出前館

データ活用スピードが Tableau で飛躍的に向上


データを起点としたコミュニケーションと意思決定

データを起点とした横串の部門間連携

導入製品: Tableau Creator, Tableau Viewer

導入の背景
スピード感を出し切れない以前のデータ活用環境

コロナ禍による外出自粛などに伴い、私達の生活に定着しつつあるフードデリバリー。海外からも日本市場への新規参入が広がっていますが、その中でも老舗事業者として着実に業容を拡大しているのが、株式会社出前館(以下、出前館)です。飲食店やユーザーの声に真摯に向き合い、配達員の教育をしっかりやっていることなども、高く評価されています。

「フードデリバリー事業は、地域毎のデリバリー需要、その地域の加盟店舗数、配達員数のバランスを取りながら、事業を拡大していく必要があります」と説明するのは、経営企画本部 経営企画部 アナリティクスグループでグループマネージャーを務める宮崎 耕助 氏。これらのうちいずれかが多すぎても、事業として成り立たせることは難しいのだと説明します。「例えば、加盟店が多くとも、注文が少ないと加盟店様は満足しません。また注文を多く頂いても、配達員が少ないとお客様をお待たせしてしまいます。逆に配達員が多くいても、注文が少ないと稼ぐことができず配達員の皆様は不満を感じてしまいます」。

こうしたバランスを適切に維持していくには、データの活用が不可欠だと宮崎氏。出前館にはかなり早い段階から、その文化が醸成されていたと語ります。

「しかし以前はエンジニアチームの方が主に手動でデータ抽出を行い、各事業部門にデータを提供していました。そのためスピード感を出し切れず、何よりエンジニアチームの皆様にも大きな負荷が発生してしまうという課題を抱えていました。また組織で共通したデータを見る環境がなく、統一した指標や数値をもとにした意思決定も、十分にはできていない状況でした」。

 

Tableau の導入・運用環境について
クラウドに集約された幅広いデータを Tableau で分析できる環境に

こうした問題を解決するため、2020年6月にアナリティクス組織が新設されます。その主担当として宮崎氏が着手したのが、Tableau Cloud の導入でした。

「私は LINE との資本業務提携に伴い LINE から転籍してきたのですが、LINE 時代からTableau を使っていたため、そのメリットは十分に理解していました。出前館のデータ課題も、Tableau 環境を構築することで解決できると考えました」。
2020年8月には Tableau Cloud の運用を開始。Amazon Redshift や Google BigQuery に集約されたデータを Tableau Cloud で分析・閲覧できる環境を作り上げています。

「データソースの準備とダッシュボードの作成は、基本的にアナリティクスグループが担当しています」と説明するのは、アナリティクスグループの奥野 礼良 氏。各部門は作成されたダッシュボードを Viewer で閲覧し、データ活用を行っているのだと言います。

「分析対象データの種類は、加盟店や配達員の情報から、お客様の会員情報、商品情報、アクセスログ、注文データ、配送データ、各種イベントログなど、多岐にわたっています。GMV(取引総額)や加盟店舗数、ユーザー数、1店舗あたりの GMV などは、全社共通の KPI として見られており、その他にも部門ごとに様々な KPI が活用されています」。

分析対象データの種類は、加盟店や配達員の情報から、お客様の会員情報、商品情報、アクセスログ、注文データ、配送データ、各種イベントログなど、多岐にわたっています。各部門は作成されたダッシュボードを Viewer で閲覧し、データ活用を行っています。

Tableau 選定の理由について
データを提供する仕組み化の容易さを評価

それではなぜデータ活用基盤としてTableau を選択したのでしょうか。その理由を宮崎氏は次のように説明します。

「データのビジュアル機能が洗練されていることはすでに言い尽くされていると思いますが、私が最も評価したのはデータを提供する仕組み作りの容易さです。Tableau なら多様なデータソースの連携が可能です。またダッシュボード作成の手軽さはもちろん、日次データ抽出機能、日報配信機能と、自動化の機能が充実しているため、最短1~2時間もあればデータ提供の仕組みができてしまいます」。

その一方で奥野氏は「感覚的に使えることも Tableau の魅力の1つです」と指摘します。「公式ドキュメントが充実している上、ユーザーがネットで公開している情報が豊富にあることも重要なポイントです。使いこなすための情報が簡単に手に入るため、とっつきやすいのです」。

Demaecan graphic

Tableau の導入効果について
データ活用スピードが向上しコミュニケーションの共通言語に

Tableau をデータ活用基盤にしたことで、次のようなメリットが得られています。

データ活用による PDCA のスピードアップ
以前は抽出されたデータを都度 Excel などで分析していたため、 データ活用に1~2週間程度かかるケースもありました。現在は日次でデータが更新されており、1分程度で見たいデータにアクセスできます。宮崎氏の体感では、PDCA サイクルのスピードは以前に比べて10倍程度になっていると言います。

データを起点としたコミュニケーションと意思決定
データ提供のスピードが向上し、全社で共通したデータ閲覧環境が整ったことで、データを起点としたコミュニケーションが容易になりました。加盟店・ユーザー・配達員といった複数のデータが1つのダッシュボード環境で素早く確認できることで、局所的ではない事業全体を捉えた判断が進んでいます。

データを起点とした横串の部門間連携
部門横断でデータを見る環境が整ったため、部門間の連携もデータを起点に行われるようになっています。「以前の営業担当者は店舗の売上を中心に見ていましたが、最近では配達待ち時間を見て、デリバリー本部に改善リクエストを出すようになっています。配達時間はお客様だけではなく加盟店舗様にとっても、重要だからです」(奥野氏)。

データ活用の自走化
最近では事業部門内でのセルフ BI に向けた動きも広がりつつあります。自らダッシュボードを作成したいというニーズが、各事業部門から寄せられセルフ BI 化が進んでいるのです。「事業部門内で細かい要望を吸い上げ、スピーディにダッシュボードに反映させることができています」(宮崎氏)。

Tableau で今後はもっと事業部門内でのセルフ BI によるデータ活用の自走化をしていきたいです。データソース提供をアナリティクス部門が行うことでデータの精度を担保させながら、事業部門内で細かい要望を吸い上げ、スピーディにレポートに反映させる動きを加速させたいです。

今後の展開について
Tableau をコアにしたコミュニケーションをさらに拡大

「データは存在するだけでは意味がありません」と宮崎氏。そこからコミュニケーションが生まれ、それが施策に結びついて、初めて価値が生じるのだと語ります。「そのためにTableau をコアとしたコミュニケーションを、さらに拡大したいと考えています」。 その施策の1つが、Slack との連携だと言います。すでに Tableau で日報のメール配信を行っていますが、レポートを Slack にプッシュすることで、コミュニティ性の高い Slack 上でデータを起点としたコミニュケーションを誘発する仕組みを作りたいと語ります。