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Tableauで事業部門の枠を超えたデータ分析基盤を構築|NEC|導入事例


データを自ら分析するという企業文化の醸成

経営管理の標準化の加速

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社会公共事業や社会基盤事業といった公共性の高い事業から、企業に対して各種ソリューションを提供するエンタープライズ事業、ネットワークサービス事業、システムプラットフォーム事業、さらには海外市場を対象としたグローバル事業まで、多岐にわたるセグメントでビジネスを展開する日本電気株式会社(NEC)。テレコムキャリア市場で培ったネットワーク技術や、AI/IoT といった最先端技術でも大きな強みを持っており、顧客や社会の課題解決に大きな貢献を果たし続けています。

多岐にわたる事業展開ゆえの経営課題が存在すると語るのは NEC 経理本部 データ&アナリティクス推進室で室長を務める天野 昌彦 氏です。

「事業部門毎にサイロ化された経営管理が SGA 比率の高さの原因の一つでした。この問題を解決するには、経営管理のあり方を根本から見直していく必要があり、2016 年度に経営管理改革の構想を策定し、具体的な変革施策を実施することになりました。」

「その施策の1 つがデータ基盤とデータ分析基盤の構築です。以前は各種業務システムから個別にダウンロードしたデータや、営業担当者が提出した Excel シートのデータを各部門の担当者が集計し、レポーティングすることが一般的な方法でした。しかし、これでは迅速かつ客観的な根拠に基づく意思決定を実施することは困難です。短期予算偏重のサイロ化された経営管理から脱却し、中期視点で実行スピードと客観性を重視した経営管理を実現していくためには、全社共通の標準化されたデータ分析基盤が不可欠だと判断しました。」

そこでデータ&アナリティクス推進室では、会計や SCM、SFA といった各種上流システムやビジネスユニット毎のシステムからデータを集約し、自動的に加工して分析可能にするデータ基盤の整備及び標準レポートの提供を2019 年に開始しました。また、事業部門の多様性やビジネス環境の急速な変化に対応するため、2019 年 7 月にはセルフサービス BI の検討を開始し、複数の製品が比較検討されていくことになります。

Tableau の導入・運用環境について

ここで最終的に選ばれたのが Tableau でした。2019 年 9 月には Tableau 社の協力のもと、100 名以上の社員に対するハンズオンを実施。さらに同年 12 月には、すでに社内で Tableau を活用し、多数のお客様の活用も支援している NEC ソリューションイノベータをプロジェクトメンバーに加え、Tableau Server の環境整備と DATA Saber による Tableau Creator の育成を両輪で推進しました。

「社内ですでに Tableau を活用している部門とコラボレーションし、データ利活用の試行を重ねながら、並行して全社標準のレポートを作成・提供していきました。」と語るのは、NEC 経理本部 データ&アナリティクス推進室 エキスパートの八田 光啓 氏。「経営管理を担う FP&A(Financial Planning & Analysis)職は従来の業務だけではなくデータを活用して事業部門のビジネスパートナーになることが求められているため、“スキルの壁” 以上に“意識の壁” を打ち壊していくことが、重要になりました。」

 

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「標準化された考え方や手法を全社レベルで展開するにはトップダウンアプローチを採用しますが、定着には時間がかかります。ましてや、これまで事業部門毎に実施してきた経営管理方法を標準化することはさらにハードルが高く、まずはライトに使ってもらうことで突破口を作ることにしました。」と天野氏。

「現場の Tableau Creator の悩みを個別・具体的に支援する駆込寺の実施、Tableau に関する全ての活動内容を共有する社内コミュニティの立ち上げ、成果を発表するユーザ会の開催などの施策を展開しました。このような活動を組み合わせることで、“継続の壁” “活用の壁” “標準化の壁” をブレイクスルーし、短期間で Tableau の展開・定着に成功しました。」

「Tableau による分析対象となるデータソースは多岐に渡ります。データ基盤 に集約されたデータはもちろん、勤怠管理システムや入館管理システム、エンゲージメントサーベイ、各事業部門が独自に保有するデータ、さらにこれらを組み合わせたデータも Tableau で分析できるようになっています。利用者層も、当初は FP&A 職のみでしたが、現在では NEC 全体に拡大しています。」

 

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Tableau でデータを可視化しやすくなったことで、データの不備がはっきりとわかるようになり、どのようなデータを整備すべきかが明確になりました。“データは見られるほど美しくなる” という文化が根付き始めています。

Tableau 選定の理由について

ではなぜ最終的に Tableau が選択されたのでしょうか。その最大の理由として八田氏は「ワクワクする使用感」を挙げています。「Tableau は直感的に操作でき、使っていて楽しく、気持ちのいいプラットフォームです。利用者が自発的に改革を進めていくために、“ワクワク感” が重要な成功要因だと考えました。実際にハンズオンに参加した社員も、みんな目を輝かせて触っており、職場に帰ってから同僚に話していたようで、追加でハンズオンは無いのか?という問い合わせもありました。」(八田氏)

上記の理由に加え、NEC ソリューションイノベータに Tableau 関連のノウハウが蓄積されていたこと、NEC 自身が Tableau を商材として扱っていることも、導入を後押ししました。社内で活用実績を蓄積し、そのノウハウを顧客に提供することで、Win-Win の関係構築が可能です。

Tableau の導入効果について

全社標準のデータ分析基盤に Tableau を導入したことで、次のような効果が得られています。

データを自ら分析するという企業文化の醸成

Tableau のような気軽に使えるプラットフォームを用意し、ハンズオンなどのユーザ教育も積極的に実施することで、自発的にデータ分析を自ら実施する社員が短期間で急速に増えていきました。「使っていてつまらないプラットフォームではこうはいかなかったはずです。」と八田氏は述べています。

Viz を活用した会議の変革

以前は会議を開催する際、膨大な資料を都度用意する必要がありましたが、Tableau の Viz を会議に持ち込むことで当該業務そのものが不要になり、ある営業部門の会議では、Viz を使ってわかりやすさと効率化の実現に成功しています。「Tableau を活用することでレポーティングの性質も大きく変化しています。意思決定に何が必要なのかを考え、視覚的に伝わり易いようにデザインされた Viz が増えています。」と天野氏は述べています。

経営管理の標準化の加速

当初から提供していた標準レポートに加え、各事業部で作成された Viz を積極的に横展開や全社レポート化することで、経営管理手法やそのノウハウの標準化が急速な勢いで広がりつつあります。さらに標準データを活用し始めたことで、データ項目の選定や品質に関する課題が顕在化し、データの在り方の議論が活性化しています。

今後の展開について

「経営管理改革のツールとして導入した Tableau ですが、この活動を通して、社員の意識が大きく変わろうとしています。これがデータドリブン経営へ繋がっていくと思っています。その一方で、データ利活用を更に推進していくには、分析対象となるデータを改めて整備する必要があります。すでに上流プロセスから経理管理の領域まで抜本的に見直していくプロジェクトが動き出しています。次のマイルストンは3 年後、2023 年度頃には形にしていきたいと考えています。」(天野氏)

経営データガバナンスの強化とデータ利活用の高度化を推進し、Tableau の優れた視覚化の力によりマネジメント変革のイメージを具体的に伝えることで、データドリブン経営を加速したいと思います。