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三井住友カード、決済データを起点に加盟店向け分析ダッシュボードを展開し、顧客理解から施策実行までの意思決定を支える

2025年9月に加盟店へ提供を開始し、月間アクティブ率80%を維持

リリース後、顧客要望に応じて50件以上の改修を実施し、継続的に進化

キャッシュレスデータを活用した加盟店向けサービスとして展開し、アクワイアラ領域での差別化を推進

三井住友カード株式会社は、加盟店向け分析ダッシュボードサービス「Merchant Portal」の開発・運用にTableauを活用し、個別対応型の労働集約モデルから、加盟店が自ら探索できる自助探索型BIへの転換を実現しています。2025年9月のリリース以降、大型アップデート3件・改修50件以上をアジャイルに実施し、提供初年度から月間アクティブ率70〜80%という高い定着率を達成しています。さらに、キャッシュレスデータを活用した差別化サービスとして、加盟店獲得・維持への貢献、大型契約の獲得支援など、事業全体の競争力強化にも寄与しています。

三井住友カードについて

三井住友カード株式会社は、SMBCグループの中核クレジットカード会社として、個人・法人向けのキャッシュレス決済サービスを幅広く提供しています。国内トップクラスの加盟店ネットワークと決済インフラを基盤に、近年はキャッシュレスデータを活用したデータビジネス領域にも積極的に注力。マーケティングユニットを中心に、加盟店向けの分析・マーケティング支援サービスを展開し、「三井住友カードの加盟店である価値」を可視化することで、加盟店との関係深化と新たなビジネス価値の創出を推進しています。

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三井住友カードの挑戦

三井住友カードがキャッシュレスデータを活用した加盟店向けサービスに取り組み始めたのは、2019年のことです。マーケティング支援サービス「Custella」を立ち上げ、アナリストが顧客課題に応じた個別設計でデータ分析を行い、カスタマイズしたレポートを提供してきました。

この取り組みにより、キャッシュレスデータが業種を問わず加盟店の事業やマーケティング課題の解決に資する価値ある情報であることが実証され、各業種に応じたインサイトを導き出すためのノウハウを蓄積してきました。一方で、分析依頼の増加に伴い、分析者のリソース確保や属人化といった課題が顕在化し、提供スピードや効率は次第に限界に近づいていきます。

執行役員 マーケティング本部 副本部長 白石 寛樹氏は当時の課題について次のように述べます。

「キャッシュレスデータの分析が、さまざまな業種の加盟店様の課題解決に資する価値ある情報であるという仮説のもと、5年の歳月をかけてノウハウを蓄積してきました。しかし次に直面したのは、分析者のリソース確保や属人化という新たな課題でした。」

同社は蓄積してきた知見を活かしてTableauによるBI化を決断。より多くの加盟店にキャッシュレスデータ分析を届けられるよう、新たな挑戦を始めました。Tableauを選択した理由として、社内での導入実績があり、スキル保有者が多数在籍していたため内製化のハードルが他ツールと比較して低く、迅速な開発・改善が可能な点が大きく評価されました。

執行役員 マーケティング本部 副本部長 白石 寛樹氏は、目指す姿についても次のように述べます。

「キャッシュレスデータは加盟店の課題解決に直結する価値ある情報です。各業種に有益なインサイトを届けるためには、データだけでなく、その業種に対する深い知見が不可欠です。『Merchant Portal』は、社内に蓄積してきた知見に加え、加盟店様の業種固有の知見も幅広く取り込みながら、探索するBIから問いを立てるBIへと進化させていきます。」
 

キャッシュレスデータは加盟店の課題解決に直結する価値ある情報です。各業種に有益なインサイトを届けるためには、データだけでなく、その業種に対する深い知見が不可欠です。『Merchant Portal』は、社内に蓄積してきた知見に加え、加盟店様の業種固有の知見も幅広く取り込みながら、探索するBIから問いを立てるBIへと進化させていきます。

Tableauが三井住友カードをどのようにサポートしているか

顧客の声を即時反映するアジャイル開発体制で、信頼されるダッシュボードを実現

Merchant Portalは2025年9月にリリースされ、以降わずか数カ月で大型アップデート3件、細かな改修を含めると50件以上の改善を実施しています。この迅速な改善サイクルを支えているのが、カスタマーサクセス・企画担当者・開発者が密に連携した体制です。

マーケティングユニット AI・データチャプター チーフプロダクトオーナー 平野 雄介氏は、アジャイル開発体制の強みについて次のように述べます。

「社内にTableauユーザーが多く、顧客要望に応じたフレキシブルな改修ができています。ユーザーフィードバックをカスタマーサクセス担当から収集し、実務への影響度や優先度を考慮しながら迅速に改善を行うことで、持続可能な改善体制を整備しています。」

たとえば、加盟店からの要望を受けて「2店舗間の顧客属性比較」機能を約1カ月で実装するなど、スピーディな対応が加盟店の当事者意識と満足度を高めています。

プロダクト設計においては、ログイン後のホーム画面に課題発見に直結する要素(インバウンド動向、店舗ランキングなど)を配置。画面上部で自社の推移を、下部で業界比較を提示することで、市場要因と自社固有の要因を加盟店が自ら判別できる構造になっています。また、会議資料への即時転用を前提とした横長レイアウトや差分パーセンテージの明示表示など、「後工程を減らす」設計を徹底。デザイナーの監修によってビジュアル品質も底上げしています。

 

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図1:Merchant Portal ホーム画面 — 国内・インバウンド売上、前年比、業界成長率を一覧で把握できる

 

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図2:店舗売上ランキング — 上位・下位5店舗を売上・人数・人単価で一覧表示

社内にTableauユーザーが多く、顧客要望に応じたフレキシブルな改修ができています。ユーザーフィードバックをカスタマーサクセス担当から収集し、実務への影響度や優先度を考慮しながら迅速に改善を行うことで、持続可能な改善体制を整備しています。

加盟店のビジネス課題を多面的に可視化し、売上回復・新規顧客獲得を支援

Merchant Portalの核心は、クレジットカード決済データを活用した多面的な分析機能にあります。時系列・曜日・時間帯・店舗・顧客属性(国内/訪日・年齢・性別・収入)といった軸で売上を分解できるほか、同業界の決済データとの比較分析が可能です。

この機能を活用した具体的な成果として、以下のような事例が生まれています。インバウンド分析画面を活用し、2店舗間の売上差異の原因を特定。施策の方向性を明確化し、具体的なアクションにつなげた加盟店が登場しました。また、新店舗の利用者属性を全店舗と比較することで、ターゲット層の適合性を効率的に確認し、新店舗のコンセプト検証をスピーディに行う事例も生まれています。

「市場動向(マクロページ)」も重要な機能の一つです。たとえば東京都内のインバウンド比率は約7%ですが、銀座・有楽町のある中央区では約14%、浅草のある台東区では約30〜40%と、エリアによって大きく異なります。自店のインバウンド比率をこの市場データと比較することで、「台東区では30%がインバウンドなのに、自店は5%しかない」といった改善ポイントを発見できます。

マーケティングユニット AI・データチャプター チーフプロダクトオーナー平野 雄介氏は、初年度の手応えについて次のように述べます。

「2025年9月の初期リリースからご利用いただき、MAUは70〜80%を維持しています。お客様の生の声として『もっとこうじゃないと見えないのだよね』という声をいただけること自体が財産で、それをすぐ社内で直してお客様に届けられる。その積み重ねが、今の定着率につながっていると思っています。」

 

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図3:自社動向 店舗ページ — 期間・属性フィルターで絞り込み、店舗別売上・人数・件数を詳細分析

 

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図4:店舗間の属性比較 — 2店舗の性年代・家族構成を並べて比較し、顧客層の違いを可視化

 

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図5:配信可能数調査 — 性別・年代・年収など多軸で絞り込み、eDM/紙DMの配信可能数をリアルタイムで試算

 

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図6:市場動向 消費ヒートマップ — 都道府県・市区町村別の消費動向とインバウンド比率を地図上で視覚化

2025年9月の初期リリースからご利用いただき、MAUは70〜80%を維持しています。お客様の生の声として『もっとこうじゃないと見えないのだよね』という声をいただけること自体が財産で、それをすぐ社内で直してお客様に届けられる。その積み重ねが、今の定着率につながっていると思っています。

他社にはないTableauの価値

可視化の自由度と迅速な内製開発力で、加盟店向けサービスを差別化

三井住友カードがTableauを選択した理由は、可視化・レイアウトの自由度の高さにあります。データの切り口や伝え方をターゲットユーザーに合わせて柔軟に設計できるため、業界別・規模別に異なる加盟店のニーズに対応できます。また、豊富なTableauコミュニティの知見を活用することで開発時の学習コストを低減し、初期リリースでは約2カ月で自社動向分析の画面群を構築するというスピード感を実現しました。

TableauとHTMLのハイブリッド構成(左ペインナビゲーションなど)を採用することで、Tableauの可視化機能の優位性を活かしながら、UI/UXの拡張性も確保。無償提供による導入障壁の低減と合わせ、加盟店との関係深化や大型契約獲得への貢献など、アクワイアラとしての競争優位性を高める差別化資産へと成長しています。

マーケティングユニット AI・データチャプター 榊 千絵氏は、Tableauの価値をこう語ります。

「Tableauには『Tableau helps people see, understand and act on data』という理念があります。この理念を体現するかのように、コミュニティ全体で可視化に関するナレッジやベストプラクティスが共有されています。実装で困った際にも、コミュニティのおかげで情報にアクセスしやすく、開発者が当初の3人から2倍に増えた際も、学習コストのキャッチアップをスムーズに進めることができました。」
 

Tableauには『Tableau helps people see, understand and act on data』という理念があります。この理念を体現するかのように、Tableauコミュニティ全体が一つの共通言語として、ナレッジを共有し合っています。実装で困った際にも、コミュニティのおかげで情報にアクセスしやすく、開発者が当初の3人から2倍に増えた際も、学習コストのキャッチアップをスムーズに進めることができました。

データを起点とした対話を促進し、その場で分析の切り口を変えられる柔軟性

Merchant Portalの開発・改善においてTableauが発揮したもう一つの価値が、チーム内のコラボレーションを加速する力です。企画、プランナー、カスタマーサクセス、開発者など、異なる立場のメンバーがTableauのダッシュボードを共通画面として使い、同じ画面を見ながら議論することで、認識を合わせながら分析の深度を上げることができました。

榊氏は、プロジェクトを通じて実感したTableauの価値について次のように語ります。

「このプロジェクトは、開発者・アナリスト・企画・プランナー・カスタマーサクセスなど、立場の異なるメンバーが関わっています。開発者が一方的にダッシュボードを共有するのではなく、同じ画面を見ながら議論し、認識を合わせていくことが、プロジェクトの成功に直結していました。Tableauではその場で可視化や分析の切り口を変更できるため、データを起点に議論が深まり、異なる立場の人が対話できる場を作れることが、このプロジェクトを通して私が一番実感しているTableauの良さです。」

 

このプロジェクトは、開発者・アナリスト・企画・プランナー・カスタマーサクセスなど、立場の異なるメンバーが関わっています。開発者が一方的にダッシュボードを共有するのではなく、同じ画面を見ながら議論し、認識を合わせていくことが、プロジェクトの成功に直結していました。Tableauではその場で可視化や分析の切り口を変更できるため、データを起点に議論が深まり、異なる立場の人が対話できる場を作れることが、このプロジェクトを通して私が一番実感しているTableauの良さです。

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AIとの融合で、探索型BIから「問いを立てられるBI」へ

Merchant Portalは現在、加盟店が自らデータを探索するBIとして機能しています。しかし三井住友カードが描く次のステージは、AIがデータの変化を自動的に検知・解釈し、示唆を自動的に届ける体験への進化です。ダッシュボードを「見に行く」から、必要な示唆が「届く」へ——データとの向き合い方そのものを変えることを目指しています。

マーケティングユニット  AI・データチャプター チーフプロダクトオーナー 平野 雄介氏は、今後のプロダクトの方向性について次のように述べます。

「一つは、グラフを見た際の解釈や示唆をAIがお客様に伝えられるようにすること。直感的に知りたい方に向けた機能です。もう一つは、自らデータを分析したいユーザーに対して、自由度の高いデータをポータル経由で提供すること。この両面を強化することで、結果的にカスタマーサクセスの工数も削減され、自然と使われ続けるプロダクトになっていくと考えています。」

Tableau MCPやAI接続など次世代機能との連携も視野に入れながら、キャッシュレスデータの価値をさらに広く、深く届けることを目指す——執行役員 マーケティング本部 副本部長 白石 寛樹氏は、その先に見据えるビジョンをこう語ります。

「今後強化していきたいのは、私たち内部の知見の集約だけでなく、加盟店様側の業種固有の知見も幅広く吸収して実装することです。探索型のBIから問いを立てることのできるBIへ進化させることを目指しています。AIはこのチャレンジを実現する上で必要不可欠な存在であり、私たちが提供するサービスのあり方も大きく変革する可能性を秘めていると考えています。」

 

今後強化していきたいのは、私たち内部の知見の集約だけでなく、加盟店様側の業種固有の知見も幅広く吸収して実装することです。探索型のBIから問いを立てることのできるBIへ進化させることを目指しています。AIはこのチャレンジを実現する上で必要不可欠な存在であり、私たちが提供するサービスのあり方も大きく変革する可能性を秘めていると考えています。

※ 本事例は 2026 年 5 月時点の情報です