Murakami Farm Japan

「どこで買えるのか」という疑問をすぐに解決


店舗情報を迅速に提供可能に

販路の新規開拓にも有効

導入の背景

時間がかかっていた顧客からの問い合わせ対応

食べることで人々が健康を維持したり、きれいになることに貢献したい。このような想いから、科学的な知見に基づいた「高成分野菜」を企画・生産・販売しているのが村上農園です。販売商品はブロッコリー スーパースプラウトや豆苗、かいわれ大根、マイクロハーブなど。日本国内のスーパーのほとんどはこれらのいずれかを入荷しており、取り扱い店舗数は 2 万店近くに上っています。しかし「以前はお客様からいただく販売店に関する問い合わせへの対応に、時間がかかってしまうことが悩みの種でした」と語るのは、村上農園 営業本部で執行役員 営業本部長を務める河野 尚之 氏です。

「当社の商品には『指名買い』してくださる根強いファンが多く、買いに行って在庫がなかった場合に、『他に販売している店舗を教えてほしい』という問い合わせをいただくことが少なくありません。以前はコールセンターのオペレーターが、そのエリアの担当営業に確認を行って回答していたのですが、お客様にお答えできるまでに 1~2 日かかっていたのです」。

すぐに商品を求めているお客様への対応を、もっと迅速化したい。そのために検討を始めたのが、お客様自身が近くの販売店を探せる「販売店検索システム」の実現でした。

「すでに 2015 年から Salesforce Sales Cloud を導入しており、お取引先の店舗情報は集約されていました。その情報をお客様にも直接提供することで、情報ギャップを解消できないかと考えたのです」。

 

Tableau の導入・運用環境について

Tableau+Salesforce で販売店検索システムを構築

村上農園はまずセールスフォース・ジャパンに相談。そこで紹介されたのが株式会社Sharing Innovations でした。同社は Salesforce を中心にした DX を支援している企業であり、BI や Web アプリ開発など幅広い領域をカバー。スタッフが互いに切磋琢磨しあう「学習する組織」として、数多くの顧客にイノベーションをシェアしています。そのSharing Innovations が提案したのが、Tableau Public と Experience Cloud を連携させたサイトの構築でした。

「すでに Sales Cloud に必要なデータがあるので、それを Tableau で可視化し、Experience Cloud 経由で提供することで、ユーザー自身で販売店を検索できるようになります」と語るのは、Sharing Innovations クラウドインテグレーション事業部でエンジニアを務める富山 大雅 氏。この組み合わせであれば SalesCloud との相性にも問題がないため、短期開発も可能だと判断したと言います。

2021 年 8 月にはプロジェクトをキックオフ。村上農園の要望を聞きながら、アジャイル型で開発が進められていきます。そしてそのわずか 2 か月後の 2021 年 10 月には、販売店検索システムの提供が開始されています。

「今回の開発で配慮したのは、年配の方や IT に不慣れな方でも扱いやすいようにすることでした」と言うのは、富山氏と共にプロジェクトに参加した、Sharing Innovations クラウドインテグレーション事業部 エンジニアの入江 真帆 氏。そのために文字を大きくし、色もわかりやすいものを選んだと説明します。

また開発プロジェクト完了後は技術移転が行われ、運用を村上農園自身が行えるようにしています。これに関して Sharing Innovations クラウドインテグレーション事業部の営業担当である八木澤 瑶子 氏は、次のように語ります。

「最終的にはお客様が自走できることが理想だと考えています。そのためにお客様にもTableau のトレーニングを受けていただきました。お客様自身の知見を深めていただくことで、DX の効果を引き出しやすくなるからです」。

Tableau 選定の理由について

店舗などの情報もシンプルかつスピーディに検索可能

それでは Tableau を可視化に使うという Sharing Innovations の提案を、村上農園はどのように評価したのでしょうか。

「実際にプロトタイプを見せていただいたところ、数字をグラフ化できるのはもちろんのこと、店舗などの情報もシンプルかつスピーディに検索できることに感銘を受けました。結果論ではありますが、お客様が簡単にアクセスして必要な情報が得られる仕組みが実現できたと評価しています。当社商品のファンの中には年配の方が多いのですが、そのような方々がスマホでアクセスしても、問題なく使えるものになっていると思います」(河野氏)。

その一方で、Sharing Innovations の開発の進め方も、高く評価されています。

「開発していただきながら具体的な仕様を詰めていったこともあり、当初は漠然としたイメージしかありませんでした。しかし Sharing Innovations は辛抱強く対応してくださり、レスポンスも迅速でした。もう素晴らしいの一言しかありません」。

数字をグラフ化できるのはもちろんのこと、店舗などの情報もシンプルかつスピーディに検索できることに感銘を受けました。

Tableau の導入効果について

店舗情報の提供が迅速化され販路開拓にも効果

Tableau Public と Experience Cloud を組み合わせた販売店検索システムは、以下のようなメリットをもたらしています。

店舗情報を迅速に提供可能に

コールセンターに問い合わせが来た際にこのシステムを紹介することで、顧客自らが最寄りの店舗を探せるようになりました。以前は 1~2 日かかっていた店舗情報の提供が、ほぼリアルタイムで行えるようになったのです。まだこのシステムの認知が十分に進んでいないこともあり、コールセンターへの問い合わせ数はそれほど減少していませんが、オペレーターからは「すぐにご案内できるので安心感につながっている」という評価を受けています。また、以前はコールセンターに問い合わせを行わずに諦めていた顧客が、このシステムを使うことで別の店舗を探すケースもあるため、販売機会の損失回避にも効果があると考えられています。

販路の新規開拓にも有効

販売店検索システムの提供は、新たな販売店の開拓にも寄与しています。「このシステムの画面を営業先にお見せし、具体的に他のどの店舗で取り扱っているかがわかることで、『うちも入荷しよう』となることが少なくありません。実際にこの数か月間で、数十店舗を展開する中堅スーパー様数社が新規取引先になり、販売店舗数が 100 店舗以上増えました。既存の取引先様からも、このシステムには肯定的な反応をいただいております」(河野氏)。

今後の展開について

今後は双方向性を持つシステムへ

今回構築された販売店検索システムは、村上農園のファンにとって有益な情報を提供する、重要なコミュニケーション手段になっています。今後は Experience Cloud の機能をさらに活用し、ファンとの双方向での情報提供が行えるサイトにしていくことが目指されています。例えば最寄りの取扱店舗を顧客自身が入力したり、ファン同士が情報交換できるようにすることで、村上農園のブランディングに貢献させたいと河野氏は語ります。

その一方で、Tableau の社内活用も模索されています。

「在庫管理やサプライチェーンを可視化することで、在庫ロスを削減できるのではないかと考えています。当社商品である野菜は保存がききにくいため、在庫管理がタイトでリアルタイム性が必要ですが、Tableau のダッシュボードを全社員が共有することで、適切な判断を迅速に下せるようになると期待しています」。

 

Sharing Innovations - partner

Salesforce.com 様のゴールドパートナーである我々は、2020 年 7 月よりTableau 様ともパートナー契約を締結しました。

Technology Specializations: Salesforce

Services Provided: Application Development; Customer APIs; Data Preparation; Data Warehousing; Visualization Best Practices; Tableau Deployment & Implementation; Building Custom Dashboards; Custom Training Solutions