Tableau Conference 2025 のキーノートでの発表内容トップ 10
DataFam の皆様、こんにちは。待ちわびていた Tableau Conference が開催され、TC25 は期待に十分に応えるものとなりました。メインのキーノート「Data and Analytics for the Agentic Era (エージェンティック時代のデータと分析)」は、エージェンティック分析による生データから実用的なインサイト獲得への道程の迅速化にフォーカスした内容で、Tableau のお客様とコミュニティをサポートする新しい機能とリソースについてのエキサイティングな発表もありました。
Tableau の CEO である Ryan Aytay がメインステージに登壇し、世界初のエージェンティック分析プラットフォームである Tableau Next の詳細をシェアしました。また、Box 社のグローバル CIO である Ravi Malick 氏をステージに招き、ライブモバイルデモを披露していただきました。同氏はステージ上で数千人の聴衆を前に、実際に自身のスマートフォンを取り出し、場所や時間を問わずに Tableau で主要な指標をモニタリングして、AI を活用したインサイトを得る方法をシェアしました。
次に、Tableau の最高製品責任者 (CPO) である Southard Jones が Tableau Next の内容を紹介しました。彼は、Tableau Semantics の能力を紹介しました。これは、人と AI エージェントがデータの実際の意味を把握できるように、ビジネスの知識によってデータエンリッチメントを行う AI を活用したセマンティックレイヤーです。その後、作業を容易にする素晴らしい機能をいくつか紹介しました。これらには、Tableau Next と Agentforce の事前構築済みのエージェンティック分析スキルである Data Pro、Concierge、Inspector のほか、分析アセットを共有、再利用、管理するための Marketplace が含まれます。
Tableau の 最高マーケティング責任者 (CMO) である Rekha Srivatsan は、世界の CO2 排出量をモニタリングするために Tableau Agent を使って気候変動のビジュアライゼーションを作成した Tableau Public アンバサダーの Harim Jung と対談しました。さらに、Tableau コミュニティでお互いにつながって学習するための新しい Slack ワークスペースと、エージェンティック分析の AI およびデータ戦略の指針とするための新しい Blueprint をについて取り上げました。
TC25 がこの新しい時代に期待されるものの土台を作ったことは間違いありません。それでは、キーノートでの発表内容のトップ 10 をそれぞれ少し詳しく見ていきましょう。
Tableau Semantics
Tableau Semantics は、AI を活用したセマンティックレイヤーで、生データにビジネス上の意味を組み込みます。指標、計算、定義を単一の管理されたレイヤーに一元化し、信頼できるデータモデルの作成を可能にして、セルフサービス分析を迅速化し、AI エージェントに豊富なビジネスコンテキストを付与します。Tableau Semantics は現在、一般提供されています。
スキル: Data Pro
Tableau Next と Agentforce の事前構築済みのエージェンティック分析スキルである Data Pro は、関係の提案と自動生成された計算フィールドを通じて、より効率的にセマンティックモデルを構築できるようにアナリストとデータスチュワードを支援します。Data Pro は 2025 年 6 月に Tableau Next で一般提供される予定です。
スキル: Concierge
事前構築済みのエージェンティック分析スキルである Concierge を使用すると、ビジネスユーザーは自然言語での質問に対して即座に信頼できる回答を、直接ワークフロー内で取得できます。また、意思決定の質を高めるためのインタラクティブなビジュアライゼーションも提示されます。Concierge は 2025 年 6 月に Tableau Next で一般提供される予定です。
スキル: Inspector
事前構築済みのエージェンティック分析スキルである Inspector を使用すると、ユーザーが主な指標を追跡し、変化が生じた際にリアルタイムのアラートを受信して、先を見越したモニタリングとタイムリーなアクションを円滑化できるようになります。Inspector は 2025 年 6 月に Tableau Next でベータ版が提供される予定です。
Marketplace
Tableau Next の Marketplace を使用すると、分析アセットの共有、再利用、管理が可能になり、ビジネスインテリジェンスの無秩序な広がりの抑制とチームの連携の改善に役立ちます。初期の機能には、標準化されたダッシュボードテンプレート、外部アセットの共有と収益化のための将来の計画が含まれます。Marketplace は 2025 年 10 月に Tableau Next で一般提供される予定です。
Google Workspace 用の Tableau アドオン
Google Workspace 用の Tableau アドオンを使用すると、 Tableau 環境からワークシート、ダッシュボード、Tableau Pulse の指標を Google スライドと Google ドキュメントに直接埋め込むことができます (Google スプレッドシートのサポートは今年後半に予定されています)。このインテグレーションにより、ワンクリックの更新メカニズムが利用できるようになり、チームで使い慣れた Google Workspace の内部で最新のインサイトに常にアクセスできるようになります。Google Workspace 用の Tableau アドオンは、2025 年 4 月の時点で一般提供されています。
Tableau Server における AI
Tableau は、Tableau コミュニティおよびパートナーとのコラボレーションを通じて、Tableau プラットフォームの API をオープンソース AI フレームワークに統合しています。一例として、LangChain とのインテグレーションをご覧ください。これにより、Tableau Server ユーザーが、Tableau API を活用して Tableau Server 環境でアクションを実行する AI エージェントを作成できるようになります。このようなオープンソースのツールは現在、Tableau Server をご使用のお客様に提供されています。
Tableau ではこれとは別に、どうすれば Tableau Agent の機能を Tableau Server に組み込めるかを調査していますが、現時点では本格的な取り組みは始動していません。この場合、フロントエンドが Tableau Agent 機能になりますが、ユーザーが柔軟にバックエンド (LLM やフレームワークなど) を設計できるようになる予定です。
Tableau Public での Tableau Agent
Tableau Agent を Tableau Public に追加し、AI を活用した Viz の作成をこれまで以上に容易化する予定です。専門知識は不要で、Tableau Agent とのコラボレーションを通じて、ダッシュボードの構築を迅速化できます。Tableau Public での Tableau Agent は、2025 年の第 4 四半期に一般提供される予定です。
Tableau Blueprint for Agentic Analytics
新しい Tableau Blueprint for Agentic Analytics は、本格的なデータドリブンかつ AI ドリブンな組織になるためのフレームワークです。エージェンティック時代に成功するためのプロセスとベストプラクティスを概説しています。テクノロジーだけでは成功の実現には不十分だからです。この Blueprint は 2025 年 4 月の時点で利用可能です。
Tableau コミュニティの Slack ワークスペース
DataFam が、ともにつながり、学習し、成長するための新しい Slack ワークスペースを利用できるようになりました。これは、コラボレーション、専門知識の共有、Tableau のあらゆることのための頼りになる新しいハブです。このワークスペースは 2025 年 4 月時点で利用可能です。
詳細情報
エージェンティック分析と Tableau Conference 2025 からのイノベーションに関するその他の最新情報については、Salesforce+ で、オンデマンドでオープニングキーノート、Devs on Stage、その他の魅力的なセッションをご覧いただけます。また、Tableau の CEO である Ryan Aytay が、どのようにしてエージェンティック分析がビジネスインテリジェンスの新しいパラダイムになるのかを考察したブログ記事もお読みください。