VizQL データサービス: ビジュアライゼーションを越えたデータ活用
データドリブンな今日の世界で、組織は Tableau のパブリッシュされたデータソースを精緻化しようと、多大な時間とリソースを投入してきました。そうしたデータソース、つまり信頼できる情報源は、データの分析とビジュアライゼーションを支えるものであり、意思決定を左右するきわめて重要なインサイトをもたらします。
しかし、従来のビジュアライゼーションを越える形でデータソースを活用したいと望むユーザーは数多くいます。そこで、画期的な VizQL データサービス API を利用すると、Tableau で新たな可能性の世界を開くことができます。
VizQL データサービスとは
VizQL データサービスは革新的な API で、ビジュアライゼーションではなくプログラムによるクエリを通じて、Tableau のパブリッシュされたデータソースへのアクセスを実現します。従来のビジュアライゼーションを越えて Tableau アセットの汎用性を最大限に高めるように設計されており、場所を問わずにデータモデルの持つ分析力をユーザーが利用できるようにして、これまでにない柔軟性と効率をもたらします。
VizQL データサービスの仕組み
開発者は API を利用してデータクエリのスクリプトを作成し、Tableau のパブリッシュされたデータソースのデータを直接、フィルタリング、集計、形式変換することができます。VizQL データサービスが利用するのは、Tableau に組み込まれた VizQL データエンジンです。このエンジンは、これまでクエリのビジュアルレンダリングや Pulse メトリクスレイヤーで使われてきましたが、今後はデータクエリにも対応できるようになります。
処理されたデータをさまざまな形式で返すことができるため、他のシステムやアプリケーションとの統合、ワークフローの自動化、機械学習モデルへのフィードを簡単に行えます。また VizQL データサービスは、組織のデータガバナンス基準を維持しながら、既存のセキュリティプロトコルに準拠してすべてのデータアクセスを行います。

VizQL データサービスは、パブリッシュされたデータにプログラムによるクエリで直接アクセスできます。Tableau のユーザーインターフェイスの使用やビジュアライゼーション作成を行う必要はありません。
VizQL データサービスの主な特長
VizQL データサービスは画期的な機能です。データで新たな可能性を引き出し、効率化とイノベーションを推し進めることができます。
- データの取得と分析の自動化で意思決定を迅速化: 現代の企業ではデータ処理の自動化が欠かせません。VizQL データサービスを利用すると、スクリプトによるクエリをデータソースに直接実行でき、自動化が簡単に実現します。これはつまり、データをアプリケーションに統合する場合に、手作業のデータ抽出や複雑なワークフローは不要になるということです。データの取得や分析を自動化することで、ワークフローの大幅なスピードアップや手作業の削減というメリットに加え、意思決定者はタイミングを逃さずに的確な情報を得られるようになります。
- 開発者とエンドユーザーに対する効率アップ: VizQL データサービスにより、パブリッシュされたデータソースにプログラムでアクセスできるようになるため、開発者の作業の仕方が変わります。開発者は Tableau がすでに持っている接続機能とデータモデルを利用して、独自の高度なデータ活用アプリケーションの開発を効率化するとともに、革新的なソリューションの開発に専念することができます。ユーザーもその結果、中途でビジュアライゼーションの作成を経ることなく具体的なインサイトを得られるようになり、生産性が向上します。
- ビジュアライゼーションからの解放: VizQL データサービスの最も革新的な点のひとつは、データ分析と従来のビジュアライゼーションを切り離せることです。ユーザーはどのような場面でも独自のデータモデルを利用でき、ビジュアルツールが持つ制限を越えて、アプリケーションや統合、埋め込みなどによりデータの分析力を新たな領域に広げて活用できるようになります。
VizQL データサービスによるユースケースの大きな変革
パブリッシュされたデータソースで新たな可能性の世界を開く、VizQL データサービスの利用例を見てみましょう。
- AI アプリケーションの強化: 質の高いデータと Agentforce などの AI アプリケーションの統合が、VizQL データサービスでシンプルに行えるようになります。たとえば、保険会社が AI テクノロジーを利用して、保険請求に関する問い合わせや契約情報のカスタマーサポートを提供しているとしましょう。その場合に VizQL データサービスを統合すると、AI インターフェイスは Tableau ソースの適切なデータに直接アクセスして、顧客からの問い合わせへの回答を効率化することができます。この統合により、保険会社は契約者に対して的確なサポートを迅速に提供し、請求処理の円滑化とカスタマーエクスペリエンスの向上につなげることが可能です。
- カスタムソリューションへのデータ埋め込み: VizQL データサービスを利用すると、独自のデータクエリをアプリケーションに直接追加することができます。たとえば小売店は、Tableau の分析環境を独自の売上ダッシュボードに組み込むことができます。こうすると、マネージャーは複数のツールを切り替えて使用することなく重要な情報を調べられるようになります。その結果、業務の負担が減り、カスタマイズしたビジュアライゼーションが得られるうえ、意思決定者はこれまで使ってきたアプリケーションで、必要なデータをスピーディに取得できます。
- サードパーティープラットフォームとの統合: たとえばマーケティング代理店が、サードパーティーのキャンペーン管理プラットフォームを利用している場合を考えてみましょう。VizQL データサービスを使うと、この代理店は Tableau の精緻化されたデータソースをプラットフォームに統合して、キャンペーン成果の総合的な分析とリアルタイムの最適化を行えるようになります。また、この統合により、データに基づいたインサイトを顧客に提供する能力も強化されます。
- データのバースト送信の簡易化: 数多くの企業が、ビジュアライゼーションではなく生データの利用を求める顧客を抱えています。VizQL データサービスを利用すると、企業は顧客にデータを直接提供して、顧客が所有しているツールやプラットフォームで分析できるようにすることが可能です。たとえば金融サービス企業が、レポートのバースト送信を自動化して最新の金融データを顧客に提供することで、顧客は詳細に分析して、必要に応じてカスタムレポートを作成できるようになります。この柔軟性の高さにより、顧客は独自のニーズやワークフローに最適な方法でデータを活用することが可能になります。
- アプリケーションへの自動化機能の追加: VizQL データサービスでは、サードパーティープラットフォームでのデータワークフローの自動化が簡単に行えます。たとえば、物流会社がサプライチェーン管理ソフトウェアを使用している場合、そこに VizQL データサービスを統合すると、データの取得と処理を自動化して、各倉庫での在庫の変化に対して通知を送ることができるようになります。この自動化によって手作業の業務量とミスが減り、最新の情報を意思決定に役立て、これを改善することができます。

たとえば電動自転車企業なら、VizQL データサービスを利用することで、パートナー企業の製品在庫システムを通じて、各モデルの価格帯別売上を一目でわかるように提示することが可能です。
詳細については、VizQL データサービスの実際の使用例を紹介した Tableau Conference 2024 のセッションをご覧ください。また、VizQL データサービスのヘルプ記事もご利用ください。
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