Fukuoka University

ゼミ生のアウトプットと学外交流の機会が飛躍的に増加|福岡大学


Tableau のスキル・経験が学生のキャリア選択に大きく寄与

導入の背景

授業オンライン化により個人 PC で使える分析ツールが不可欠に

マーケティングの実践に重きを置く福岡大学商学部の太宰潮ゼミでは、パートナー企業と秘密保持契約を結んで借用した ID-POS (消費者の購買データ)等の実データを分析し、その結果をもとに企業へのマーケティング施策の提案などを行っています。その学習のためのツールとして、オンプレミスの統計解析ソフトを学内の共有PC に導入し、長年利用してきました。

そうした中、大きな転機となったのがコロナ禍です。大学施設の利用が大幅に制限され、すべての授業がオンラインとなったことで、学内の共有 PC ではなく、ゼミ生各自の PC で使えるデータ分析ツールへの切り替えが急務となったのです。

「 Tableau なら、フリーのアカデミックライセンスを提供してくれて、ゼミ生全員が個人PC で使えるということで、私たちのニーズにぴったり合うと思いました。また、私たちがコラボしている企業をはじめ、社会で広く使われていて、ゼミ生たちがツールを通じて社会人の方と接する機会が多くなりそうだということも、選定の決め手のひとつになりました」(太宰先生)

Tableau の導入・運用環境について

ゼミ生が短期間でスキルを身につけ、アイデアを実践

2020年3月、Tableau を導入した太宰ゼミ。ゼミ生の大半が初めてTableau を触るところからのスタートでした。使い方の習得についてはゼミ生の自主性に委ねる方針で、各自がさまざまな方法で学習を進めていったそうです。

「私は最初、Tableau の読み方すらわからなかったのですが、公式eラーニングや動画サイト、書籍などを見て勉強したり、先輩に質問したりして、使い方をイメージできたら実際に触ってみる、という方法で徐々に覚えていきました」(諸冨さん)

「Tableau に関する疑問点は皆だいたい共通しているので、ゼミ生同士で集まって勉強会を開き、お互いに教え合って学びを深めていきました」(外宮さん)

そうした熱心な取り組みの結果、ゼミ生の多くが1~3か月程度で Tableau の基本的な使い方をマスター。2023年2月時点で、4名のゼミ生が DATA Saber (データドリブン文化を広めるための包括的な知識を学ぶコミュニティ主導の認定プログラム)に合格している、と太宰先生は目を細めます。

「今やゼミ生は私のはるか先まで学習を進めてしまって、むしろ私のほうが、なんとか追いつかなければと焦っています(笑)」(太宰先生)

ゼミでは、Tableau を利用して ID-POS の分析やオムニチャネル行動の可視化などを実施。あるスーパーマーケットからの依頼を受けて、コロナ禍前後の需要の差異を分析し、その結果をもとに商品の訴求方法を提案して売上アップに貢献するなど、実践的な活動につながる Tableau の活用を進めていきました。

さらに、Web サイトへのアクセス数や地図アプリでの検索数・キーワードから顧客インサイトを可視化するなど、太宰先生いわく「私が教えたのではなくゼミ生が自分で身につけたスキルや考えたアイデア」を実践するケースがどんどん増えていきました。

髙松さんは、実際に Tableau を使ってみて、1~2年次に使っていたオンプレミスの統計解析ソフトとの違いに驚いたといいます。

「分析がメインだった以前のソフトとは比べものにならないほど、Tableau のビジュアルはカラフルで見やすく、しかもドラッグ&ドロップですべてできてしまう。こんなに簡単にグラフを作れるんだ、と本当に感動しました」(髙松さん)

 

作成者:福岡大学 太宰ゼミナール 樋口 瑠星 様(DATA Saber) 企業分析Award に参加した際にオープンデータで作成した サンキーダイアグラム

作成者:福岡大学 太宰ゼミナール 樋口 瑠星 様( DATA Saber )企業分析 Award に参加した際にオープンデータで作成したサンキーダイアグラム

ゼミ生のアウトプットが飛躍的に向上

以前の統計解析ソフトでは考えられませんでしたが、授業内でもアウトプットが1~2つは出せるようになりました。また、自主的に学外の発表の場に参加するゼミ生も増え、アウトプットの機会が無限に広がりました。

Tableau の導入効果について

ゼミ生のアウトプットと学外交流の機会が飛躍的に増加

「Tableau を使うと、ゼミ生各自が小一時間の授業内にアウトプットを1~2つは出せる。しかも、一度作ったものは他社の事例やデータにも応用できるので、作成時間をどんどん短縮できる。以前の統計解析ソフトでは考えられないことです」(太宰先生)

進化したのはゼミの学習内容だけではありません。Tableau から得られた最大のメリットは、Tableau コミュニティでのライトニングトークという短時間のプレゼンテーションなど、学外でのゼミ生のアウトプットの機会が格段に増えたことだ、と太宰先生は喜びます。

「年に3~4回、自主的に学外の発表の場に参加しているゼミ生が何人もいます。以前は主に東京でリアル開催されていたそうした場が、コロナ禍でオンライン開催になったことは、地方在住の学生にとってはむしろありがたく、アウトプットの機会が無限に広がったようなもの。また、Tableau を導入している企業は多いので、Tableau をきっかけとしてゼミ生が企業の方と話す機会が飛躍的に増えました。そうした場で社会人の方に向けて発表し、評価されるというのは、ゼミ生にとって大きな達成感を得られる貴重な経験となっています」(太宰先生)

仁田原さんと諸冨さんは、学習の成果を学外に向けてアウトプットすることにやりがいや楽しさを感じているといいます。

「意外だったのは、Tableau を介したコミュニケーションでは、実務に携わっている企業の方が、学生だからと特別視することなく本気で向き合ってくださること。『この分析はすごくよかった』『もっとこうしたほうがいい』という評価やアドバイスをいただけることは、本当にうれしく、勉強になります」(仁田原さん)

「企業の方から、『こんなこと知らなかったよ』といっていただけたことが、私にとってものすごく大きな経験になっています。Tableau コミュニティでは、学生の言葉でも真摯に受け止めていただけますし、ユーザーの方々の温かさも感じられて、Tableau をさらに好きになりました」(諸冨さん)

アウトプットの機会が急増し、世界が一気に拡大

学外に向けてアウトプットし、社会人の方から評価されるという、学生にはなかなかない経験ができるようになったこと。 Tableau コミュニティでの発表がその後のチャンスや人脈につながるなど、Tableau によって世界が一気に広がりました

今後の展開について

Tableau のスキル・経験がキャリア選択の重要なポイントに

外宮さんと諸冨さんは、Tableau コミュニティでの講演やコンテンツの公開、他大学の学生との交流などにリーダーとして携わる「学生アンバサダー」として、日々精力的に活動しています。そうしたTableau を介した取り組みは、ゼミ生のキャリア教育においても大いに役立っているようです。

「私の場合、Tableau のおかげで人生が変わったといって過言ではないと思います。3年生のとき、Tableau を使えるという理由で、カホエンタープライズでインターンを経験させていただきました。そして4年生になり、就職活動で行きたい企業になかなか巡り会えない中、その楽しかったインターンのことを思い出して、『どうしても入社したい』と直接メールしたんです。すると、中途採用しかしていないにもかかわらず、特別に面接を実施してくださり、結果親会社での採用に。現在は、現場の経験を積みながらデータ活用に取り組んでいます」(髙松さん)

「私も3年次、インターン先の企業で Tableau を活用したことが、就職先を決める大きなポイントになりました。マーケティングチームの方とダッシュボードを作成する中で、データ分析の楽しさや難しさはもちろん、この領域なら自分が社会に必要とされるのではと実感して、Tableau のスキルを活かせる企業を就職先に選びました」(仁田原さん)

3年生以下のゼミ生たちは、先輩たちのそうした姿から大きな刺激を受けているようです。

「Tableau を活用して主体的に動き、世界を広げている先輩たちにならって、私も今、インターン先でデータ分析に取り組んでいます。ゼミで Tableau を使って学んだことは大いに役立っていますし、卒業後には、Tableau やデータ分析に関連する仕事に就きたいと考えています」(外宮さん)

「実は高校時代、数学で学ぶデータの領域が苦手でした。ところが、Tableau を使ってデータ分析を学ぶうちに、『意外と好きかも』と思えるようになって、さらに Tableau の発表をきっかけに、ある企業の社長から声をかけていただいてインターンまで経験できました。データに関わることなんて一生ないと思っていたのに、今では Tableau を使って仕事ができたらいいなと思うようになっています」(諸冨さん)

日頃の学習を通じて、太宰先生がゼミ生に一番に伝えようとしているのは、「データという分野は、本気で勉強すれば実社会や実務で活躍できる人になれる」ということだといいます。そのメッセージは、Tableau を介してゼミ生にしっかりと届き、確実に実を結んでいるようです。

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