資生堂、複数データを統合分析して「ワタシプラス」施策に活用 最適な顧客エンゲージメント実現
以前は簡単な修正でも 1 週間を要していたのが、数秒でレポート修正、さらに数秒で共有ができるように
毎回アドホックに出力していたレポートが、ユーザーが自由に操作してデータを見られるように
資生堂ジャパン株式会社では、Web サイト「ワタシプラス」と POS データ、会員情報など、様々なデータソースをクラウド上のデータマネージメントプラットフォーム (DMP) に統合、それら複数の顧客行動データを Tableau で分析し、顧客の「モーメント」に合わせて、Web 広告やメール/LINE キャンペーン、Web 施策など最適なチャネルでの顧客エンゲージメントの実現を目指した取り組みを行っています。
Tableau を使って良かった点は、生産性の高さというものがあると思っています。これまで簡単な修正でも 1 週間ぐらいかかっていたんですが、Tableau 導入後は、数秒でレポートの修正をして、また数秒で Tableau Server にアップロードできます。
Tableau: 資生堂社内でどのように Tableau を利用しているか教えてください。
合田氏: 資生堂ジャパンでは、現在、Tableau を主に 3 つの業務で利用しています。
1 つ目が「ワタシプラス」の売上指標などの KPI を可視化するためのダッシュボードとしての活用、2 つ目が施策の管理ダッシュボードとして使っています。施策の進捗状況や目標の達成状況のダッシュボードをキャンペーン毎に作り、Tableau Server 上に公開してメンバーが自由に見られるようにしています。3 つ目がアドホックな分析での利用です。Treasure Data 上にあるデータを Tableau で展開し、深堀りした分析をしていくということをやっています。
Tableau: Tableau で非常に優れていると思った機能や特徴はどのような点ですか。
合田氏: Tableau を導入する前は、他のレポーティングツールを利用しており、クロス集計のみのレポート、もしくはアドホックに Excel でのレポートを提供しているような状態でした。
吉本氏: Tableau を使ってみて感じたのは、簡単な操作でデータを好きな視点で深掘りしていける、ということですね。これまで Excel などで分析していた際に手間だったものが、ドラッグ & ドロップで簡単に集計・深掘り・分析できるところがよい点だと思いました。
合田氏: レポートを共有する、利用する側のユーザーの反応、受け入れが早かったですね。データをクロス集計で出すよりも、Tableau で可視化された状態で見た方が、分析結果を理解するスピードが早いですね。Tableau のレポートは、以前のレポートよりユーザー側で活用されているような感じます。
吉本氏: 今まで他の BI ツールでは難しかったユーザーベースでの分析が簡単にできるようになりました。例えば、ユーザーごとのライフタイムバリューを出そうとするときも、Tableau の LOD 表現を使うと簡単に集計することができる、などです。
Tableau: 現在、Tableau を導入展開しているデータ基盤の環境を教えてください。
合田氏: 現在、Tableau を導入している環境では、社内の一次データやサードパーティのデータ、サイトアクセスのデータを Treasure Data の DMP 上に統合しています。Tableau 経由で DMP に接続してデータを分析しています。
Tableau を導入するまでにかかった期間は 2 ヶ月弱です。元々 DWH (データウェアハウス) が存在していたので、そこからデータを Tableau Server にパブリッシュすることによって、使う所までは比較的すんなりいったと思っています。
そこから、運用に乗るまでの時間は少しかかりましたが、使うという意味に関しては比較的、早く実現できたと思っています。
吉本氏: Treasure Data の DMP と Tableau の相性は非常に良く、Treasure Data でクエリを書いて、出てきた結果をそのまま Tableau のデータソースとして吐き出すことができます。Treasure Data で簡単な集計をして、その結果を Tableau でビジュアライズすることが簡単にできるのが良いと思っています。
今までデータを扱う人間しか見られなかったデータが、Tableau 導入後、ダッシュボードやワークシートという形になり、ブランド担当者や EC 担当者など、多くの人に同じフォーマットで一度に共有できる、かつ深いデータも軽いデータも両方のレベルを提供できる、これが良いところかなと思っています。
Tableau: Tableau Server を導入して、ダッシュボード、レポートを社内で共有することで改善された点があれば教えてください。
吉本氏: Tableau を使ってよかった点は、1 つには生産性の高さがあると思っています。Tableau を導入する以前は、レポートを作るにも外部のパートナーにお願いしていたので、毎回、費用も発生し、時間もかかっていました。
Tableau を導入したことで、社内の分析者が自由にレポートを作って、Tableau Server にパブリッシュして、共有することができるようになりました。
これまで簡単な修正でも 1 週間ぐらいかかっていたのですが、Tableau 導入後は、数秒でレポートを修正、さらに数秒で Tableau Server にアップロード、共有できるようになりました。
合田氏: Tableau を使って仕事のやり方が一番変わったのは、アドホックなレポートを毎回出していたのが、Tableau ならある程度、ユーザー側でもレポートを自由に操作してもらえる点です。
今までデータを扱う人間しか見られなかったデータが、ダッシュボードやワークシートという形になり、ブランド担当者や EC 担当者など、多くの人に同じフォーマットで一度に共有できる、かつ深いデータも軽いデータも両方のレベルを提供できる、これが良いところかなと思っています。
Tableau: Tableau 利用の次のステップにどんなことをお考えですか。
吉本氏: 現在の Tableau 活用は、「ワタシプラス」を運営している EC 事業推進部内に限られている状況ですが、今後はもっと部門を超えて活用の場を広げていきたいと思っています。特にブランド担当チームに Tableau を活用してもらえる環境を作っていきたいと思っています。