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福岡地所、全社DXとして進めるデータドリブン経営と生成AI活用の実践

Microsoft Copilotを含む生成AIの活用状況を可視化し、全社の生成AIアクティブ率を半年で約70%まで向上

個人依存だった電力分析のシミュレーション業務を、再現性のある分析へ転換

生成AIの活用や電力コスト管理など、福岡地所では多様な業務データを横断的に分析し、全社の経営に寄与する意思決定に生かす取り組みを進めています。
同社では、DX推進部が中心となり、Tableauを中核としたデータ利活用基盤を整備することで、トップダウンとボトムアップの双方からデータ活用を広げてきました。意思決定に活かせる環境を整えることで、データドリブン経営による業務改革を実践しています。

福岡地所について

福岡地所は、「福岡をおもしろく」を理念に掲げ、福岡の街の成長と運営の先陣を担う総合デベロッパーです。オフィスビルや住宅、ホテル、物流施設等の企画・開発・運営を通じて、人が集い、働き、暮らす場を長期的な視点で育み、街の価値を高めることに取り組んでいます。建物をつくるのではなく、場づくり・資産づくり・企業づくり・人づくりを通じて価値の循環を生み出し、地域とともに持続的に成長する街づくりを目指しています。

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福岡地所の挑戦

福岡地所では、街づくりや不動産開発といった長期視点の事業を支えるため、データとデジタルを活用した意思決定の高度化に取り組んでいます。従来は部門ごとにデータが分散し、Excelによる集計や報告に多くの工数を要していたことから、データ活用が意思決定や業務改善に十分結びついていないという課題を抱えていました。

そこで同社が重視しているのが、現場が日常業務の中でデータを理解し、判断に活かせる状態をつくることです。単にデータ基盤を整備するだけではなく、業務データや社内ナレッジを人が理解・判断しやすい形で可視化・整理することで、現場の意思決定を支えると同時に、生成AIの活用にもつながるデータ活用環境づくりを進めています。

生成AIの利用状況やエネルギー関連データなど、総合デベロッパーならではの多様な業務データを可視化することで、全社が共通の視点で状況を把握できるようになりました。現場は煩雑な集計作業から解放され、数値の変化や傾向を理解したうえで、次に何をすべきかを考える時間を、より多く確保できるようになりつつあります。

同社はTableauをデータ活用による業務効率化や意思決定の判断を支援するツールとして位置づけています。DX推進部長の田村 圭志氏は、その役割について次のように語ります。

「生成AIを業務や経営に活かすためには、まず現場が日常的に使えるBIによるデータ活用基盤が重要です。人が理解し、判断できる形でデータが整理されていなければ、生成AIの示す示唆も活かすことはできません。Tableauは、現場のデータ利活用を支えるための重要な役割を担っています。」

生成AIを業務や経営に活かすためには、まず現場が日常的に使えるBIによるデータ活用基盤が重要です。人が理解し、判断できる形でデータが整理されていなければ、生成AIの示す示唆も活かすことはできません。Tableauは、現場のデータ利活用を支えるための重要な役割を担っています。

Tableauが福岡地所をどのようにサポートしているか

Microsoft Copilotを含む生成AIの活用状況を可視化し、全社の生成AIアクティブ率を半年で約70%まで向上

生成AIを全社で活用していくためには、利用状況を正確に把握し、次に打つべき施策を判断できる状態をつくることが欠かせません。福岡地所では、「どれだけ使われているのか」「誰が使っていないのか」を可視化したうえで、業務にどう活かすかを検討し、具体的なアクションプランの策定につなげています。

DX推進部の栗原氏は、生成AI活用を進めるうえで、データ可視化の重要性について次のように語ります。

「生成AIを推進する立場としては、まず“どれだけ使われているのか”が見えないと、どこに手を打てばいいのか分かりません。利用状況を定量的に可視化できたことで、初めて次のアクションが打てるようになりました」

現在、福岡地所の社内では、Microsoft Copilotとサードパーティのチャット型生成AI「ChatAI」という、複数の生成AIツールを併用しています。どちらか一方のみを利用している社員も多く、単一ツールの利用率だけを見てしまうと、実態を正しく捉えられないという課題がありました。

そこで同社では、各生成AIツールの利用ログをAWS上に集約し、Tableauでダッシュボードとして可視化する仕組みを整備しました。現在は月次でデータが自動更新され、翌月には全社の利用状況を即座に確認できるようになっています。

「Tableauのダッシュボードでは、全社のアクティブユーザー率だけでなく、会社別・部門別・役職別といった切り口で利用状況を把握できます。利用が進んでいない組織や層を簡単に特定でき、フィルタリングしたデータをそのままダウンロードして、非アクティブユーザーの一覧を抽出することも可能です」(栗原氏)

さらに、可視化されたデータは、具体的な業務改善のアクションへとつながっています。

「利用率が低い部門や会社には、DX推進部がヒアリングに出向き、なぜ使われていないのか、業務上の障壁は何かを確認しています。一方で、利用率が高い部門については、どのような使い方をしているのかを聞き取り、成功事例として社内に共有しています。こうした草の根的な取り組みを、データを根拠に継続しています。」(栗原氏)

こうした取り組みの結果、生成AIのアクティブユーザー率は、導入当初の30〜40%台から、約半年で70%程度まで向上しました。Microsoft Copilotのみを使っている社員、チャット型生成AI「ChatAI」のみを使っている社員といった利用の違いも正確に把握できるようになり、「生成AIを使っていない層」に対して、的確なアプローチが可能になっています。

 

 福岡地所

生成AIのグループ全社利用状況

 

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生成AIのグループ全社利用状況の可視化のためのデータフロー設計

生成AIを推進する立場としては、まず“どれだけ使われているのか”が見えないと、どこに手を打てばいいのか分かりません。利用状況を可視化できたことで、初めて次のアクションが打てるようになりました。

属人的な電力分析業務を、データドリブンな「再現性あるシミュレーション」へ転換。複雑なエネルギーコスト構造の可視化を実現

多数の物件を保有する不動産事業において、電力契約や電気料金の最適化は、コスト管理だけでなく、中長期的な事業運営にも大きく影響する重要な業務です。

特に、電気料金は時間帯別料金や平日・休日による単価差など極めて複雑な要素で構成されており、保有物件の利用実態に合わせて「現在の契約条件が適正に機能しているか」を検証するには、高度な専門知識と論理的な判断が求められます。そのためには、特定の担当者の経験や勘に依存しない、再現性のある分析環境が不可欠でした。

福岡地所では、この電力コスト管理を重要な業務の一つとして位置づけています。各物件ごとに異なる契約条件や、季節変動する使用量などのデータを正確に把握し、定期的にその妥当性を検証するモニタリング業務を行ってきました。しかし、これまでは多様な条件パターンを検証し、最適な管理状態を確認するために、膨大な工数を要していました。

「従来、この契約比較や料金算出の業務は、膨大なExcelファイルを使った属人的な作業に依存していました。時間帯や季節、休日区分など多くの条件を手作業で切り替えながら計算する必要があり、業務負荷が高いだけでなく、『その担当者でなければロジックが分からない』状態になっていたことが大きな課題でした。」(宮崎氏)

そこで同社では、各物件の電気使用実績データをAWS上に集約し、平日・休日や時間帯区分を判定するカレンダーデータと組み合わせることで、年間の使用量をもとに電気料金を自動算出できる仕組みを構築しました。一方で、契約電力や供給電圧、従量料金単価といった契約条件は、エネルギー事業部が管理するExcelマスターとして整備し、そのデータをTableau Prepで加工・連携する形を採用しています。

この取り組みについて、DX推進部の宮崎氏は次のように語ります。

「以前は、その担当者でなければ回せない業務でしたが、今は条件を追加するだけで、同じ計算結果を再現できます。属人化を排除できたことは、業務の効率化だけでなく、業務継続性の面でも大きな変化です」

Tableau上では、現在の契約条件だけでなく、仮に異なる条件(プランや単価体系)を適用した場合にコスト構造がどう変化するかを、並列でシミュレーションできます。「現在の利用実態に対して、どの料金体系が最も合理的か」といった判断をデータに基づいて客観的に行えるようになりました。これまで年に一度、長時間かけて行っていた検証作業を、条件パラメータを変更するだけで何度でも再計算できる状態へと変えたことで、業務の大幅な効率化と属人化の解消を実現しました。

「電力契約の検討業務は、『特定の担当者の経験に依存する作業』から、『データに基づいて常に適正な状態を確認できる業務』へと変わりつつあります。現場の複雑な業務そのものをシンプルにし、継続可能な形へと変えられた点は、この電力分析の取り組みを象徴しています」(宮崎氏)

 

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電力会社別の電気料金比較

 

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電気料金シミュレーションのためのデータフロー設計

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Tableau は極めて幅広く充実した機能を持つ、データと分析のためのエンドツーエンドのプラットフォームです。無料トライアルからお試しいただけます。

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他社にはないTableauの価値

エンジニアに依存しない、現場主体で推進できる直感的な操作性

製品選定にあたっては複数のBIツールを比較検討しましたが、専門的な知識を前提とするツールでは、分析が一部の担当者に集中し、結果として活用が広がらない懸念がありました。一方でTableauは、コミュニティを中心とした豊富なナレッジと、現場でもスムーズに扱える直感的な操作性により、エンジニアでなくても業務に必要な視点でデータを扱える点が評価されたといいます。

加えて、Tableau Prepを活用することで、データ加工から可視化までを一貫して進められる点も重要な決め手となりました。現場で使われているExcelやクラウド上のデータを柔軟に組み合わせながら試行錯誤を重ねられるため、最初から完成形を求めるのではなく、小さく作って改善していくアジャイルな進め方が可能です。

福岡地所では、電力使用料の可視化などの取り組みを、現場とDX推進部が協力しながら推進しています。Tableau Prepでデータを素早く整え、Tableauで可視化することで、分析と改善のスピードを落とすことなく、早期に成果を生み出すサイクルを実現しています。

DX推進部の宮崎氏は、次のように語ります。

「エンジニア前提のツールではなく、現場が自ら試行錯誤し、改善を重ねられることが、意思決定の質とスピードを高めます。それを支えているのが、Tableau DesktopとTableau Prepの価値だと感じています。」

エンジニア前提のツールではなく、現場が自ら試行錯誤し、改善を重ねられることが、意思決定の質とスピードを高めます。それを支えているのが、Tableau DesktopとTableau Prepの価値だと感じています。

データ分析環境の運用・利用改善を支える、管理者向けログデータの提供

Tableauの価値は、分析用途にとどまらず、データ分析環境を安定的に運用し、利用状況を継続的に改善していける点にもあります。福岡地所では、DX推進部が中心となり、Tableauの管理者向けログデータを活用しながら、日常的な運用・利用改善に取り組んでいます。

Tableau Cloudが提供する「管理者インサイト」を活用することで、アクティブユーザーの状況や処理のボトルネックを可視化し、分析環境の健全性を把握しながら、継続的な改善につなげています。

DX推進部の内田氏は、次のように語ります。

「管理者インサイトで提供されるさまざまなログデータを活用し、アクティブユーザーの状況や、ジョブがどこで詰まっているのかを可視化しています。ジョブの実行状況をガントチャートで確認することで、『ここがパフォーマンスのネックになっている』と容易に把握できるようになりました。運用の観点でも、こうしたデータが提供されている点は非常に大きいと感じています。」

管理者インサイトで提供されるさまざまなログデータを活用し、アクティブユーザーの状況や、ジョブがどこで詰まっているのかを可視化しています。ジョブの実行状況をガントチャートで確認することで、『ここがパフォーマンスのネックになっている』と容易に把握できるようになりました。運用の観点でも、こうしたデータが提供されている点は非常に大きいと感じています。

若手社員にも広がる、データを扱い、業務改善につなげる文化の醸成

こうした現場主体のデータ活用は、入社間もない若手社員にも広がり始めています。Tableauを使い始めた長友氏は、次のように語ります。

「Tableauを実際に使ってみると、思っていた以上に直感的でした。データをドラッグ&ドロップするだけで切り口を変えたり、気になった点をその場で深掘りしたりでき、『自分でもここまで分析できるのか』という発見がありました。データを見ること自体が面白いと感じています。Excelではデータ量に制限がありますが、Tableauでは大量のデータもそのまま可視化できる点が便利です。」

Tableauを実際に使ってみると、思っていた以上に直感的でした。データをドラッグ&ドロップするだけで切り口を変えたり、気になった点をその場で深掘りしたりでき、『自分でもここまで分析できるのか』という発見がありました。データを見ること自体が面白いと感じています。Excelではデータ量に制限がありますが、Tableauでは大量のデータもそのまま可視化できる点が便利です。

現場のデータ活用をスケールさせる、Tableau AIによる分析の進化

福岡地所では、BIの活用を「一部の専門人材の生産性向上」にとどめるのではなく、現場全体のデータ活用を推進するためのエンジンとして捉えています。同社が目指しているのは、分析の民主化と品質を両立させながら、より多くの現場メンバーがデータ活用や意思決定の改善に関われる文化の醸成です。

現在、一定の品質が求められるダッシュボードや分析はDX推進部のメンバーが担っていますが、今後はTableau AIの機能の一つである「Tableau Agent」を活用し、可視化や分析を補助することで、初心者でも一定水準のダッシュボードを作成できる状態を目指すため検証を進めている段階です。

ダッシュボードの内容を自然言語で解説したり、変化点や傾向を示唆したりする機能である「ダッシュボード解説」は、分析結果を意思決定につなげるための有効な手段の一つとして注目していると、栗原氏は語ります。

福岡地所では、今後も実際の業務の中でTableau AIを検証しながら、AI活用の幅を段階的に活用を広げていく方針です。Tableauをデータ利活用における「伴走する存在」として活用し、現場主体のデータ活用を次のフェーズへと進化させていこうとしています。