ビッグデータとは?定義や分類、基礎知識や活用事例をわかりやすく解説

ビッグデータとは?定義や分類、基礎知識や活用事例をわかりやすく解説

ビジネスシーンでのトレンドワードともいえる「ビッグデータ」。近年では、IT 業界だけでなくあらゆる業界でビッグデータを活用するようになってきました。 しかし、ビッグデータとは何か理解している人は、あまり多くないのではないでしょうか。ビッグデータがどのようなものなのか、ビッグデータで何が可能になるのかは、まだあまり知られていないのが実情です。 ここではビッグデータの定義や分類、分析手法、メリットのほか、さまざまな業界でのビッグデータの活用事例について解説します。

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ビッグデータとは?定義と 5 つの V

ビッグデータとは、文字どおり「巨大なデータ」のことです。そのデータの中にはテキスト、画像、動画、音声などさまざまな種類・形式のデータが存在します。また、事前に定義された形式で保存されているわけではない、非構造化データや非定型的データを含むとされるのが一般的です。

しかし実のところ、ビッグデータの定義は明確に決まってはいません。データの種類や取得方法、活用方法も決まっているわけではなく、業界、企業、データを取り扱う人によってさまざまな解釈があるのが現状です。

一方、ビッグデータには「3V」が必要だという考え方があります。3V とは Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(処理速度)のことです。つまり、「膨大な量で、多様性に富んでおり、高速で処理できる」ことがビッグデータと呼ぶための条件といえます。

さらに、現在では新たに 2 つの「V」を加えて「5V」とする考え方が一般化しつつあります。その 2 つの V とは Value(価値)と Veracity(正確さ)です。データが価値を有している、もしくは何かしらの価値を生み出せること、そしてデータの正確性も、ビッグデータを表す重要な要素といわれるようになっています。

「膨大な量で、多様性に富んでおり、高速で処理できる上、価値があって、正確性を有している」、この 5V を意識すれば、ビッグデータの特徴を大まかに把握することができるでしょう。

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なぜビッグデータが注目され始めたのか

ビッグデータという概念や言葉は、以前から存在していました。しかし、現在の文脈でビッグデータという言葉がよく聞かれるようになったのは、2010 年代に入ってからのことです。 ビッグデータが注目されるようになった要因についてご紹介しましょう。

データ量が増大した

ビッグデータが注目されるようになった要因のひとつは、インターネットの普及によるデータ量の増大です。1990 年代、2000 年代と時代が進むにつれてインターネットは急速に普及し、2010 年代には私たちの社会を支えるインフラのひとつとなりました。通信技術の発達とスマートフォンの普及も伴って、今では膨大なデータが日常的にやりとりされています。 世の中のデータ量の増大によって、ビッグデータという考え方に注目が集まっていったのです。

コンピューター性能の向上

ビッグデータが注目されるようになったもうひとつの要因は、コンピューター性能の向上です。世の中のデータ量が増大したとしても、そのデータを処理できる環境がなければビッグデータは活用できません。 コンピューターの性能は日進月歩で向上しており、かつては考えられなかったほどの高性能のコンピューターが、一般利用者でも使えるようになっています。 このような要因により、以前なら不可能と思われていた膨大なデータも、現実的に処理できるようになったのです。

AI の盛り上がり

近年における AI(人工知能)の盛り上がりも、ビッグデータが注目されるようになった要因のひとつといえるでしょう。 AI とは、人の知覚や知性を人工的に再現するものです。膨大なデータの中から特徴を解析し、その情報をもとにタスクを処理することができます。例えば、膨大な枚数の猫の写真があれば、それらの写真から猫の特徴を AI が解析し、猫と猫ではない動物の写真を分類できるようになります。

なお、ここでポイントとなるのは、写真は非構造化データであるという点です。データは構造化データと非構造化データに分けられますが、構造化データとはデータベースなどで活用できるように構造化された数値データのことです。一方、非構造化データとは写真や文書、音声など、データベースで活用するのが難しいデータを指します。 AI が、これまで扱うことが難しかった非構造化データを活用できるようになったことで、ビッグデータも注目されるようになったのです。

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ビッグデータの分類

ビッグデータの分類

ビッグデータとは、明確な定義のない「巨大なデータ」のことですが、いくつかの種類に分類することはできます。続いては、一般的にビジネスで利用されるビッグデータの分類について説明します。

SNS データ

SNS データとは、SNS に書き込まれる投稿の内容や、ユーザーのプロフィールなどです。これらの情報は、ビジネスにおいても重要な消費者情報となりえます。ユーザーの趣味や嗜好、性別、居住地などのデータを分析することで、マーケット分析などに役立てられるでしょう。

顧客データ

小売業などで EC サイトや実店舗を運営しているのであれば、顧客データが蓄積されているはずです。例えば、購買履歴や問い合わせの履歴などの顧客データが挙げられます。これらの顧客データを分析することで、今まで気づかなかった顧客像が見えてくる可能性があります。

アクセス解析データ

アクセス解析データとは、Web サイトを訪れたユーザーの行動データのことです。例えば、自社の Web サイトにアクセス解析ツールを導入すれば、ユーザーがどのようなルートで Web サイトを訪れたのか、Web サイト内をどのように回遊したのか、各ページの滞在時間や離脱率はどれくらいか、といったデータを取得できます。

センサーデータ

センサーによって取得できるデータも、ビッグデータとして扱うことができます。例えば、温度や湿度といった自然現象を計測したデータのほか、人工衛星を使って位置を測定する GPS データ、指紋認証などによる指紋データなどが挙げられます。これらのデータは、PC だけでなく家電などのあらゆるモノにインターネットを接続して通信機能を持たせる、IoT(Internet of Things)の領域でも注目されています。

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ビッグデータにおける IoT と AI の関係性

ビッグデータにおける IoT と AI の関係性

ビッグデータの活用について語るとき必ずといっていいほど話題に上るのが IoT、AI との関係性です。

IoT(Internet of Things)とは、さまざまなモノをインターネットに接続して情報をやりとりする仕組み・技術のことです。モノのインターネットと訳されます。家電製品、住宅・建物、自動車、工場内の各種機械、各種アクチュエーターなど“モノ”の種類は多種多様に及んでいます。

それらのモノ=IoT デバイスにはセンサーが装備されており、目的に合わせたデータを取得しています。取得したデータは、インターネットを通じてクラウドに送信されます。高い頻度で更新が行われ、収集・蓄積されるデータが、ビッグデータとなるのです。

こうして収集された膨大な IoT データを処理・分析し、有用な情報を取り出す役割を担うのが AI です。IoT、ビッグデータ、AI の 3 つを組み合わせることで、現実世界のデータを IoT デバイスが収集し、そのビッグデータを AI が分析、分析結果にもとづいて必要な知識やインサイトを得る、あるいは何らかの機械や装置を制御するといったサイクルを作り出すことができます。

その結果、企業の業務効率化、潜在需要を喚起する商品の開発、従来とは異なるアプローチによるマーケティングなどが可能になります。さらには、今後の技術や仕組みの発展により、組織イノベーションやソーシャルイノベーションにも結び付けられると考えられています。

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ビッグデータの分析手法の種類

ビッグデータは、収集するだけでは意味がありません。収集したデータをしっかりと分析することで、初めて役立つものになります。では、ビッグデータはどのように分析すれば良いのでしょうか。 ここでは、ビッグデータの分析によく使われる 4 つの手法について解説します。

クロス集計

クロス集計とは、データ分析ではポピュラーな手法のひとつで、項目を掛け合わせて分析を行います。

例えば、自社製品に対する興味について年代ごとの違いを分析するといった場合に、クロス集計が使われます。この場合、年代と興味の度合いの項目を設定して掛け合わせると、「10 代で自社製品に興味がある」「10 代で自社製品に興味があるともないともいえない」「10 代で自社製品に興味がない」といった人の数値が割り出せます。

これをさらに 20 代や 30 代にも展開すれば、自社製品に対する興味が年代ごとにどう違っているのかを分析できるのです。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析とは、事象の発生率について複数の変数を用いて予測する分析手法です。

例えば、「顧客が商品を購入した」といった事象を設定し、その事象が起きたかどうかを「はい」か「いいえ」で表して分析します。 「顧客が商品を購入した」という事象の発生率を店舗ごとに分析したいのであれば、「顧客が商品を購入した」場合を 1 とし、店舗ごとに事象が発生した数を集計します。さらに、「スタッフ数」「商品数」「来店者数」といった、顧客が商品を購入するかどうかに関係する要素を変数として設定します。

これらの変数をもとに分析することで、来月はどれくらいの顧客が商品を購入するかを予測できるようになるのです。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、一見すると関係性のなさそうな要素から共通性や類似性を見つけ出し、関係性を導き出す分析手法です。小売業のマーケティングなどでよく用いられます。

アソシエーション分析の有名な例として、「ビールとおむつ」の関係性があります。あるスーパーで、おむつを購入した男性の多くがビールも購入していることがわかり、おむつとビールの商品棚を近くに配置したことで売上増に成功したという事例です。

ビールとおむつは一見すると無関係に思えますし、それぞれの売上だけを見ていても関連性は見えてきません。しかし、おむつを購入した男性の多くがビールも購入していることがデータから分析できれば、今まで気づいていなかったビジネスの視点が得られるかもしれないのです。

クラスター分析

クラスター分析とは、異なる性質を持つデータの中から似た性質のものを集めてクラスター(集団)を作り、分析する手法です。 ただし、似た性質といっても、年代や性別のようなはっきりと分類できるものではありません。はっきりと分類できないものを集団にして分析するのがクラスター分析です。マーケティングの現場でよく使用されています。

クラスター分析でよく使われる手法として、決定木があります。 決定木は、木のような構造を用いる手法で、例えば、店のビールの購入にどのような要素が影響を与えているのかを分析するときに利用することが可能です。

■ビールの購入に影響を与える要素の決定木

まず、来店客がビールを買ったかどうかで分類し、次に買ったクラスターの中で平日か休日かで分類。さらに、平日のクラスターの中でその日は晴れか雨かで分類します。そうすると、「平日で晴れ」「平日で雨」「休日で晴れ」「休日で雨」と来店客を分類することができ、「休日で晴れ」でビールを買うクラスターが最も多いということがわかります。

このように条件を重ねることでクラスターを形成し、分析することができるようになるのです。

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ビッグデータのメリットと注意点

ビッグデータを分析し、活用することは、企業にとって多くのメリットがあります。その一方で、ビッグデータを扱う際には注意が必要です。 ビッグデータはどのようなメリットもたらすのか、何に注意すればいいのかを知った上で、ビッグデータを活用するようにしましょう。ここでは、ビッグデータのメリットと注意点について解説します。

ビッグデータを活用すれば顧客ニーズを正確に把握できる

ビッグデータをマーケティング分野で活用することで、顧客ニーズを正確に把握できるというメリットがあります。

例えば、自社の顧客はどのような属性が多いのか、どのような顧客にどのような製品がヒットするのかを導き出すために、これまではあまり多くのデータがありませんでした。消費者へのアンケートやそれまでの経験から分析することも多くありましたが、ビッグデータを活用すれば、多様化した消費者のニーズまで把握することが可能です。 ビッグデータを分析して顧客ニーズを把握できれば、商品やサービスの開発にも役立てられます。

ビッグデータを扱う際には個人情報の取り扱いとデータ加工に注意

ビッグデータを扱う際には注意すべき点もいくつかあります。 ひとつは、個人情報の管理です。ビッグデータの中には、個人情報が含まれる場合があり、個人情報が含まれると認識せずにビッグデータを扱うと、個人情報が漏洩して企業の信用が失われることにもつながってしまいます。 ビッグデータを扱う際には、収集する時点から個人情報の取り扱いについてしっかり理解し、細心の注意を払う必要があります。

もうひとつ注意すべき点としては、ビッグデータはデータ加工に手間がかかるということです。収集したデータは、常に活用しやすい形式で保持されているとは限りません。各部署が独自の形式で保存していたり、項目が統一されていなかったりすることも多くあります。 こうしたデータは、そのままでは分析には使用できません。データの形式を整えて統合する必要がありますが、データ量が多くなるほど負担は大きくなります。ビッグデータの活用がうまくいかない場合、データ加工がうまくいっていないことも多いのです。

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ビッグデータの業界別活用事例

ビッグデータは、マーケティングに活用できるというメリットがあるため、さまざまな業界で活用されるようになってきました。続いては、ビッグデータの業界別活用事例をご紹介します。

小売業

小売業は、特にビッグデータを活用できる業界といっていいでしょう。 例えば、店舗を訪れた顧客データや商品の売上データ、店舗ごとの売上データ、EC サイトの顧客データなど、活用できるデータが数多くあります。こうしたデータを分析することで、パーソナライズされたマーケティングや商品開発に活かすことが可能です。

農業

農業でも、ビッグデータが活用されるようになってきました。天候や気温、湿度といった条件が農作物の生育や収穫に影響を与えますが、こうしたデータをセンサーで取得して活用することができます。 例えば、農薬を散布したり水をまいたりするのに適切な時期はいつなのかを、ビッグデータを分析することで予測するという活用法があります。

製造業

製造業では、工場設備の管理や製品の品質管理などにビッグデータが活用されています。 例えば、工場のラインに設置されたセンサーからデータを取得することで、品質が低下しているラインを特定したり、設備のトラブルを早期に予測したりすることが可能です。ビッグデータを活用すれば、トラブル対応のスピードを向上させ、結果的に生産性も向上させることができます。

運輸業

運輸業での代表的なビッグデータは、交通系 IC カードで収集されるデータでしょう。交通系 IC カードを使用する人が増えたことで、膨大な乗降客のデータが蓄積されています。このデータを活用すると、鉄道の遅延の原因を把握したり、需要に見合った運行本数を設定したりすることが可能になります。 また、交通系 IC カードは、運輸業以外の決済サービスとしても使われており、このビッグデータは小売業のマーケティングにも活用されています。

教育、学習支援業

教育、学習支援業でもビッグデータ分析が活用されています。ビッグデータを活用することで、一人ひとりに合わせた教育を提供できるようになるのです。 例えば、試験のデータや学習履歴などをデータ化し、学習速度などを分析することで、最適な学習教材を提供するといったことができます。

医療、福祉

近年では、医療、福祉の分野でもビッグデータを活用しています。患者の生活習慣や健康状態のデータを分析して、将来の疾患を予防したり、正確に診断したりするといったことが可能です。 現在は、ウェアラブルデバイスなどを用いて、さまざまなデータを日常的に取得できるようになったため、ビッグデータの活用方法もさらに増えていくでしょう。

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ビッグデータの展望

ビッグデータは、ほかの技術と連携することで、さらに活用の幅が広がっていくことが期待されています。例えば、5G や Wi-Fi 6 といった新たな通信規格が普及すれば、送受信できるデータ量はさらに増大し、より多くのビッグデータをよりスムーズに収集できるようになるでしょう。

また、BI ツールの進化により、誰もが簡単にデータにアクセスし、分析できるようになりつつあります。 BI ツールとは、ビッグデータを分析し、見える化するためのツールです。BI ツールを使えば、データの蓄積や抽出、加工、分析などを行うことができ、分析結果を視覚的にわかりやすい形で確認できます。

BI ツールを利用すればビッグデータの分析を効率的に行うことができるため、今後、ビッグデータの分析は、一般の人にとって身近なものになっていくと予想されます。

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BI ツールでビジネスにビッグデータを活用

ビッグデータ自体は単なる巨大なデータにすぎませんが、ビッグデータをうまく分析・活用すれば、ビジネスや社会に大きなメリットをもたらす可能性があるといえるでしょう。 すでに、さまざまな分野でビッグデータが活用されていますが、BI ツールを利用することで、より手軽にビッグデータを活用できるようになります。

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