信頼を構築してスマート分析の可能性を引き出す

信頼によってのみ、組織はデータと「スマート」分析を最大限活用することができます。ここではテクノロジーを分かりやすく説明し、従業員の納得を得る方法について説明します。

この投稿は最初 CIO.com で公開されたものです。

データは、より良いカスタマーエクスペリエンスの構築、より効率的なオペレーションの実現、新しい収益ストリームの開拓を推進するうえで不可欠な要素です。データ分析を得意とする組織は、最も高い競争力と影響力を備えることができます。そのため組織は、優位性の獲得、分析機能のさらなる強化、組織変更の促進、ビジネスのデジタル変革の推進のために、人工知能、機械学習、自然言語処理、複雑なアルゴリズムなどのいわゆる「スマート」な分析テクノロジーに目を向けています。

しかし、これらの有望なテクノロジーのうち、広く成功を収めているのは少数です。謎に包まれていたり、誇大に宣伝されているために、それらのテクノロジーは専門のデータワーカー以外の人々にはほとんど広まってはいません。一般の人々がどのようにして操作し、恩恵を得られるかではなく、その複雑さが原因で未だにテクノロジー自体に注目が集まっている状態です。

分析を使いやすいものにするだけでなく、信頼の重要性についても注目する必要があります。スマート分析について理解していなかったり、信用していなければ、誰もそれを使おうとはしないでしょう。信頼によってのみ、スマート分析の広範な利用や、それによって可能となる斬新な変革を実現することができるのです。それは、データの価値とデータを取り巻くテクノロジーに対する根本的な信頼から始まります。そのうえで、従業員の生産性とインサイトを向上させるために、これらのスマートテクノロジーの最も有効的な活用方法を従業員が理解できるようサポートすることができます。

データとインサイトの価値に対する合意を形成

組織でスマートテクノロジーを採用するには、データドリブンなアプローチに対する従業員の納得を得ることが重要です。それには、データが会社の価値や成功のために不可欠であることや、データから意味を引き出すことに長けている組織がそうでない組織よりも優れた業績を達成できることを信じる必要があります。データを使用して意思決定を行うことに抵抗があるなら、それは分析に役立つ新しいテクノロジーに対する障壁となります。

分析の文化を創り出すにはどうすればよいでしょうか。まずは、組織全体で広くデータを利用できるようにすることに注力します。組織のどのレベルでも分析機能が利用できるようにし、どのような意思決定もデータに基づいて行うことが重要であるという考えを浸透させます。データと分析を直接、意思決定会議に持ち込み、質問にリアルタイムで回答することで、そのような行動のパターンを強化します。データがどのように使われているかを測定し、その影響を理解します。そして、それを推進するコミュニティを構築し、エグゼクティブのサポートを獲得してその重要性を強調します。

スマート分析への理解を促進

人は理解できないことを避けるものですが、分かっていない人として見られたくはありません。スマート分析についてはほとんどの人が理解できていないということを広く知ってもらうことが必要です。比較的新しい分野であり、誰もがまだ学習途上なのです。より広く信頼されるには、教育と透明性が鍵となります。

アルゴリズムやモデルがさらに複雑になるにつれて、理解できないものになってしまわないことが重要です。「説明可能な AI」 というのが強力なコンセプトになります。答を導き出すのに使用された手法と論理を理解できることが必要なのです。これによって、その答えが正しいことを自分自身が確信できるようになるからです。AI のテクニックは、その内部の仕組みを可視化させることが必要ですが、同時に人間は偏見を分析に持ち込みがちであることを認識し、これを回避するのにも役立ちます。この組み合わせにより、人間と機械の両方の世界を最大限活用することが可能になります。

スマート分析は人間に代わるものではなく、支援してくれるものという認識を広める

人々は、生活を脅かすと思うものを信頼することはありません。実際、スマート分析テクノロジーはその逆なのです。自分たちに取って代わるものではなく、自分たちがより優れたパフォーマンスを達成するために役立つ方法として、スマート分析を認識するべきです。私たちは「AI は自分の仕事を奪う」といった誤解を解消し、機械が経験からではなくデータから学習する方法について、誰もが理解できるようサポートする必要があります。スマート分析は、従業員がより優れた意思決定を行い、効率の向上、自動化、カスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ、競合他社との差別化などを実現するのに役立ちます。会社幹部の気に入らないはずがありません。

データリテラシーの奨励

ツールとテクノロジーは大きな潮流の中で重要な役割を果たしますが、従業員がデータについて批判的に考えることを学ぶことも必要です。データが役立つ場合とそうでない場合があることを理解する必要があるのです。誤ったデータや「スマート」なマシンからの誤った推奨事項を基に行動すると、不適切な決定につながり、リソースも無駄にしてしまいます。そこで必要になるのが、データリテラシー、批判的思考、人材育成です。

影響力のあるデータ教育には、実践的なスキルと創造的なスキルの両方が必要です。ビジネスプロセスにスマート分析を導入するには、これらのテクノロジーに対する信頼とともに、従業員による正しい判断が必要です。経験のあるデータサイエンティストでも躊躇することがあるものです。実際に試し、実体験のある人が機械を信用すべきか、という疑問があるからです。経験の少ないユーザーは、正しい方向へと進めるように、スマートテクノロジーからの推奨事項の扱い方や検証方法、または人間の知識を組み合わせる方法を学ぶ必要があります。

変化を起こせますか?

変化は不安要素です。特に高度なテクノロジーの採用は不安なものです。しかし、データの活用に最も長けている組織が最も成功するということに、もはや疑問の余地はありません。戸惑いから成功へと導くことは、これらの新しい機能に対する人々の信頼を築くのに役立ちます。

今後、スマート分析が向上し、進化するにつれて、信頼や確信の問題がどう処理されていくかを見るのは非常に楽しみです。ユーザーの専門知識を抽出することを機械が学習するにつれて、人はどのように反応するでしょうか。組織のデータの可能性を最大化するために、従業員はテクノロジーとともに自分の果たすべき役割について理解するようになるでしょうか。

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