2026/10/26

【開催報告】サイバーエージェント、OpenAIとTableau合同勉強会で信頼できるヘッドレスアナリティクスを加速― Tableauプラグイン公開から1か月足らずで開催、約200名が参加

Salesforce(Tableau)はOpenAIと共同で、サイバーエージェント向けに「OpenAI × Tableau 合同勉強会」を開催しました。テーマは、OpenAIとTableauを組み合わせた新しい分析体験です。これまでTableauに蓄積してきた分析資産を土台に、ヘッドレスアナリティクスによってどのような分析が可能になるのかを、デモを交えて紹介しました。

OpenAI × Tableau 合同勉強会の登壇者

2026年10月6日の勉強会では、以下の4名が登壇しました。

  • 鷹雄 健氏:CyberAgent GroupIT Management Division Corporate Data Technology Department Manager
  • 中野 武重氏:OpenAI Japan Account Director
  • 小林 元貴:Salesforce Japan Account Executive
  • 常 若彬:Salesforce Japan Senior Solution Engineer

     

 

 

オープニング:「データの民主化」の、その先へ——“できる人”待ちを、終わらせよう

オープニングには、サイバーエージェントの鷹雄 健氏が登壇しました。

鷹雄氏が注目するのは、Salesforceが提供するChatGPT用Tableauプラグインです。分析経験にかかわらず、より多くの人がデータを素早く可視化し、必要な気づきを得られる。一人ひとりが必要なときに自らデータを読み解けるようになる。鷹雄氏は、こうした変化がデータ活用の裾野を広げ、「データの民主化」を次の段階へ進めると語りました。

 

 

 

その土台となるのが、これまでTableauに蓄積してきたデータと、それを安心して活用するための仕組みです。すでにTableauを利用している部署やユーザーは、既存のデータに加え、アクセス制御やガバナンスの基盤も生かせます。

こうした資産や仕組みを、さらに多くの人の気づきや判断につなげていく。鷹雄氏は、OpenAIとTableauを組み合わせることで広がる分析の可能性に期待を寄せました。

 

 

 

OpenAIセッション:プラグインで広がるAIの業務活用

続くOpenAIのセッションでは、中野 武重氏がChatGPTの業務活用を広げるプラグインを紹介しました。業務アプリケーションとの連携を担う「コネクター」と、作業の進め方をまとめた「スキル」を組み合わせることで、ChatGPTから業務ツールを活用できます。

 

 

 

その一例が、Salesforceが提供するTableauプラグインです。ChatGPTからTableauに接続し、ダッシュボードの作成を進めるためのスキルがあらかじめ用意されています。

デモでは、まずTableauプラグインを検索し、利用できるスキルをChatGPTに尋ねて確認しました。さらに、チャットや「Work」の画面で「@Tableau」と入力すると、その場でプラグインを呼び出し、ダッシュボードの検索や分析を行えることも紹介されました。

 

 

 

Salesforceセッション:Tableauの分析資産とガバナンスを、ChatGPTから活用

Salesforce(Tableau)のセッションでは、Tableauが推進してきた「データの民主化」を、生成AIによってさらに広げる可能性を紹介しました。これまで蓄積した分析資産を生かし、より多くの人が使い慣れたツールから分析に取り組めるようにすることが狙いです。

そのアプローチとして紹介された「ヘッドレスアナリティクス(Headless Analytics)」は、Tableauの操作画面を意識せず、ChatGPTやSlackなどを通じてTableauの分析機能を活用する考え方です。Tableauのガバナンスのもとでダッシュボードの作成や分析を進め、その結果を業務上のアクションにつなげます。

 

 

 

データへのアクセス権限や共有範囲を管理し、必要な人に適切な範囲で情報を共有できることも特徴です。作成したダッシュボードなどの分析資産を、企業として管理・更新しながら使い続けられる点も紹介されました。

 

 

続いて紹介されたのは、Tableauプラグインを活用した具体的な分析の進め方です。

ChatGPT用Tableauプラグインは、Tableau MCPとスキルを組み合わせた仕組みです。Tableau MCPは、Tableau上のデータやダッシュボードの情報取得、コンテンツの検索、ワークブックの公開などを担います。スキルには、ダッシュボードの作成やレビューを進めるための手順・判断基準がまとめられています。

 

 

 

人が「解くべき問い」を考え、ChatGPTがデータの確認からグラフの作成、ダッシュボードの構築・公開までを支援します。こうした作業の負担を減らすことで、人は「分析で何を明らかにしたいのか」という問いを深めることに注力できます。

 

 

 

主なスキルとして、次の5つが紹介されました。

  • Content Viewer:既存のビューやダッシュボードを検索・表示します。
  • Data Quality Sentinel:メタデータを確認し、整備が必要な点を提示します。
  • Dashboard Advisor:利用者や業務上の目的に合わせて、ダッシュボードの設計を提案します。
  • Viz Critique:既存のビューやダッシュボードの見やすさ・使いやすさを評価し、改善案を提示します。
  • Workbook Authoring:Tableauワークブックの作成・編集・公開を行います。

 

 

 

デモでは、分析で明らかにしたい問いや、デザイン・分析の要件をChatGPTに伝え、Tableauプラグインを通じてダッシュボードを自動作成する流れを実演しました。

 

 

 

Tableauプラグイン を使いこなす5つのコツ

実践に向けて、Tableauプラグインを使いこなすための5つのコツも紹介されました。

  1. 目的と利用者を明確に伝える
    ダッシュボードを「誰が使うのか」「何のために作成するのか」を、あらかじめAIに伝えます。
     
  2. 作成前にグラフやレイアウトを確認する
    ダッシュボードの作成に取りかかる前に、グラフの種類やレイアウトを確認し、目的に合った構成になっているかをすり合わせます。
     
  3. 完成後はTableau上で検証する
    作成されたダッシュボードをTableau上で確認し、フィルターが想定どおりに動くかなど、実際の動作をチェックします。
     
  4. 振り返りを残し、次回に生かす
    うまくいった手順や注意点をまとめ、次回の依頼時に参照できる形で保存します。
     
  5. 作業に応じてモデルを使い分ける
    簡単な作業では軽量モデルを試し、複雑な設計や判断が必要な場面では高性能モデルを活用します。

     

AIに任せきりにするのではなく、依頼と確認の進め方を整え、得られた学びを次の実践へ返していく。この循環こそが、活用を一過性で終わらせない鍵になります。

 

 

 

Tableauプラグインの利用に必要な環境

Tableauプラグインの利用を始める前に、以下の環境や設定をご確認ください。

  • ChatGPTの利用環境:利用可否は、ご利用のプランやワークスペースの設定などによって異なります。管理者による設定や承認が必要な場合があります。詳しくは公式案内をご確認ください。
  • 対応エディション:Tableauのすべてのエディションで利用できます。
  • 接続方法:Tableau CloudではホストされたTableau MCPを使用します。Tableau Serverでは、Tableau MCPを別途構築する必要があります。
  • アクセス権限:利用できるデータや操作は、Tableau側で付与されている権限に従います。

 

蓄積した分析資産を、より多くの人の意思決定と行動へ

Tableauで培ってきたデータや指標、ダッシュボード、そして人の知識は、AIエージェントと協働するための資産となります。

Salesforceが2026年4月に発表した「Salesforce Headless 360」は、Salesforceの機能をAPIやMCPなどを通じて提供し、人やAIエージェントがさまざまなツールから利用できるようにする基盤です。既存のデータや業務フロー、アクセス権限を生かしながら、特定の操作画面にとらわれずに業務を進められる環境を目指しています。

既存の資産とガバナンスを生かし、使い慣れたツールから業務を進めるという考え方は、今回紹介したTableauのヘッドレスアナリティクスにも通じます。

サイバーエージェント向け「OpenAI × Tableau 合同勉強会」は、その具体的な分析の流れを通じて、データ活用の裾野を広げる可能性を示す機会となりました。