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全社DXを牽引する日本生命、本社2万人規模の分析基盤をTableauに刷新し、データドリブン文化と人材育成を同時に加速

社内生成AIチャットシステム(N-Chat)の活用促進による業務効率化

CX(顧客体験)向上に向けた顧客満足度・NPSの可視化

コンプライアンス運用の高度化とマネジメント向上

日本生命について

日本生命保険相互会社(以下:日本生命)は、生命保険事業を中核に、日本最大級の顧客基盤を持つ金融機関です。長年にわたり培ってきた保険ビジネスの知見を強みに、近年は全社的なDXを重要テーマに掲げ、データとAIを活用した業務高度化と新たな価値創出に取り組んでいます。同社は、デジタル推進室を中心に、ビジネス部門と伴走しながら全社横断でデータ利活用を推進し、現場の意思決定力向上とデータドリブンな組織文化の醸成を進めています。

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日本生命の挑戦

日本生命では、2019年にデジタル戦略「日本生命デジタル5カ年計画」を策定し、その柱の一つとしてデータ利活用を位置づけてきました。保険販売、事務、運用、コーポレートといった幅広い領域において、部門単位および全社横断の課題に対し、データ分析を通じて「収益拡大」「業務高度化」「CX向上」「リスク管理」を実現する取り組みを、ビジネス部門とIT部門が一体となって推進しています。

その結果、これまで100件を超えるデータ活用プロジェクトが立ち上がり、分析基盤の整備や人材育成も進展するなど、データ利活用の風土は着実に醸成されつつあります。一方で、こうした取り組みの多くはその場限りの分析にに留まり、日々の業務や意思決定プロセスの中にまで定着した活用は、必ずしも十分とは言えない状況でした。

当時、日本生命では部門ごとに最適化されたシステムやレポート運用が長年続いており、既存のBIシステムからデータを抽出した後、Excelで加工・集計する業務が多く残っています。その結果、分析作業は一部の担当者に依存しやすく、データ量の増加とともに作業負荷や属人化が深刻化している状況です。

こうした状況について、デジタル推進室 副主任の大熊 大智氏は、次のように振り返ります。

「従来のBIツールは、実質的には“データを抽出するためのツール”になっていて、その後Excelで加工する運用で分析業務が行われていました。」

そのため都度データをダウンロードする必要があり、作業負荷が高い状況でした。またKPIの変化を把握することはできても、その背景や要因を深掘りする分析にはつながりにくく、全社で同じデータを見て深掘り、検討・意思決定することがなかなか難しい状況でした。単発の分析にとどまらず、継続的に活用され、意思決定や施策に結びつくデータ活用へと進化させることが、日本生命にとって次なる挑戦となっています。

こうした課題を乗り越えるため、同社では単なるレポート刷新ではなく、将来を見据えた全社共通の分析基盤の再構築を決断しました。より柔軟で、現場主導の分析を可能にする環境づくりへと踏み出したのです。

複数のBI基盤を比較検討した結果、全社分析基盤として選定されたのが Tableau でした。Tableauの導入により、次のような変化が実現されつつあります。

  • Excel加工を前提としない、一気通貫のデータ可視化と分析
  • 部門や用途ごとに作り直すのではなく、共通ダッシュボードを起点とした分析
  • KPI確認にとどまらず、その場で要因を深掘りできる分析体験
  • ガバナンスを維持しながら、現場が自らデータを活用できる環境の実現

大熊氏は、全社共通の分析基盤に求める要件について、次のように語ります。

「これまでもダッシュボードの作成を進めてきましたが、利用できる環境が一部の社員に限られていました。そこで、作成したダッシュボードをより多くの人が、より簡単に活用できる環境を整備することが、データドリブンな文化の醸成につながると考えていました。Tableauを活用することで、統一されたルールや権限管理のもと、必要な情報に誰もがアクセスでき、データを起点にした意思決定をスムーズに進められると感じています。」

日本生命は、Tableauを中核とした分析基盤を整備することで、「結果を確認するためのレポーティング」から、「意思決定や施策につなげるための分析」へと、データ活用を次の段階へと進めようとしています。

これまでもダッシュボードの作成を進めてきましたが、利用できる環境が一部の社員に限られていました。そこで、作成したダッシュボードをより多くの人が、より簡単に活用できる環境を整備することが、データドリブンな文化の醸成につながると考えていました。Tableauを活用することで、統一されたルールや権限管理のもと、必要な情報に誰もがアクセスでき、データを起点にした意思決定をスムーズに進められると感じています。

Tableauが日本生命をどのようにサポートしているか

社内生成AIチャットシステム「N-Chat」の定着を支える業務効率化の仕組み

日本生命では、全社DXの一環として、Azure OpenAI を基盤とした社内生成AIチャットシステム「N-Chat」の活用を、全社プロジェクトとして推進しています。生成AIを単に導入・展開するのではなく、「どの部門が、どの業務で、どのように活用しているのか」を可視化し、その状況をもとに活用を継続的に改善していくことを重視しています。

Tableauは、この生成AI活用・定着を支える可視化・分析基盤として活用されています。部門別・所属別の利用率を期単位および年度累計で可視化することで、各部門は自分たちの活用状況を全社の中で相対的に把握できるようになりました。その結果、活用が進んでいる部門と、まだ十分に浸透していない部門を一目で把握できるようになっています。

さらに日本生命では、「『N-Chat』が使われているか」という単なる利用率の把握にとどまらず、「どのタスクテンプレートやシステムプロンプトが、どの部門で使われているか」までを可視化しています。各部門が作成したタスクテンプレートの利用状況を分析することで、定着している業務ユースケースや、改善余地のある領域を具体的に把握しています。

こうした可視化をもとに、研修内容やユースケースの訴求方法を柔軟に見直している点も特徴です。たとえば、支社向けのAI活用研修を実施したタイミングでは、利用率が一時的に伸びるだけでなく、その後の利用のベースライン自体が徐々に引き上がっていることをデータで確認しています。利用が進んでいる部門とそうでない部門の差を分析し、「誰が、どのように使っているのか」を深掘りすることで、新たな研修コンテンツや活用シナリオの設計、今後の展開戦略につなげています。

このように同社では、生成AIの活用状況を Tableau で継続的にモニタリングし、その結果をもとに、研修、タスクテンプレート、データ(RAG)の内容を改善するサイクルを回しています。

佐藤氏は、「N-Chat」の導入と、Tableauによるモニタリングの成果について、次のように述べます。

「定点アンケートでは、生成AIを利用しているユーザー一人あたり、平均30分/日の業務効率化につながっていることが確認されています。これは年間換算で約7,200分、営業日ベースでは約1か月分の業務時間に相当する効率化効果です。」

生成AIを導入や一時的な活用で終わらせるのではなく、データで捉え、改善につなげ続けていること。そして、その定着を支える基盤として、Tableauの可視化が生成AIの全社浸透・定着に重要な役割を果たしています。

 

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社内生成AIチャットシステム「N-Chat」の全社利用状況

定点アンケートでは、生成AIを利用しているユーザー一人あたり平均30分/日の業務効率化につながっていることが確認されています。これは年間換算で約7,200分、営業日ベースでは約1か月分の業務時間に相当する効率化効果です。

CX(顧客体験)向上に向けたリアルタイムな可視化

日本生命では、営業職員が年に一度、お客様一人ひとりに対して、入院や手術等支払事由の有無、契約内容等のご確認をさせていただく「ご契約内容確認活動」を2007年から実施しています。

長期にわたる生命保険契約において、年に一度ご契約者と接点を持ち、契約内容や生活状況に変化がないかを確認するこの活動は、顧客との信頼関係を維持・強化し、CX(顧客体験)向上に資する重要な機会になります。

ご契約内容確認活動の実施後には、NPSや満足度に加え、フリーコメントとして顧客の声がアンケートで収集されます。従来は、これらのデータをExcelで集計・加工していたため、全体像の把握に時間がかかり、現場への迅速なフィードバックが難しいという課題がありました。

Tableauの導入により、日本生命ではアンケート結果をリアルタイムに近い形で可視化できるようになりました。回答件数やNPS、満足度、前年同時期との比較といった全体像に加え、支社・営業部単位で全社平均との比較も容易に行えるようになっています。

デジタル推進室の八ツ本氏は、ご契約内容確認活動アンケートの分析について次のように語ります。

「Tableauを活用することで、自拠点の状況を全社の中で相対的に把握できるようになりました。数値の変化や傾向をすぐに確認できるため、管理職が必要なフォローを迅速に判断できています。」

 

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ご契約内容確認活動のKPIトップページ

 

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ご契約内容確認活動内容の実施率と前年同期比

 

また、ご契約内容確認活動を担当した職員単位での活動状況やアンケート結果も確認できるため、顧客からの評価やフリーコメントをもとに、適切な教育やフィードバックにつなげています。改善が必要なケースへのフォローに加え、高い評価を得た対応を好事例として共有するなど、現場マネジメントにも活用されています。

 

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職員ごとのアンケート収集数と満足度

 

コンプライアンス運用の高度化とマネジメント向上

日本生命では、コンプライアンスの遵守と、マネジメント向上を進めています。

販売現場では、従来、本部の複数部署から集めたデータをもとに、コンプライアンスに関する業績資料を作成し、各種会議運営やマネジメント向上に関する対応を行って運営していました。しかし、準備に多くの時間を要する一方で、マネジメント層がリスクの有無を即座に把握し、対応を検討することは難しい状況でした。

こうした課題に対し、日本生命では、本部複数部署にて作成しているコンプライアンス関連のデータをTableauのダッシュボードに集約。拠点・チャネルごとの状況を一目で把握できるようにするとともに、必要に応じて時系列の状況等をドリルダウンして確認できる仕組みを整えました。

このダッシュボードは管理職向けに設計されており、リスクの兆候を早期に把握し、適切なフォローにつなげることを目的としています。Tableauの活用により、見るべきポイントに集中したコンプライアンス運用へと転換し、マネジメント向上を実現しています。

他社にはないTableauの価値

日本生命が全社共通の分析基盤として Tableau を選定した理由は、大きく二つあります。

一つは、金融機関に求められる厳格なデータ開示制御を維持しながら、本社2万人規模での利用を見据えたスケーラブルな基盤を実現できる点。もう一つは、分析体験の質と人材育成を両立し、「継続的なデータ活用」を実現できる点です。

ガバナンスを維持しながら、全社規模で展開できるスケーラブルな分析基盤

製品選定にあたって、日本生命では複数のBIツールを比較検討しました。当時、一部の部門ではデスクトップ型BIツールを用いた個別分析も行われていましたが、ローカルファイル中心の利用にとどまっており、全社展開を前提とした統制や運用には課題がありました。

特に重視したのが、「誰に、どこまでのデータを開示するか」を厳格に制御できるかという点です。情報の扱いに慎重さが求められる金融機関においては、利用者や組織ごとに閲覧範囲を細かく制御できることが求められていました。

この点について、八ツ本氏は次のように語ります。

「お客様の声や職員の評価といった情報を分析する際には、情報セキュリティの観点からも非常に慎重な取り扱いが求められます。必要以上に多くの人が閲覧できる状態にしてしまうと、情報管理上のリスクが高まってしまいます。Tableauでは、組織や担当者ごとに閲覧範囲を細かく制御できるため、セキュリティ要件を満たしながら、業務に必要な形でデータを活用できる環境を構築できました。」

Tableauが備える行レベルセキュリティをはじめとしたきめ細やかな権限管理により、「中央でデータを管理しながら、必要な人に、必要な形でデータを届ける」というエンタープライズ・金融機関向けの設計思想が、日本生命の考える全社分析基盤の方向性と合致していました。

また、日本生命ではデータ利活用基盤をAWS上に構築しており、様々な基盤へのデータ分散を避けたいという要件もありました。既存基盤との接続性や、段階的に展開できる柔軟性を備えている点も、業務を止めることなく全社に広げていくうえで重要な判断材料となりました。

こうした点を総合的に評価し、日本生命は Tableau を全社共通の分析基盤として選定。ガバナンスと利便性を両立しながら、全社規模でデータ活用を広げていくための中核基盤として位置づけています。

お客様の声や職員の評価といった情報を分析する際には、情報セキュリティの観点からも非常に慎重な取り扱いが求められます。必要以上に多くの人が閲覧できる状態にしてしまうと、情報管理上のリスクが高まってしまいます。Tableauでは、組織や担当者ごとに閲覧範囲を細かく制御できるため、セキュリティ要件を満たしながら、業務に必要な形でデータを活用できる環境を構築できました。

分析体験と人材育成を両立し、使われ続けるデータ活用を実現

もう一つの決め手となったのが、現場の担当者が自ら触って理解し、使い続けられる分析体験です。

製品検討時にはクラウド型BIツールも候補に挙がりましたが、ビジネスユーザーと一緒に試行錯誤しながらダッシュボードを作り、分析を深めていく使い方においては、Tableauの操作性や表現力に優位性があると判断されました。

Tableauでは、定型レポートを確認するだけでなく、KPIの変化に気づいたその場で、フィルターやドリルダウンを使って要因を深掘りできます。分析のためにデータを取り出し直したり、作り直したりする必要がなく、思考の流れを止めずにデータと向き合える点が評価されました。

佐藤氏は、選定当時を次のように振り返ります。

「全社で使う基盤だからこそ、専門部門だけのツールではなく、現場の担当者が自分で触って理解できることが重要でした。Tableauであれば、一つのダッシュボードを起点に、誰もが直感的にデータを深掘りできると感じました。」

日本生命では、この分析体験を一部の専門部署に閉じるのではなく、全社に広げていくことを重視しました。またあらゆる領域でデータ利活用を加速させ、ダッシュボード構築を進めていける人材を育成する一環として、「DATA Saber」(*) を社内の認定資格の一つとして採用しています。

*DATA Saber: コミュニティの有志によって運営されている「Tableau」の資格認定制度。技術力とコミュニティ活動に関する「試練」を突破したうえで、取得者から認められる(弟子になる)必要があります。

デジタル推進室の岡村氏は、今後のデータ人材育成について次のように語ります。

「Tableau導入と人材育成を一体で進め、再来年は100名のDATA Saber育成を目標としています。」

ガバナンスと使いやすさ、そして人材育成までを含めた総合力により、Tableauは「使える人が増え、使われ続ける」全社分析基盤として、日本生命のDXを支えています。

Tableau導入と人材育成を一体で進め、再来年は100名のDATA Saber育成を目標としています。

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全社DXを次の段階へ進めるために

Tableauを軸とした全社的なデータ活用の取り組みを通じて、日本生命では、業務改善や意思決定の高度化に向けた基盤が着実に整いつつあります。

これまで同社は、生成AIの活用促進、CX(顧客体験)の向上、コンプライアンス運用の高度化など、現場業務に直結する領域で具体的な成果を積み重ねてきました。今後は、こうした取り組みを一部の職員の活用にとどめるのではなく、より多くの職員がデータを日常業務の中で自然に活用できる環境へと発展させていく考えです。

あわせて同社は、保険事業領域だけでなく、ヘルスケア領域等様々な事業領域において、データ活用をさらに広げています。こうした取り組みの中では、データ分析の経験がなかった入社まもない職員が、現場と対話しながらダッシュボードを作成するケースも生まれており、データ活用が組織全体へと広がりつつあることを象徴しています。

 

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健診・レセプトデータをもとに、現場でのデータ活用を検討するための可視化ダッシュボード

デジタル推進を担う佐藤氏は、今後の展望について次のように語ります。

「データを見られる人を増やすこと自体が目的ではなく、データをもとに考え、行動につなげられる人を増やしていくことが重要だと考えています。Tableauを通じて、データを活用することで、現場での気づきや判断が自然に生まれる状態を、全社規模で実現していきます。」

日本生命は、これまで整備してきた分析基盤と人材育成の取り組みをさらに発展させ、経営層から現場までが同じデータをもとに議論し、意思決定できる環境づくりを目指しています。Tableauは、その実現を支える中核基盤として、日本生命の全社DXを次のステージへと導いていきます。

データを見られる人を増やすこと自体が目的ではなく、データをもとに考え、行動につなげられる人を増やしていくことが重要だと考えています。Tableauを通じて、データを活用することで、現場での気づきや判断が自然に生まれる状態を、全社規模で実現していきます。