進化する小売業・消費財メーカー データドリブン経営 2023 〜データ活用・分析強化で競争力向上へ〜

厳しい競争環境の中で、小売業が成長を持続していくためには、顧客体験の革新による差別化戦略が求められています。顧客体験を革新し、LTV（Lifetime Value：顧客生涯価値）を高めていくためには、顧客の購買データや購買行動データの収集・分析に基づいたパーソナライズによる顧客体験のシームレスな提供が欠かせません。顧客接点がオフラインからオンラインへと広がる中で、小売業が自社で収集・保有する顧客データは、会員データ、サイトやアプリの閲覧履歴、店舗やECの購買データなど、多岐にわたります。
今後は、顧客の購買行動のチャネルシフトに合わせ、あらゆる顧客接点を連携させたデータの活用が、競争優位性を築くカギとなります。従来の小売業にはない発想で次々と実店舗新業態に挑戦するアマゾン(Amazon.com)を初めとしたアメリカ先進小売企業の取り組み事例の考察から、データドリブン小売業が目指す、新たなリテールモデルの創造についてお話しします。

パンデミックや、国際情勢、為替変動などにより大きな変化を余儀なくされています。海外の消費者の動向などをご紹介しながら、データー活用の有用性についてご紹介させていただきます。後半では、サプライチェーンでのデータ活用についてデモをご紹介させていただきます。

サントリーでは 2020 年より Tableau 推進の CoE 組織となる”データ活用推進事務局”を立ち上げ、サントリー各部署におけるデータ活用/Tableau 活用の伴走支援・人材育成等を行ってきました。社内でのデータ活用/Tableau 活用を推進する上では、IT 部門によるダッシュボード開発だけでなく、生産・営業・企画等の事業現場社員自身が自業務の中で取り組むことで、素早いビジネス成果創出に繋がっています。本講演では、事務局としての取り組みや、各部署に伴走してきた中で得られてきた、現場での成果創出に向けたポイント、CoE 組織としての役割についてお話しさせていただきます。

パルコはポイントサービスの開始を機に、顧客データの分析や可視化などデータ活用に積極的に取り組んできました。CRM 戦略として、長きに渡りパルコグループのサービスを楽しんで利用いただけるお客様を増やし LTV 向上に繋げるため、顧客の状態や行動を理解する効果的な分析・可視化ツールとして Tableau を活用しています。 分析により顧客理解を深化させ CRM 戦略を一層推進させるために、またデータの共有と活用によりデータ起点で価値あるビジネスの意思決定に役立てるために、パルコで取り組んできた事例や課題についてご紹介します。 顧客データ分析や社内でのデータ共有や活用の一助になれば幸いです。