Tableau・& dbt Labs: 戦略的パートナーシップと統合
データやテクノロジー、ツールが急増している今、各チームによるデータに基づいた信頼できる意思決定を可能にする方法はますます複雑化しています。たとえば、Mulesoft の接続性ベンチマークレポート (英語) によれば、平均的な企業は 991 個のアプリケーションを使用しています。テクノロジーのこのような無秩序な増加は、しばしばデータのサイロ状態を引き起こすばかりでなく、組織が信頼できるリアルタイムのインサイトを意思決定者に提供し続けながらデータガバナンスを効果的に実施するうえでも、大きな課題をもたらします。
Tableau は分析市場のリーダーとして、組織がデータを見て理解できるように支援していることで知られていますが、課題はあります。Tableau と dbt の共同顧客の中には、dbt (英語) を活用し、そのワークフローから得られるメトリクスを信頼している一方で、そのメトリクスが Tableau の分析レイヤーから切り離され、Tableau で利用できない状態にあるケースもあります。
その結果、意思決定者に提示されるデータの信頼性が低下することがあるうえ、分析エンジニアやデータスチュワードは Tableau 導入環境全体でセマンティックレイヤーの定義を複製することを強いられます。こうした課題の克服のため、Tableau コミュニティはこれまで、問題を軽減し、インサイトの信頼性を確保して意思決定の改善に役立てられるような、Tableau と dbt の統合の必要性を訴えてきました。
これに応え昨年、dbt Labs 主催の Coalesce 2024 で、Tableau は同社との戦略的パートナーシップを結び、dbt と Tableau のシームレスな統合で、信頼できるエンドツーエンドの分析環境の実現を支援することを発表 (英語) しました。
Tableau は、dbt Labs との新しいパートナーシップを通じて、dbt のモデルとメトリクスを Tableau 製品に直接取り込み、Tableau の信頼性や拡張性、価値を高めることを目指しています。これによって、業界をリードする 2 つのソリューションが 1 つにまとまり、価値創出までの時間の短縮、スムーズなコラボレーションの促進、世界屈指の分析エクスペリエンスが実現するでしょう
協力してビジョンを実現
Tableau のビジョンは、組織が選んだデータプラットフォームで、信頼できるエンドツーエンドのデータと分析の環境を提供することです。
その達成のために重要な機能を、今後以下の 5 つの主要分野で提供していきます。
- dbt のモデルとメトリクスのエクスポート: データチームは dbt Cloud 内で、Tableau セマンティックモデルと Tableau Pulse メトリクスをすぐに作成できるようにします。データソースを Tableau に再びパブリッシュしたり、メトリクスを手作業で設定したりする必要はありません。
- リネージとデータ健全性: Tableau Catalog でデータの詳細とリネージを強化するために、データの最終更新や品質チェック合格がいつだったかなど、データの重要な健全性情報を dbt にインポートできるようにします。データチームは dbt Exposures を使用すると、モデルがどこでどのように使われているかに関して自動生成された背景情報を取得することができ、その結果、データ品質の向上や関連する Tableau コンテンツの更新開のトリガといった作業を優先できるようになります。
- Tableau ダッシュボード: アナリストは、インポートした dbt データモデルを基にビジュアライゼーションを作成し、外部データをメトリクスデータとスムーズに組み合わせて分析を掘り下げることができます。
- Tableau Pulse: Tableau Pulse メトリクスは、dbt のモデルとメトリクスに直接接続できます。
- コラボレーション: ユーザーは Slack や Teams の Tableau アプリを使って、両プラットフォームを結びつける検索環境を利用することができるようになります。この環境ではワークフローの中で、dbt メトリクスに基づいて新しい Pulse メトリクスをワンクリックで作成することが可能です。
このパートナーシップは、あらゆる組織のあらゆるレベルで、データを活用するすべてのユーザーに次のようなメリットをもたらします。
- ビジネスユーザーは dbt のガバナンスレイヤーにより、Tableau から得られるインサイトを信頼することができ、セルフサービス能力を高められます。
- データプロフェッショナルは、dbt のセマンティックレイヤーを Tableau 側のセマンティックレイヤーで再現する必要がなくなります。また、データの品質、鮮度、アクセス、そしてビジネスユーザーや主な意思決定者向けの新しい分析とメトリクス作成に関して、アドホックなリクエストに対応する時間を減らすこともできます。
- 中心的なステークホルダーにとっては、組織のデータに対する総合的な信頼性が高まり、よりスピーディで自信を持った意思決定につながります。
分析プロセスの各ステップを通じて信頼性とガバナンスを実現
ダッシュボードや Pulse メトリクス、さらにはパブリッシュされたデータソースなど、Tableau コンテンツを見ているとき、参照元データの全体像が得られなくなることはよくあります。Tableau 環境内では構造化されたデータを見ることができますが、その環境より前に行われた変換は記録も表示もされません。
Coalesce 2024 で一般提供が発表された dbt Data Health Tile を使用すると、ダッシュボードのエンドユーザーはデータの品質と鮮度チェックに関する情報を簡単に取得できます。Tableau ダッシュボードに埋め込まれた Data Health Tile からは、dbt にアクセスして Exposure 全体を表示することができ、パブリッシュされたデータソースに Tableau で接続している参照元テーブルについて、さらに詳細な背景情報が得られます。
(Tableau ダッシュボードで現在利用可能)

将来的には、dbt から Tableau Catalog への統合機能でさらに幅広い説明が得られるとともに、品質チェックと鮮度に関する dbt メタデータも表示されるようになる予定です。Pulse メトリクスのユーザーインターフェイスでは、Pulse メトリクスのリネージについてさらに情報を提供する、追加の dbt メタデータが簡単に見つけられるようになります。
dbt メトリクスレイヤーと Tableau Pulse の相互連携
ワンクリックで Pulse にパブリッシュする統合機能を使うと、dbt ユーザーは、常に最新の状態に維持され、dbt メトリクスレイヤーに接続された状態を維持する、信頼できる Pulse メトリクスをすぐに作成することが可能になります。分析エンジニアは dbt の Exposure の中で、dbt でコンテンツをパブリッシュして認証する前に、一時的な Tableau インターフェイスで「Tableau で探索」機能を使って、モデルを簡単に探索できるようになります。ワークフローを中断する必要はありません。
(近日リリース)
Tableau Cloud の dbt Cloud Semantic Layer コネクタ
現在、Tableau Server ユーザーは、Tableau Exchange で dbt Semantic Layer コネクタを使用できます。しかし、数多くのユーザーが dbt Cloud と Tableau Cloud の両方を使用してることを考慮して、現在の Semantic Layer コネクタを Tableau Cloud にも対応させることで、Pulse メトリクスの作成や Web でのダッシュボード作成などのための、Tableau のパブリッシュされたデータソースを作成しやすくする予定です。
(近日リリース)
ワークフロー内のコラボレーション
dbt メトリクスと Tableau Pulse メトリクスをワークフロー内で利用できるようにすることが簡単になり、信頼性も確保されるべきです。Slack や Teams のユーザーは Tableau アプリを使って、Pulse メトリクスの表示、パブリッシュされていない dbt メトリクスの検索のほか、アプリからワンクリックで dbt メトリクスを Pulse にパブリッシュできるようになる予定です。
(近日リリース)
使い始めるには
使い始めるには、Tableau Server で dbt Cloud コネクタを使用できるようにし、Data Health Tile (英語) をダッシュボードの Web ページ要素として設定してください。
この統合では、これからもさらに機能が追加されていきます。製品に関する今後の発表をどうぞお見逃しなく。