あらゆる規模の Tableau Cloud 導入環境をプラットフォームデータ API でモニタリング
Tableau は、少数のライセンスのみを使用する小規模企業でも、組織全体にわたって導入を行う大規模なエンタープライズでも、セルフサービスのビジュアル分析を誰もが利用できるようにします。しかし、導入の規模が拡大するにつれて、アクティビティが増加します。ユーザーは大量のコンテンツを生成し、より多くのダッシュボードがレンダリングされるほど、データベースに対するクエリも増えます。グループと権限はさらに複雑になります。統制が取れない状態に陥り、メリットよりデメリットが大きくなってしまわないように、これらの取り組みを主導し、体系化して、監督するための支援が必要になる時が必ずやって来ます。
私自身がキャリアの大部分を Tableau 管理者として過ごしたことから、すべての管理者には、3 つの中核的な業務があると考えています。それは、プラットフォームがユーザーにとって安全、機能的、有益であるようにすることです。具体的には、プラットフォームを (外部または内部の) 不正行為者から保護して規制要件に準拠し、運用上の問題とパフォーマンスの低下をモニタリングして、誰もがプラットフォームの効率的な使用を通じて最大の価値を得られるようにすることです。
エンタープライズのオブザーバビリティ
とはいえ、これらのすべてを実行するのは、言うは易く行うは難しです。特に、数百人あるいは数千人ものユーザーがタイムゾーンや地域、さまざまなサイトをまたいで勤務する大規模な導入環境においてはなおさらです。管理対象のプラットフォームがこのような規模に到達すると、当初は問題なく機能していた従来の組み込みのツールとプロセスは多くの場合、もはや目的に適合しなくなります。ユーザーが数百人程度の場合、ユーザーと 1 対 1 で作業し、手動でページをクリックしていても持ちこたえられる可能性があります。しかし、数千人規模になると持続不可能になります。管理者が真のオブザーバビリティ、すなわちアプリケーション内の広範囲で起こっていることに関するデータへのアクセスを必要とするのは、この時点になります。多くの管理者にとって、こうしたデータに基づくアプローチは、モニタリングを目的としたイベントログの SIEM ツールへの統合、使用状況の分析を目的としたデータウェアハウスの統合、タスクを自律的に実行するための自動化の構築を意味します。
しばらくの間、Tableau Cloud のアクティビティログ機能はそうしたニーズの一部を満たすうえで役立ってきました。Tableau 2025.3 では、Tableau Cloud 管理者にかつてないほど多くのオブザーバビリティのデータを提供するという点において、大きな一歩が踏み出されました。それが、プラットフォームデータ API です。
Tableau Cloud プラットフォームデータ API とは
プラットフォームデータ API は、Tableau Cloud Manager (TCM) 内の新たなエンドポイントを介して利用でき、Tableau Cloud 導入環境全体からのイベントログのデータを、中央に一元化する形で検索できるようにします。誰が TCM にログインして、新しいサイトを作成したのかを確認したい場合、そのための監査機能を利用できます。誰かがワークブックに対して権限を変更した場合も、そのデータを引き出すことができます。抽出更新のモニタリングにも、(Bridge で実行されるものも含めて) 対応しています。
特定のプラットフォームベンダーのみに対応した「プッシュ型」の統合とは異なり、プラットフォームデータ API では、組織が選んだシステムでデータを「プル」(引き出)して、保存、統合、分析することができます。プラットフォームに依存しないこのアプローチによって、より多くのユーザーがこうしたオブザーバビリティのデータを有効活用できるようになります。また、Tableau のパートナーと DataDev コミュニティが標準化された方法を使用して、あらゆる人のために Tableau エコシステムを強化する新しいツールや製品を作成できるようになります。
Tableau Cloud の全ユーザーがこの機能を利用できるようになることをお伝えできて、大変嬉しく思います。というのも、あらゆるユーザーがエディションを問わずに、新しい API を使ってこうした同一のオブザーバビリティのデータにアクセスできるようになるのは、史上初だからです。Tableau はこのようなデータがいかに重要で有益かを把握しており、そのメリットをユーザーのために最大化したいと考えています。モニタリングとレジリエンスの要件が厳格な Tableau Enterprise および Tableau+ エディションのユーザーは、至急の対応を要するあらゆることを常に把握できるように、ニアリアルタイムのデータにアクセスできます。また、万が一のために備えて保持期間を延長し、当該のデータに 1 年間アクセスできるようにすることも可能です。
エンタープライズのオブザーバビリティ向けの新機能
プラットフォームデータ API は、Tableau Cloud 導入環境の管理を目的とした一連の包括的なツールを提供するプロセスの第一歩にすぎません。私たちは、サイトのオブザーバリティの選択肢をさらに拡張する、次のような新機能の提供に積極的に取り組んでいます。
- エンティティスナップショット (一般提供): イベントログでは起こったことを把握できますが、今この瞬間の状況を把握することはできません。私たちは、導入環境のエンティティ (ワークブック、データソース、ユーザー、グループなど) の「スナップショット」を使って、発生中のイベントのデータを補完することに取り組んでいます。これにより、「過去 6 か月間にどのワークブックが使用されていないか?」、「どのユーザーがアクティブでなくなっているか?」といった質問の答えが得られるようになります。
- Platform Data Loader (コミュニティ支援型): Tableau でプラットフォームデータ API の出力をいち早く使い始めたいユーザーのために、Platform Data Loader というオープンソースの比較ツールが GitHub で入手できるようになりました。このツールでは、プラットフォームデータ API からイベントログとエンティティスナップショットの両方を引き出し、すぐに使える Hyper データソースに読み込んで、Tableau で直接分析できます。こちらは公式の Tableau 機能ではなく、コミュニティ支援型のプロジェクトです。そのため、正式な SLA はなく、DataDev コミュニティからの貢献と問題報告が歓迎されています。
- スピードアップした管理者インサイト: (近日登場予定) 私たちはこの堅固なデータ基盤を構築する中で、既存の管理者機能の改善に力を尽くしています。具体的には、この新しく、より効率的なデータパイプラインに、管理者インサイトの基盤を移すことを計画しています。そうすることで、データの更新時間を短縮し、導入環境に関する情報をより迅速かつタイムリーに提供することが可能になります。
Tableau Cloud プラットフォームデータ API は、新たなレベルの制御とインサイトの基盤となります。すべての Tableau Cloud ユーザーが利用でき、個々のチームから大規模なエンタープライズまで、その誰もがより安全かつ効率的でデータに基づいた分析環境を構築するうえで役立ちます。また、広範囲の導入環境を正確に理解するための鍵ともなります。
プラットフォームデータ API を今すぐ使ってみましょう
新たなプラットフォームデータ API の詳しい使用方法については、TCM ドキュメントのプラットフォームデータの概要をご参照ください。API 呼び出しの詳細な技術仕様は TCM REST API の Platform Data Methods のセクションで確認できます。Tableau の公式 Postman コレクションは、スムーズに使用を開始するのに役立ちます。今すぐダッシュボードの使用を開始したい場合、利用可能なデータを Tableau に取り込むための最速の手段は、Platform Data Loader です。また、これまでと同様、サポートが必要な場合には、DataDev Slack ワークスペースでご連絡ください。
