Bellface

Tableau で全体を俯瞰する力を強化したベルフェイス


想像力+データ活用の相乗効果で、変化の時代でも継続的に成長

ビジネスにおけるデータの重要性が高まる中、企業にとってデータ活用をいかにアップデートするかが問われている。経営層が積極的にデータにコミットすることで、現場だけでなく全社でデータ活用のカルチャーを根付かせることに成功しているのが、オンライン営業システム「bellFace」で急成長を遂げているベルフェイスだ。代表取締役の中島一明氏、執行役員COO の澤口玄氏を迎え、Tableau の佐藤豊氏がデータカルチャー醸成の成功要因について聞いた。

 

変化の時代には想像力が必要。 その裏付けとなるのがデータ

 

佐藤:  御社は、「Technology for Sales」をミッションに掲げた営業支援事業を展開されています。どのような内容なのか、ご説明いただけますか。

中島: 勘と根性の営業をテクノロジーで解放しようというのが、創業からの理念です。その理念の下に開発したのが、営業先の環境やITリテラシーを問わずに使えるオンライン営業システム「bellFace」です。法人営業で主に採用いただいていたのですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響で対面営業が制限されたことを受けて、金融のリテール営業や不動産業など、コンシューマー向けにビジネスをやられている方からの受注が増加しました。

佐藤:  近年、DX をはじめ、企業を取り巻く環境は急速に変化していますが、コロナ禍も企業環境を大きく変えました。御社では、こうした急激な変化を受けて、どのようなことを重視されていますか。

中島: 急激な環境変化があったときに重要なのは、豊かな想像力と、それに従って行動を変えられることです。なぜなら、変化の悪影響が売り上げや業績に表れるまでにはタイムラグがあるため、事前に対策を取る必要があるからです。実は、COVID-19 の感染拡大が問題になり始めた当時、BtoB の見込みリードは十分にあったのですが、売り上げ以外の情報を考慮すると、顧客層が変化していることが顕著に表れていました。そこで、コロナ禍が長期化すれば、これまで対面営業のみを行なっていたコンシューマー向けサービスも強制的にオンライン営業を強いられるはずだ、結果としてBtoC ニーズが高まるだろうと考え、「bellFace」の無償提供期間を設けるなど、様々な手を打ってきました。

佐藤: 調査会社と合同で実施した調査でデータを重視している企業の75 %がコロナ禍でデータから優位性を得ていると回答しています。企業が変化する上では、データは適切かつ迅速な意思決定をするために大きな武器になると思いますが、御社ではデータをどのように位置付けられていますか。

中島: 環境が大きく変化しているときこそデータが重要になります。当社はこの一年でデータを経営の意思決定に反映する体制を整えて、実行できるようになりました。当社はSaaS 企業なので、重視すべきは当然、継続率やアップセルです。私自身は営業畑出身で、勘やセンスを頼りにやってきたところがあるのですが、社内的にデータ活用の環境整備を進める中で、契約を継続してくれるお客様の属性や行動を深掘りするようになりました。ビジネスの潮目が変わったのをデータが教えてくれました。

澤口: 「bellFace」というツールの性格上、以前からデータは取れていたのですが、会議の際に、部署ごとに出てくる数字が違っていたりと活用がうまくいっていないという状況がありました。そうなると営業活動にも、ましてや経営の意思決定にはとても使えません。それで、現場の全部門が同じ数字を見て議論できるようにしよう、経営陣にとっては管制塔から全体を俯瞰できるようにしようと考えたのがきっかけです。

佐藤: すべての関係者が同じ数字を見ることで、意思決定のスピードが上がり、コスト削減にもつながるという部分は重要ですね。

データを活用することで、組織における様々な意思決定の精度が高まります。データを企業のトップが独占するのではなく、誰もがアクセスして活用できるようにし、組織全体で意思決定を民主化することが重要です。

組織の意識を変えるため、 データカルチャーの醸成に取り組む

 

佐藤: 環境の変化に対応する上でデータは非常に有効な武器になり、データ活用できる企業は非常に強くなりますが、経営者にお話を聞くとまずは社内の意識を変えなくてはならないという課題が出てきます。

中島: まず経営者の意識を変えることが肝要です。当社はこれまで、トップダウンで成果を上げてきました。過去5 年間は、社長の意思決定がすべてで全勝していました。環境変化がない前提ならこのままでも良かったかもしれませんが、変化の時代には、ボトムアップも含めて柔軟に対応する必要があります。ミクロな意思決定が必要となります。そこで、データに基づくKPI を、顧客を最も知っている現場が設計し、トップが承認するという方法に変えました。このような形にして、データに魂を入れることが重要だったのです。こうした前提に立てば、人事評価も売り上げではなく、会社が承認したKPI の達成度であるべきですし、それでこそデータを重視するという経営サイドの本気が伝わると考えました。

佐藤: まさにエグゼクティブのコミットメントが、データ利活用を成功させるためには必要ということですね。データカルチャーをいかに定着させるかというのが、企業にとって大きな課題になってくると思います。御社が目指したデータカルチャーの姿について教えてください。

澤口: 現状ではまだトライの最中ではあるのですが、各部署・各社員がデータにアクセスできるだけでなく、最終的には各自が当たり前のように自分の仕事のデータ分析を行った上で、意思決定できるところまで到達したいですね

佐藤: そこを目指すには、社員の意識を変えていく必要があると思うのですが、御社ではどんな取り組みをされていますか。

澤口: まずはデータに触れる機会を増やしています。それからデータだけだと分かりにくいケースもあるので、その場合は伝えたいメッセージを明確にして、データに対する心理的なハードルを下げるように意識しています。そうしているうちに、データの重要さ、便利さを自分事として理解してくるのです。とくにTableau を導入してからはこうした意識が根付いてきていると感じています。

佐藤: うれしいお言葉です。御社では現在、150 人ほどの方にTableau をお使いいただいていると伺っています。ここまで広がった成功要因はどのあたりにあったのでしょうか。

澤口: 社内でデータドリブンプロジェクトを立ち上げて、各部署に伝播できる「チャンピオン」という人材を養成しました。データを扱えるというのは、若い社員にとっては自分の市場価値を高めることにもなりますし、いざ始めてみると自主的に勉強会やワークショップを行ってくれたりと、大きな効果がありました。

中島: ノルマにするとうまくいかなかったかもしれませんが、こういう先進的なチームに選抜されたことが誇りになっているのだと思います。

佐藤: まさにデータカルチャーが徐々に定着していったわけですね。当社では、データカルチャーを築くためのガイドラインである「Tableau Blueprint」を提唱していますが、貴社でも活用していただいていると伺っています。

澤口: はい、戦略策定、エグゼクティブの役割やデータ規律の策定などガバナンスも含めて「Tableau Blueprint」に沿う形で進めています。

佐藤: 「Tableau Blueprint」は、状況に素早く適応しながら展開させていくものなので、データカルチャーが進めば進むほど課題も出てくると思います。そのあたりはいかがでしょう。

中島: データ分析ができるようになると、社員からいろいろなアイデアや要望が活発に出てくるようになりますが、当社のようなベンチャーですと、リソースが限られているのですぐにアクションが起こせないという悩みが出てきます。こうした状況に対応するために、ルールをどう整備していくかが喫緊の課題ですね。

佐藤: なるほど、データカルチャーが浸透し、データの解像度が上がったからこそのうれしい課題ですね。データによって考え方自体も変わってきて、データを見ながらデザインするという非常に先進的な段階に進まれているのですね。

 

データをダッシュボードで可視化し目標に落とし込む

ベルフェイスでは、Tableau を使い、継続的な顧客の特徴を深掘り。ダッシュボードを活用して属性や顧客数などのデータ分析だけでなく、相関関係を出すなどして目標に落とし込んでいる。

 

環境が大きく変化しているときこそデータが重要になります。ビジネスの潮目が変わったのをデータが教えてくれました。

成長を続けるために組織全体が
データ活用することが必須の時代

佐藤: 続いて、データ活用についての今後の展望についてお聞きしていきたいと思います。当社は、分析を新しい段階にすすめる「Tableau ビジネスサイエンス」というコンセプトを提唱しています。これは、AutoML とBI ツールを連携させることで、データサイエンスをビジネスが実装するという考え方です。専門家がいなくてもデータを自由に活用できるという点では、データサイエンスの民主化と言ってもいいと思いますが、このようなAI を採用したデータの利活用に関する今後の展望について、ぜひ考えをお聞かせください。

中島: AI のビジネス活用における究極の姿は、人の代わりにAI が営業をすることだと思います。ただ、それはまだまだ先の話なのでもう少し現実的な話をすると、営業のナレッジ化やニーズの抽出といった形なら実現可能だと思います。当社の「bellFace」は、オンライン商談のデータも動画も残せるので、トップセールスの行動や商談ノウハウなどをAI が自動で抽出して他の社員に共有することができます。また、新規事業を立ち上げた際に、過去の商談からニーズを洗い出して生かすといったことも考えられます。そういう意味では、データは永久に使える企業資産だと思っています。

佐藤: トップセールスにもいろんなタイプの方がいるでしょうから、ナレッジが蓄積されれば自分に合う方法を自己学習するようなこともできそうですね。それもデータ活用によるビジネスの民主化における一つの姿だと思います。最後に改めて、データを利活用する意義やビジネスでのメリットを経営視点からまとめていただけますか。

澤口: データというのは、きちんと活用すれば必ず役に立ちます。せっかくデータを持っているのに使い方が分からないというのは非常にもったいない状況です。これからの経営者は、社員にデータの意義を理解させて、活用できるようにしていくことが求められていると感じていますし、私自身もCOO として、その役割を担っていきたいと思います。

中島: データを活用することで、組織における様々な意思決定の精度が高まります。データを企業のトップが独占するのではなく、誰もがアクセスして活用できるようにし、組織全体で意思決定を民主化することが重要です。営業出身の私は、勘と根性で会社を率いてきましたが、トップの考えだけでは意思決定を間違えることもあり得ます。データは活用する上で、正しい方向なら背中を押してくれますし、間違った方向なら客観的に誤りを指摘してくれるので、来期以降、さらに将来、企業が成長を続けるためには、組織全体がデータをフル活用することが必須の時代になっているのだと思います。

佐藤: 組織レベルでデータを活用することが、企業が将来にわたって持続性を担保するために不可欠ということですね。当社のTableau もそのお役に立てているとのことでうれしく思います。本日はありがとうございました。

Nakajima Profile

ベルフェイス株式会社
代表取締役

中島 一明氏

2006年、21 歳で株式会社ディーノシステムを創業し、中小企業経営者を動画で紹介する広告メディア「社長.tv」を立ち上げる。15年に同社代表を退任し、オンライン営業システム「bellFace」を開発するベルフェイス株式会社を設立し、代表取締役に就任。

Sawaguchi profile

ベルフェイス株式会社
執行役員COO

澤口 玄氏

ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム、フードデリバリーベンチャーのスターフェスティバルなどを経て、2020年にベルフェイス株式会社に入社。コンサルティングやマネジメントの豊富な経験を生かして、データドリブンな組織づくりや戦略構築を担当。