Kubota

データ分析に新たな切り口を加えて IoT の可能性を引き出す SIAM KUBOTA 社


分析の速さと簡単さにより、新しいユースケースでデータが利用可能に

COVID-19 ビジュアライゼーションの毎日の更新で 1 日当たり最大 4 時間を節約

データ分析のハードルが下がり IoT のイノベーションが加速

SIAM KUBOTA Corporation 社はタイ最大級の企業であり、専門分野は建設機械と農業機械の製造、販売、リースです。また、農業と農地経営を進歩させることを目指した研究開発部門も抱えています。その一環として、IoT とデータビジュアライゼーションを活用し、農家が作物をモニタリングできるように支援しています。

SIAM KUBOTA Corporation 社ではこれまで常にデータが意思決定に欠かせないものであり、Tableau の導入に伴ってデータカルチャーがさらに強化されました。スプレッドシートもプレゼンテーションも Tableau のビジュアライゼーションに置き換えられ、データには必要としている人がリアルタイムでアクセスできるようになっています。Tableau の本番稼働から 6 か月もたたずに、ダッシュボードの自動化で時間を大幅に節約し、データ分析に新たな切り口を加えることができました。今では新しいビジュアライゼーションが、売上予測とリスク管理の改善、そして IoT のイノベーションの加速に役立っています。

データトランスフォーメーションの推進

SIAM KUBOTA Corporation 社の分析に対する以前のアプローチでは、データのモデリングと経営陣に提示できるビジュアライゼーションの作成に、手作業で何時間もかかっていました。そこで同社は、分析がもたらすメリットを一層十分に活用できるようにするために、分析をさらに簡単かつ高速に行えるようにしたいと考えました。そのデータトランスフォーメーションを率いる情報技術部門シニアマネージャーに就いたのが、同社の Methee Srisupundit 氏です。変革の第一歩は分析ソリューションを見出すことであり、Srisupundit 氏とチームはビジュアライゼーション機能と使いやすさに着目して Tableau を選定しました。同社は Tableau Server を使い始めましたが、スケーラブルな処理能力と自動アップグレード機能を活用するためすぐ Tableau Cloud に移行しました。また、Tableau Cloud では新規ユーザーへのアクセス権付与も簡単になりました。

「同一のユースケースで複数のダッシュボードを更新し続ける必要がなくなり、自動的に更新できるビジュアライゼーションを 1 つ作成するだけです。そのため、当社のステークホルダーはデータを待つ必要がなくなりました。Tableau Cloud では、ユーザーはただログオンすれば必要な情報をすべて得られ、しかもすべてを 1 つにまとめて視覚化することもできます」と、Srisupundit 氏は語ります。

Tableau Cloud では、ユーザーはただログオンすれば必要な情報をすべて得られ、しかもすべてを 1 つにまとめて視覚化することもできます

それまでダッシュボード作成に使われていた時間は、Tableau 利用拡大の取り組みと、データのフィルタリングや分析の方法を全社に紹介することに充てられるようになりました。その結果 Tableau が短期間で普及して、今では SIAM KUBOTA Corporation 社の Tableau エコシステムを従業員約 200 名が利用し、そのうち 80 名がビジュアライゼーション作成に携わっています。同社はトレーニングと啓発に一層力を入れており、売上予測、生産ラインのモニタリング、顧客セグメンテーション分析、顧客の再購買行動に関する予測など、さまざまな社内ユースケースに Tableau を活用しています。

Tableau はまた、農業家の顧客が農場で使っている IoT デバイスから収集されたデータの視覚化にも利用されています。同社が IoT 活用で農業経営者を支援し始めた当初、ビジュアライゼーションの作成と編集はプログラマーが担っていました。今では、プログラマーはデータ収集に時間を充てて専念できるようになっており、ビジュアライゼーションの作成や顧客との共有も格段にスピードアップされています。

データ分析で毎日、半日分の時間を節減

SIAM KUBOTA Corporation 社の Tableau 本番稼働は 2020 年 4 月のことですが、初めて作成されたビジュアライゼーションの中には、従業員の COVID-19 感染状況をモニタリングするものもありました。同社は 3,000 名の従業員を抱えており、健康かどうか、何かの症状が出ていないかを毎日把握したいと考えていました。そこで Google フォームを使って、従業員が簡単な質問に毎日回答するようにし、当初はその結果を手作業でまとめていました。現在、そのデータは Google から Tableau に直接取り込まれる形に変わり、ビジュアライゼーションも自動的に更新されています。その結果、分析で毎日、半日分の時間を省けるようになりました。

COVID-19 ダッシュボードは、経営陣が Tableau の価値を理解する助けにもなりました。現在 Srisupundit 氏とチームは、新しいビジュアライゼーションの要望に対応しています。「次のステップは、データ利用を組織文化に一層深く浸透させて、自然に広がるようにすることです。そうすれば、さまざまな面から会社を見て、お客様への対応に役立つインサイトがさらに得られるようになるでしょう」