コンピューター科学の一分野の機械学習 (ML) は、データを利用して、アルゴリズムと学習モデルを抽出し、人間が直接プログラミングしなくてもタスクを実行するなどの新たな状況に、「学習」した一般化を応用します。モダンなデータ分析の利用が広がりつつある今、機械学習をめぐる一般的な誤解を解き、機械に秘められた大きな可能性を活用する方法を理解しておきましょう。

誤解: 機械学習と人工知能は人間に取って代わる

機械は、人間の仕事を奪うものではありません。実際には、機械学習や人工知能 (AI) によって人間は仕事の質をはるかに高め、クリエイティビティや戦略などといった、職務のうちやりがいがあり不可欠な人的要素に一層力を注げるようになる可能性が高いのです。

機械学習と AI はさまざまな場面で役立ちますが、これらのテクノロジーがそれほど得意でははなく、人間の影響や介入、監督が必要な分野も数多くあります。たとえば次のようなものが挙げられます。

  • 長期計画の立案
  • 抽象的思考や創造的思考
  • 因果関係の理解
  • 分野の知識や背景情報が必要な意思決定

また、機械学習アルゴリズムの固有バイアスを排除するためにも、人間の判断力は必要です。テクノロジーが進歩しても、完全にアルゴリズムによる完璧なソリューションは現れないかもしれません。機械の提供する結果と提案を人間が信頼するために欠かせないのは、説明可能性と透明性です。人間が仕事や生活で、機械の影響を受けた意思決定を完全に信頼し取り入れるには、機械が利用するモデルの「ブラックボックス」の中で何が行われているかを理解する必要があります。

誤解: 機械は経験から学ぶ

一般に信じられているのとは異なり、機械学習が依存しているのは経験ではなくデータです。PC にすべて任せて課題を解決することはできません。機械は学習するために、そしてアルゴリズムを生成して将来の状況に応用するためにも、次のようなデータを必要とします。

  • データセットの構成要素を分類または表現するための手法
  • 成功を収めるまたは評価するための指標
  • データに対するモデルパラメーターの最適化

これは、抽象化したストーリーのような一般化された説明をデータセットから抽出することによって行われるものであり、人間には見つけにくい可能性もある複雑なパターンや隠れた規則性が関わることもあります。たとえば現代の金融機関は、不正請求の可能性がある異常の検出と警告や、融資のリスク評価とアドバイスを目的にした、取引データの分析に機械学習を活用しています。

シンプルな例を挙げましょう。ドーナツの写真を機械に読み込ませて、新しい写真にドーナツが写っているかどうかを機械が判断できるようにしたいとします。それにはまず、ドーナツがある写真とない写真を与え、画像分類器にどちらがどちらなのかを教えます。機械はそれをデータとして用い、「ドーナツ」と「非ドーナツ」を区別する決定論的予測のモデルを構築します。そして人が新しい画像を読み込ませると、機械はアルゴリズム的モデルを適用して、その写真にドーナツがあるかどうかの判断を行います。

誤解: 機械学習は人工知能と同じものである

人工知能と機械学習は異なるものですが、概念には関連性があります。AI と機械学習の関係は、たとえば AI を課題だとすると、機械学習はそれを解決しようとする 1 つの手法と考えることができます。人の知性の認識能力を使って PC が問題を解決できるようにすることを最終目標に据えるのであれば、より大きな新しい状況に適用するた、データから得られたアルゴリズムのプロセスが、それを達成する手段の 1 つです。

人間にとって簡単でも機械には難しい、コンピュータービジョンのような課題に取り組むものとして AI を考えると、区別がつきやすくなるでしょう。先ほどのドーナツの例をさらに広げ、新しい課題として、ベーグルとドーナツを区別できるように PC に教えることを考えてみましょう。これは人間にしてみれば非常に簡単ですが、PC にとってはかなり難しい課題です。この例で見ると、AI はベーグルとドーナツを区別できる機械の能力 (課題) に当たり、機械学習は新しい写真を見せられたときに結論に達することができるように PC が学ぶ方法 (解決方法) に当たります。

逆に言うと機械学習は、複雑な数学アルゴリズムの実行や確率論的計算の利用のような、人間よりも機械にとって簡単な状況で役立ち、通常利用されるものです。機械の計算能力により、難しい作業でも短時間で実行でき、また人間なら見逃すかもしれないパターンを見出せるようになります。

モダン分析における機械学習の使用事例

多くの組織がエンタープライズデータ分析に機械学習を取り入れて、隠れたインサイトを見出し、ビジネス上の意思決定の材料としてよりスマートな提案を得るのに役立てています。これは特に、ますますサイズが大きく複雑になったデータセットを扱う、ビッグデータ分析で役立ちます。また、機械学習は組織内の行動傾向を検出して、他者と同様だと判断されたユーザーに対し、データ準備やデータ分析でどのデータソースを使うと良いか、ある特定の質問に答えを出すのに役立つ最適な分析コンテンツはどれかなどの提案を行うこともできます。

進歩を続ける分野には他にも、高度な分析や予測分析があります。機械学習を活用すると、高度な統計分析の自動化と信頼性が最も高いモデルの自動的な適用により、上級ユーザーでなくても複雑なモデルを利用できるようになります。また、上級ユーザーは計算を試して修正することができ、それによって信頼性と透明性が確保されるだけではなく、異なる What-if シナリオを試せるようにもなります。

機械学習は、ユーザーが自然言語を使ってデータのクエリを実行できるように分析でも利用されています。これは基本的に、質問の裏側にある人間の意図や意味論を解釈する方法を学び、要求を構造化クエリ言語に変換することを意味します。AI と機械学習に支えられた、自然言語などのスマート分析機能の進歩に伴い、従来のデータスキルを持たない人々でも、新しいインサイトを得る新たな優れた方法でデータを操作できるようになるでしょう。

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