Excel でデータ分析はできる?Tableau との共存も解説
Excel には、「分析ツール」を使ってデータ分析をする機能があることをご存じでしょうか。売上分析や顧客分析、マーケティング分析などに活用できるような分析作業を、手軽に試すことができます。 ここでは、Excel のデータ分析、分析ツールとはどのような機能なのか、そして分析を得意とする BI ツールとはどこが違うのかということも併せて解説します。
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Excel の分析ツール機能とは?
Excel には、分析ツールという機能があります。分析ツールを使うには、Excel にアドインを追加する必要があり、これによりデータ分析を行うことができるのです。 Excel で使用できる分析ツールには、下記の 19 種類があります。
Excel の分析ツール
- 分散分析:一元配置
- 分散分析:繰り返しのある二元配置
- 分散分析:繰り返しのない二元配置
- 相関
- 共分散
- 基本統計量
- 指数平滑
- F 検定:2 標本を使った分散の検定
- フーリエ解析
- ヒストグラム
- 移動平均
- 乱数発生
- 順位と百分位数
- 回帰分析
- サンプリング
- t 検定:一対の標本による平均の検定
- t 検定:分散を仮定した 2 標本による検定
- t 検定:分散が等しくないと仮定した 2 標本による検定
- z 検定:2 標本による平均の検定
この中から、「相関」「基本統計量」「ヒストグラム」「移動平均」「回帰分析」の、5 つの分析手法についてご説明します。
相関
相関とは、2 つの項目(変数)があるときに、その 2 つがどれだけ似ているかという「類似の度合い」のことです。 相関を探るために、2 種類のデータの(直線的な)関係性の強さを表す指標が相関係数です。相関係数が +1 に近いほど「強い正の相関がある」、-1 に近いほど「強い負の相関がある」、0 に近いほど「ほとんど相関がない」と評価されます。
この相関係数を用いてデータを分析すると、例えば身長と体重には「身長が高いほど体重が重い」という強い関係性(相関関係)があることがわかるのです。一方、身長と靴のサイズにはやや関係性があるものの、それほど強い関係性ではないことなどもわかります。 また、相関関数の計算式は非常に複雑なので、通常はコンピューターに自動計算させます。Excel では「CORREL」という関数を使って簡単に、相関係数の計算が可能です。さらに、分析ツールの相関を使うと、複数の変量の相関を一度に表示して見ることができます。
基本統計量
基本統計量とはデータの基本的な特徴を表す値で、データを代表する値である「代表値」と、データのばらつきの大きさを表す「散布度」に分けられます。代表値には、「平均値」「最大値」「最小値」などがあります。また、散布度には「分散」「標準偏差」などがあります。
基本統計量は、「先月の売上データから平均値を算出する」「販売数から標準偏差と分散を算出する」といったときによく使われます。 Excel の分析ツールでは、下記の基本統計量を算出することが可能です。
Excel での基本統計量
- 平均値
- 標準誤差
- 中央値(メジアン)
- 最頻値(モード)
- 標準偏差
- 分散
- 尖度
- 歪度
- 範囲
- 最小値
- 最大値
- 合計値
- データの個数
ヒストグラム
ヒストグラムは、量的データの分布の様子をわかりやすく表示することができる統計グラフの一種です。作成するときはデータをいくつかの階級に分けて度数分布表と呼ばれる表を作り、それをもとにグラフを作成します。
ヒストグラムを作ると、さまざまなパターンの形が示されます。それぞれの形からデータが指し示す傾向を読み取ることが可能です。ヒストグラムは、製造現場で作った製品の品質を測定し、全体の品質のばらつきやまとまりを見るときなどによく使われます。
まざまなヒストグラムのパターン
Excel では、データを用意して「ヒストグラム」を選び、必要項目を入力して「グラフの作成」を選ぶと、グラフ化されたヒストグラムが描画されます。
移動平均
移動平均とは、時系列データのある時点からある時点までの平均値を連続的に求めて、そのデータ全体の変化の傾向をわかりやすく表す手法です。
例えば、月ごとの売上の傾向を知りたいと思ってグラフを作ってみると、売上の数字が月ごとに激しく上下しすぎて、全体の傾向がつかみにくいことがあります。このようなときに、データを平滑化して傾向を分析するのに便利なのが移動平均です。 Excel の分析ツールの移動平均を使えば、簡単に滑らかな移動平均線を表示することができます。
回帰分析
回帰分析は、要因となる数値と結果となる数値を調べて、両者の関係を明らかにする統計的手法です。要因となる数値を「説明変数」、結果となる数値を「被説明変数」といいます。 例えば、複数の媒体に広告を出したときに、どの媒体が最も売上に貢献したのかを調べたいといったシチュエーションでこの回帰分析が役立ちます。
Excel ではデータを用意して、分析ツールから「回帰分析」を選び、いくつか条件を指定すると分析結果が示されます。
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Excel と BI ツールの違い
Excel は、非常に多くのユーザーに使われている表計算ソフトです。ここまで見てきたようなデータ分析機能は、あくまで付随的なサブ機能でしかありません。それほど膨大ではないデータを扱うのであれば、十分実用的な性能を持っており、そのまま仕事に活用している方も多いでしょう。 一方、BI ツールは、Excel では対応しきれないほどの大量のデータやビッグデータを分析し、見やすく可視化し、データからインサイトを得ることを目的としています。反対に、表計算の機能は数ある機能の中のひとつにすぎません。
したがって、データ分析をメインに使いたいのであれば、Excel よりも大量のデータをスピーディーに、わかりやすく簡単な操作で行うことができます。この記事で取り上げた各種データ分析の手法も、当然ながら BI ツールで利用することができます。同じことをもっとスマートに、高度なことをしたいときも、期待に応えられる機能を持っています。 また、BI ツールの場合、可視化の機能も多彩で、さまざまな種類の美しいグラフを作成することができます。グラフを表示しながらデータを追加して変化を見せるなど、インタラクティブな操作を行うことも可能です。
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Tableau と Excel、どちらを使う?
データ分析において「BIプラットフォームである Tableau と Excel のどちらを使うべきなのか?」という質問に対しては、「用途に応じてうまく使い分けるべき」というのが答えになるでしょう。 Excel でデータ解析を行い、その可能性に気づいた後に、限界を感じる部分も出てくると思います。そこで、Tableau へバトンタッチすると、それまでのデータも活用できるのです。
Excel を使ってデータ分析の可能性に気づいたら Tableau へ
Excel の分析ツールを使ってみると、データ分析にはさまざまな可能性があることに気づくはずです。例えば、回帰分析で「どのような機能を持つ製品であれば価格を高めに設定できるか」という、シミュレーションをすることができます。ヒストグラムは「どの年齢層の購入者が多いのか」といった分布をわかりやすくするのに役立ちます。
しかし、Excel のみで日常的に膨大なデータを分析してビジネスに活用しようとするのは、効率的とはいえません。回帰分析もヒストグラムの作成も、Tableau を使えばもっと簡単に、迅速に、いつでも必要なときに行うことができます。
さらに、Excel では、分析結果をほかの人と共有したいとき、レポートを紙に印刷するか PDF ファイルにするなどして渡す必要があります。相手からの質問に対応したり、もっと掘り下げた分析を求められたりしたときには、再分析する作業も必要です。その点、Tableau であれば、分析結果をダッシュボードにまとめて、チームなどに情報を簡単に共有することができます。また、もっと掘り下げた分析をしたい時もチームがいるその場で分析をすることも可能です。Tableau のダッシュボードは、一画面内に複数の表やチャートを同時に表示して、データを比較検討することができる機能です。複数のデータを見比べながら、時期や地域といったデータの条件を絞り込んでいく「ドリルダウン分析」や、特定のデータを強調するための「フィルタリング」などの機能も備えています。
Excel はデータベース、Tableau は分析と使い分ける
Excel と Tableau の両者を使い分けるには、データを集計するデータベースとして Excel を利用し、そのデータを Tableau で分析してインサイトを得るといった方法がスマートでしょう。 Tableau には Excel ファイルをはじめ、CSV ファイルや Access などの簡易データベースファイル、あるいはサーバー環境やクラウド環境にあるデータベースなどとも簡単に接続するための機能が備わっています。
Tableau は、膨大な量のデータを扱うことができ、処理スピードも申し分のない速さです。さまざまなデータを取り込むことや、既存の情報システムと接続することができ、すべてのデータを簡単に 1 つにまとめることも可能です。柔軟なデータ分析機能を持っていて、美しく見やすいグラフなどを使ってビジュアル化するのも得意です。
Excel も優れたソフトですが、基本的に計算をすることを目的とした表計算ツールです。それに対して Tableau は、BI (ビジネスインテリジェンス)を実践するソフトウェアです。すなわち、データにもとづいた分析を行うことで、業務効率の向上や意思決定のスピードと質を高めるためのプラットフォームとして活用されているのです。 Excel と Tableau は共存できる、頼もしいパートナー同士になるといえるでしょう。
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データ分析は Excel から始めて Tableau で有効活用する
現在、さまざまなデータを Excel で作成したり蓄積したりしているという企業は少なくないでしょう。そのデータをもっと有効にビジネスに活用できないかとお考えなら、Tableau の導入をおすすめします。 Excel ファイルとして所有しているデータをTableau を使って、今よりももっと有効活用することが可能です。Excel で蓄積したデータを、Excel ではなく Tableau を使って分析します。そして、得られた情報をもとに施策を実施し、その結果を再度分析して改善を加えていくといった形で PDCA サイクルを回していくことができます。Excel で収集したデータを Tableau にまとめることで、さらなるインサイトが得られるようになるのです。
Tableau は、国内外の多くの企業に導入され、多様なビジネスに活用されている BI プラットフォームです。まず、無料トライアルからスタートしたい方は、こちらから詳細をご確認ください。
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