KPI は、Key Performance Indicator の略で、日本語では通常キーとなる (=重要な)、パフォーマンス (業績) のインジケータ (指し示すもの=評価指標) という直訳を踏まえて、「重要業績評価指標」と日本語で表現されます。以下、KPI の定義と様々な使用シーンについて説明に移ります。

KPIとは

• Key

キーとなる (=重要な) 指標であることが必要です。たとえば、会社業績を測るのに、社員の平均通勤時間が 65 分であると判明したとしても、それは重要ではないででしょう。

では、売上は重要だからといって、そのまま KPI といえるものでしょうか。多くの経営者にとって、答えはおそらく No です。売上はそのまま「売上目標」「売上実績」として、“生の値で” 見ることができるからです。

一般に、KPI になるのは、売上のような “生の値” ではなく、“手間がかかっても、数値化すべき価値のある値” が一般的です。たとえば、在庫回転月数 (または日数)。1 ヶ月の売上が 2,000 万円 (仕入値では 1,600 万円) のチームがあるとします。在庫を (やはり仕入値で) 3,200 万円抱えていたら、在庫回転月数は 3,200 ÷ 1,600 = 2.0 ヶ月となります。この計算は手作業でも可能ですが、膨大なビジネスデータの計算にはソフトウェアの力を借りたほうが容易です。

• Performance

あっさりと「業績」「業績評価」と訳されることが多いこの Performance ですが、其の本質はむしろ”成績”や”ビジネスの結果”と言い換えたほうが適切です。

たとえば、ある会社ではアンケートによって 3 ヶ月に一度、顧客満足度 (CS) の調査を行っているとします。2018 年 4 月から 6 月までの CS は平均 75% でした。これは結果値です。これに対して、2018 年 7 月から 9 月までの CS を 3% 向上させたい、あるいは、2018 年 4 月から 2019 年 3 月の通期平均では、80% 以上にしたいという目標値があります。。

ちなみに、KPI は、PDCA サイクルとセットでしばしば使われます。特に、P (Plan: 計画) 時と、C (Check: チェック) 時、およびA (Action: アクション、対策) 時に、ほぼ必ず、数字に落とし込まれた Performance が使われます。たとえば、在庫回転日数を例にとれば、年初の計画値が 18 日であった (P)、対して 6 月までの実績 21 日 (C)、では差の 3 日分を短縮するためにどのような対策をとるか (A)、といった具合です。

• Indicators

Indicatorsの説明のために野球の例を使用します。
一般に、ある打者が優れているというとき、それはどのような指標によるのでしょうか。伝統的には、打率、本塁打数、打点といったものですね。投手なら、 勝利数、防御率、勝率、セーブ数、ホールド数などがあります。
このように、Indicator にすること (=指標化) は、漠然と私たちが言葉で (=定性的に) 捉えていたことを量として誰の目にも客観的に見える変換が伴います。多くの経営者が「数字は」「数字は」と口にすることは、みなさんもビジネスの現場でよく経験されていることと思います。

KPI のモニタリング、計測方法および種類

• KPI のモニタリング方法

まずは数値を得ることが重要です。それも、実績データをできるだけ速やかに得ることです。たとえば前日の売上は翌日の朝に見られることが望ましく、さらに望ましいのは即座にオンラインで KPI が把握できることです。しかし現状は、夜間バッチ処理を前提にした「翌朝の把握」でも、実現していない組織はしばしばあります。

• 計測方法

(1) データ収集をどのように行うか (収集設計)、(2) 収集したデータをどのように見やすく表現するか (レポート設計)、(3)レポートをいつ、だれが、どのように見て評価するか (運用設計) という 3 点から成ります。

• 種類

組織や業種、業態により様々です。製造業やサービス業を中心とする日本の場合には、多くは業界団体が存在し、しばしば、四半期や月毎のデータやレポートを Web サイトや業界紙で公開しています。そこで使われている KPI の種類は、自社の KPI 策定の参考になるでしょう。

業界やビジネスモデルごとの KPI の種類

たとえば、製造業では、総合設備効率 (Overall Equipment Effectiveness, OEE) といった KPI が日本では有名です。公益社団法人日本プラントメンテナンス協会によって開発、提唱されたもので、前項でもこの団体について説明しました。

また、たとええば、マーケティングでは「新規顧客獲得数」「既存顧客の状態 (アクティブか、非アクティブか)」「顧客損失数」「顧客グループ/セグメント別売上/回転」といった KPI がよく用いられます。

個人で、KPI とはいわなくとも実質的な KPI を意識しているケースもあります。たとええば運営しているウェブサイトの月間 PV、ドロップ率などです。複数のウェブサイトを運営している個人運営者が「A というサイトは PV が高い。サイト B は PV が低い。けれど滞在時間が長く商品リンクへのクリック率も悪くない」というときには、これらは立派な KPI として機能しているといえます。

KPI のビジュアライゼーション (可視化) 方法

KPI は可視化されたものではなければ意味がありません。より厳密には、可視化されたKPIを見た瞬間に、読み手が対策 (Action) を想起できるものであることが必要です。そうでなければ、目まぐるしい経営スピードに即応できず、そのような「遅い」KPI では迅速で的確な経営判断ができません。
この問題を解決してくれるのがソフトウェアです。最も一般的に使われているのはMicrosoft のExcelですが、他にも、

  • Tableau BI
  • Dr. Sum
  • MotionBoard
  • Actionista!
  • Data Knowledge

などが広く使われています。これらを見て「これらは BI (ビジネスインテリジェンス) ツールではないか」とお思いの方がいるかもしれません。BI とはまさにビジネスの生データを見やすく加工するレポーティングがその機能の本質のひとつであり、単に見栄えだけでなく、ビジネスにとって本質的なデータを簡潔な数値で表現し報告することを目的としています。従って KPI とは極めて近い関係にあります。

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