2024/10/28

Tableau Agent を使用する際のベストプラクティス

Tableau Agent を活用してデータ分析の精度と効果を高めるために不可欠なベストプラクティスについて説明します。

信頼できる AI アシスタントの Tableau Agent は、新人アナリストが会話型 AI を活用し、データをより迅速かつ効率的に整備、探索、可視化するのに役立ちます。Tableau Agent は、生成 AI と統計分析を活用することで、データのコンテキストを把握し、会話を通じて Tableau Prep でのデータ準備、Tableau Catalog でのデータ文書化、Tableau Cloud Web 作成でのビジュアライゼーション作成やデータ探索をサポートします。

Tableau Agent の機能の重要な要素として、高度な AI と人による監督のコラボレーションが挙げられます。Tableau Agent の特に重要な側面の 1 つは、常に人がプロセスに関与しており、提案された回答はすべて、徹底的なチェックを経たうえで承認されているということです。

Tableau Agent のベストプラクティス

データソースの準備でも、データ探索でも、これらのベストプラクティスに従うことで、あらゆるステップで確実に Tableau Agent によるサポートを受けられます。

データが十分に整備されていることを確認する

Tableau Agent を使用する際は、十分に整備されたデータと十分に定義されたスキーマを活用すると、より精度の高い回答を得られる確率が上がります。データをより適切に整備するには、不要なフィールドを非表示にして、明確なラベルとフィールドの説明を追加し、データ型を指定するとよいでしょう。これらのすべてが回答の精度を高め、より詳細なインサイトを提示できるように Tableau Agent のガイドをサポートします。

たとえば、データに [年] フィールドがあり、時間ベースの年間分析を実行する場合は、当該フィールドが整数ではなく年月日として識別されるようにしましょう。

さらに、業界が異なれば、指標や同義語の定義も異なることがあるため、独自の定義がある場合は、フィールドの説明で明示しましょう。

Tableau Agent Best Practices Hide Field

明確ではっきりとした指示を出す

Tableau Agent はアクション指向で、ユーザーの意図を即座に判断しようとします。そのため、Tableau Agent に依頼したいことを明確にするように努めましょう。Tableau Agent と会話する際に特定のフィールド名に言及する必要はありません。重要なのは、ご自身の意図を説明することです。

例: Tableau Agent に「都道府県別に売上をランク付けして」と言う代わりに、Tableau Agent に計算を作成してランキングを算出してほしいのか、売上の数字に基づいて売上のランクを示すビジュアライゼーションをレンダリングしてほしいのかを明確に伝えましょう。

複雑な目標を複数のステップに分解する

Tableau Agent は、データモデルを更新したり、1 ステップでビジュアライゼーションを生成したりすることができません。最良の成果を得るには、複数のステップから成るクエリを個別のアクションに分解しましょう。こうした 2 ステップのアプローチによって、精度が高まり、Tableau Agent の最も関連性の高いインサイトを提示する機能が向上します。AI の利点を最大限に活用するには、現在の機能について把握し、それに応じてクエリを適応させる必要があります。注: 今後のアップデートで、機能の強化に取り組む予定です。

例: 「利益マージン」を分析したいものの、「収益総額」と「コスト」のフィールドのみがある場合、このタスクを以下の 2 つのステップに分解しましょう。

  1. Tableau Agent に「『利益』という計算を作成して」と依頼し、計算を作成する。
  2. Tableau Agent に「『利益』が時間とともにどのように変化したかを示して」と依頼し、ビジュアライゼーションを生成する。

次に、昨年にどの製品サブカテゴリで最も利益が増加したのかを分析したい場合は、このタスクを以下の 2 つのステップに分解しましょう。

  1. Copilot に「過去 1 年間における各製品サブカテゴリでの利益の増加を計算して」と依頼し、計算を作成する。
  2. 「最も利益が高かった製品サブカテゴリを表示して」と依頼し、ビジュアライゼーションを生成する。
     

セッションのコンテキストを管理する

Tableau Agent は、過去の質問と命令のコンテキストを一定の上限 (現在は約 32,000 文字) まで記憶します。新規の分析を開始する際に Tableau Agent に以前のやり取りを考慮してほしくない場合は、新しいシートで分析を始めましょう。これにより、新しいセッションが開始されます。

例: これまで Tableau Agent に売上データについて尋ねてきたものの、方針を転換して、分析に影響を及ぼす過去のコンテキストを使用せずにマーケティングデータを分析する場合は、新しいシートで開始しましょう。これにより、当該の売上分析から情報が引き継がれないようにすることができます。

Tableau Agent best practices

レンダリング用のメジャーをシンプルにする

データ分析では、「上位の製品」、「最優秀セールスパーソン」、「最高の四半期」などの極値を尋ねることがよくあります。こうした場合に、AI にとって何が「上位」、「最優秀」、「最高」なのかを判断する方法が曖昧になりがちです。Tableau Agent はアクション指向で、最善の判断を活用してメジャーを選択します。使用するメジャーがわかっている場合は、はっきりと指定しましょう。

例: Tableau Agent に「上位の製品」を表示するように依頼するのではなく、「利益に基づいて上位の製品」を表示するように依頼してみましょう。

Tableau Agent Best Practices Simplify measures

Tableau Agent で AI の成果を高める

Tableau Agent からの回答が変化する場合があることに、注意することが重要です。Tableau Agent を支えている LLM (大規模言語モデル) は非決定的なため、同じ質問に対する回答が異なる場合があります。

Tableau は、お客様、ユーザー、DataFam との信頼を築き、透明性を確保することが重要だと考えています。データ準備とデータ分析でこれらのベストプラクティスに従うと、Tableau Agent によって生成されるインサイトの精度を高められます。しかし、人と同様に、AI は完全無欠ではなく、間違うことがあります。

Tableau Agent の回答やインサイトが不正確な場合は、組み込みのフィードバックボタンを使用して、その内容を共有しましょう。Tableau の製品エンジニアリングチームはこうしたフィードバックを活用して、バグに対処し、新機能を実装して、精度とユーザーの意図の理解を向上させます。

Tableau Agent は、継続的に学習して適応するように設計されています。より多くのデータを処理し、ユーザーのフィードバックを受け取る中で、Tableau Agent の精度と機能は時間とともに改善されていきます。

Tableau Agent でデータ分析の未来を先取りして、データの可能性を最大限に引き出しましょう。Tableau+ のみでご利用いただける Tableau Agent の詳細情報については、デモをご覧ください