法の 1 つとなっています。Tableau フォーラムからこのプラットフォームにアイデアを移行することで、アイデアの統合を提案したり、気になるアイデアのステータスをモニタリングしたりすることが可能になり、Tableau 製品チームによる新たな取り組み方を伴う新たなシステムを通じて、エクスペリエンスを改善することができました。IdeaExchange は、新しいアイデアを共有するだけでなく、開発の進捗状況や、皆様のアイデアと Tableau の戦略的イニシアチブとの合致に関する私たちの視点を伝えられる、貴重で効果的なチャネルとなっています。
Tableau は、Viz 拡張機能やアナリティクスペインの拡張機能などの機能を通じた API 開発に対して、Tableau プラットフォームをオープンにすることを決定しました。この決定は、Tableau コミュニティが各自の組織に合わせた価値のカスタマイズ、統合、拡張を希望していたことに後押しされたものです。各種の拡張機能は、機能を特化したツールとワークフローを活用して、迅速なイノベーションと統合を実現します。皆様の一人ひとりが望む分析機能やカスタムのチャートタイプのすべてを構築することは不可能です。しかし、Tableau はコア機能のニーズも認識しており、どの機能が Tableau のコア製品に属しているのか、あるいは、拡張機能により適しているのかを今後も慎重に判断していく予定です。
また、Tableau はクラウドインフラストラクチャの拡大にも熱心に取り組んでおり、Tableau Cloud を Amazon Web Services 上の Hyperforce に移行する中で多くのことを学びました。そして、Google Cloud Platform (GCP) 上に構築した Salesforce 製品の未来に期待を寄せており、お客様にとっての柔軟性と選択肢を強化するための広範な戦略の一環として、できる限り早く Tableau を GCP に導入したいと考えています。GCP 上に構築した Hyperforce の提供開始は来年中を予定しています。
最後に、Tableau コミュニティの意見は、確実に Tableau のロードマップに影響をもたらします。Tableau コミュニティの意見を反映せずにロードマップが完成することはありません。昨年は、150 を超えるコミュニティのアイデアに対応した 130 を超える新機能がリリースされました。さらなる新機能については、最新リリースをご確認ください。

4. リリースとサポートへの投資の強化による信頼の獲得
ここまでで明白になっているのは、安定した信頼性の高いリリースと堅固なサポートが特に重要であることです。皆様にとって Tableau プラットフォームが信頼できることが必要だということは、私たちも十分承知しています。
Tableau の全体で、私たちはこの基本事項に対する新たな取り組みに重点的に注力しています。具体的には、テストプロセス、厳格な品質コントロール手段、Tableau 製品の総合的なパフォーマンスとスケーラビリティへの多額の投資への取り組みに大きな力を注いでいます。混乱を最小限に抑えて、一貫して質の高いリリースを提供することは、単なる目標にとどまらず、皆様が Tableau に寄せる信頼を維持するうえできわめて重要です。その信頼を獲得して維持することが私たちの優先事項であり、こうしたエンジニアリングインフラストラクチャに対する新たなフォーカスは、その取り組みに対する証となっています。
しかし、Tableau の取り組みはそれだけではありません。サポートインフラストラクチャの改善にも多額の投資を行っています。これには、サポートスタッフのトレーニングを強化し、効果的に皆様をサポートするための専門知識を身に付けられるようにすることが含まれます。また、今後さらに応答時間を短縮する予定です。皆様の時間は貴重だからです。そして、セルフサービスリソースも強化しており、迅速かつ効率的に答えを見つけられるようにしています。Tableau の目標は、「必要な時に必要なサポートが得られるように、タイムリーで効果的なサポートを提供する」というシンプルなことです。
私たちは、今後、進化し続けているデータと AI の環境に対処し続けていくには、ガイダンスが必要なことを理解しています。そうした理由から、皆様の投資の最適化を支援する新しいリソースを提供する予定です。新しい Tableau Blueprint for Agentic Analytics を発表できることを特に嬉しく思います。このリソースは、この新たな AI によるエージェンティック時代へと進むにあたって、効果的に戦略、カルチャー、実行を橋渡しするためのベストプラクティスを提供します。
Tableau の取り組みは皆様の成功のために行われており、Tableau の製品とサポートの全体におけるこうした投資は、その証となっています。
5. Tableau の成長を目的とした Salesforce エコシステムの活用
Salesforce の進化を振り返るのは、本当に素晴らしいことです。先駆的な CRM として始まった Salesforce が高機能で包括的なプラットフォームへと拡大し、現在では API 開発プラットフォーム、堅固なデータプラットフォーム、画期的な AI エージェントプラットフォームを擁しています。この見事な成長によってダイナミックなエコシステムが確立され、Salesforce への Tableau の統合は、大きな前進のきっかけとなりました。
Salesforce ファミリーに加わって以来、Tableau の事業規模は 3 倍に拡大しました。この規模拡大によって、コアアーキテクチャと最新鋭の AI 機能へのきわめて重要な投資を加速することが可能になり、さまざまな進歩がもたらされました。こうした進歩は、それぞれが単独では実現がはるかに困難だったでしょう。
この強力なエコシステムは、大切な Tableau ユーザーの皆様に豊富な学習機会も提供します。Tableau は、包括的な教育リソースによって、この学習過程で皆様をサポートすることに尽力しています。Trailhead は今でも学習の出発点として最適です。また、新しい Slack ワークスペースと各地域の Tableau ユーザーグループ、イベントを通じて、活気のある DataFam コミュニティの仲間とつながることをおすすめします。より広範な Salesforce プラットフォームの理解を深めるには、Architects ブログ (英語) をお読みください。貴重なインサイトが得られます。
Tableau は、こうした動的な環境の内部で用語と命名規則に対処することは、進化のただなかにある場合には特に、混乱を招く場合があることを認識しています。Tableau では、製品の名称と説明の簡素化に積極的に取り組んでおり、ドキュメントとリソースを改善して明確性を高めるよう努めています。現在、中核的な Tableau 製品ポートフォリオには、 Tableau Desktop、Tableau Prep、Tableau Server、Tableau Cloud、Tableau Next があります。これらの製品は多くの場合、Tableau+ としてセットで使用でき、また、データビジュアライゼーションをオンラインで探索、作成、一般公開するための無料プラットフォームである Tableau Public と合わせて使用されています。
DataFam の皆様、今後にご期待ください
True to the Core や Tableau Conference など、皆様とつながり、皆様の声に耳を傾け、皆様から学ぶための機会に感謝しています。引き続き調整を重ねて、さらに優れた Tableau を構築できるように、今後も IdeaExchange (英語) でフィードバックと機能に関するリクエストをお寄せください。
今年は変革の年であり、この変革を続ける中で、私自身の取り組みとして、皆様にその過程における最新情報を定期的にシェアしていく予定です。DataFam の皆様、ありがとうございました。
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