Excel では対応できない財務分析に BI ソリューションを使用すべきとき

財務分析でビジネス価値を高める方法を学びましょう。

ほとんどの財務担当者にとって、データは重要なインサイトを得るためのカギであると同時に、その際の最大のハードルにもなり得ます。レポート作成システムがますます複雑化するとともに、データに基づき意思決定をする重役の期待が増すにつれ、データの収集と準備にあまりにも多くの時間がかかるようになりました。従来、Excel が財務担当者のレポート作成とデータに関するさまざまなニーズを満たす「ソリューション」でしたが、データセットが大規模になり、あるいは複雑になると、Excel などの簡素なソリューションは分析の足かせになることがあります。

今日では財務データから重要なインサイトを抽出する機能を備えたビジネスインテリジェンスソリューションが利用できます。引き出されたインサイトは、ERP データ (財務資料、人事、その他の会社資産などの会社のリソースを管理するために使用する情報) と統合することで、ビジネスにとってその価値が一層高まります。このような価値には、時間、コスト、リソースの節約や、戦略的方向を改善するための重要な意思決定ができるようにすることなどが挙げられます。一方で、財務が直面する問題は最小限に抑えられるか、完全に解決されます。たとえば、以下のような問題です。

  • ほとんどの会社の総勘定元帳はソースシステム (給与、出張費、経費) から詳細を読み込まないため、様々なシステムから Excel にデータをエクスポートする必要がある
  • 終了していない会計期間だけでなく終了した会計期間のデータも変更される可能性があるため、モニタリングが難しい
  • 会社のセキュリティ管理の強化によって財務データへのアクセスが制限される
  • 予算値と予測値が実績値と同じシステムに存在しない

ERP と他のビジネスデータを統合することでメリットを得られる分野には、CRM、営業、調達、出張費および経費管理などがあります。これらの分野は、変動部分が非常に多いため、財務にとって最も扱いにくい分野であることに議論の余地はないでしょう。明らかになった具体的なインサイトや、この高レベルな分析の価値を認める会社の例をいくつか簡単に見てみましょう。

  • 販売パイプラインの可視化: 会社の販売パイプラインは総勘定元帳では追跡できないため、Tableau のようなソリューションがあると役立ちます。パブリッシュされたデータソースを最適化して、利益や収益に貢献している各部門のビューを作成できるからです。ノルマや目標を追跡できることも、売上目標の達成状況を把握するうえで必要不可欠になります。

    PepsiCo 社でこの事実が明らかになったのは、在庫、物流、財務の「質問と回答」サイクルを会社全体に拡張するために統合データとビジュアル分析を活用するようになった後でした。同社の CPFR チームは、膨大な量の乱雑なデータを分析するのに Excel を使用していましたが、データエラーを見分けるプロセスが非効率かつうまくいかず、コストが高くつく結果になりました。PepsiCo 社の財務アナリストは、ビジュアルダッシュボードを使用することにより、短時間で傾向や外れ値を発見し、傾向を予測して、販売を調整できるようになり、売上の向上による収益改善に貢献しています。

  • ベンダーの追跡: ベンダーとの購買と支出に関するレポートを正確かつ適時に作成することは財務にとって重要です。Coupa のデータをモニタリングしながら、チーム、部門、購買リクエスト別にセグメント化したり、年間購買注文数をドリルタウンするための柔軟性を備えることで、データ分析はワークフロー管理ソリューションとして機能します。どこが上位のベンダーか、といったインサイトの収集によって、割引交渉を行うべき領域が明らかになり、長期的な事業の収益性に影響を与えます。
  • 出張費と諸経費の管理: Egencia と Concur によって出張費と経費の払い戻しプロセスが簡素化されたことから、企業にはすぐに使えるデータが豊富に存在するようになりました。しかし、その情報を詳細に調べることで、いくつかの重要な知見も明らかになります。たとえば、スタッフが経費レポートを作成するタイミングを観察することで、遅れがないかを確認することができますが、これが大幅に遅れていることもあることがわかります。ここは、ERP と財務データを統合して財務分析することで、未払費用や突合わせに費やす時間と労力を削減できる重要な領域です。また、経費の主要カテゴリーを確認することで、偏りのある分野やコスト削減の必要性を判断することもできます。

    Wells Fargo & Co 社は、業務運営に影響を及ぼさずにサードパーティ関連の支出を削減する必要がありました。財務部門では、Tableau を使用することで、オフィス用品、出張費、経費など、コストセンターで行なわれていた非優先サプライヤーへの支出を特定し、中止することができました。部門別あるいは従業員別の支出の詳細がいっそう明らかになるとともに、サプライヤーに関するインサイトを得て、同社の年度末における出張費は 1,000 万ドルであることが分かりました。

  • キャッシュポジションの綿密な突合わせ: 財務健全性をより良好に維持するためには、さまざまな通貨で、さまざまな地域の日々のキャッシュフローを表示するリアルタイムのビューが役立ちます。この情報のレビューは、ごくまれに行われていましたが、多大な時間と労力がかかっていました。今ではもうその必要はありません。

    Tableau 社の財務部門では、自社のグローバルなキャッシュマネジメントにビジュアルダッシュボードを使用しています。キャッシュフローサマリーダッシュボードによって、経営陣は全体的なキャッシュフローを把握し、データをドリルダウンして、「通貨別、子会社別、国別、取引銀行別、あるいは地域別の銀行残高は?」といった質問をすることができます。また、ゼロバランス口座構造などの、金額をグロスアップさせる可能性のあるトランザクションを除外することもできます。

テクノロジーイノベーションがビジネスに影響を与え混乱をもたらす今、CFO と財務部門にとっては、自動化テクノロジーのメリットを活用するチャンスです。手動タスクを自動化し、ビジネスや経営を見通すビューを提供するデータ分析ソリューションを使用するチャンスをとらえて、財務部門の位置づけだけでなく、会社の財務状況も強化しましょう。

重要なビジネスインテリジェンスソリューションとして Tableau を使用するコスト削減戦略の詳細情報については、4 月 12 日午前 11 時 (米国太平洋標準時) / 午後 2 時 (米国東部標準時) に行われるオンラインセミナーをご覧ください。