Excelでは扱い切れないデータをTableauで分析


データのスピーディな可視化が可能
資料作成時間が2 ~ 3 時間から10 分程度へと短縮

2001 に設立され、2006 年に東証マザーズへの上場を果たしたインターネット広告企業である株式会社アドウェイズ。現在はアジアを中心とした世界各国でも事業を展開、「Beyond Everything Internet ~インターネットの全てを越えていく~」をビジョンに掲げ、スマートフォン向け広告事業、メデイアやアプリの開発・運営事業など、幅広い事業を手がけています。また社内共通の価値観として「なにこれすげー、こんなのはじめて」というスローガンを掲げており、常に新しい価値の創造を目指した活動を推進しています。

アドウェイズの主力ビジネスとなっている広告事業では、数多くの顧客に対して複数のメディアでの情報発信やキャンペーンを提案しており、その内容や効果測定に関する膨大なデータを集計・分析する必要があります。ここで大きな課題となったのが、データ量が急速な勢いで増大した結果、集計・分析の負担が大きくなっていたということです。

「社内のレポートシステムは以前からありましたが、社内ニーズに開発が追いつかず、あまり活用されていませんでした」と語るのは、ビジネスデベロップメントグループで執行役員付エバンジェリストとして活動する菊地 大介氏。そのため複数システムに散在するデータをダウンロードして集計・分析する必要があり、ダウンロードだけでも毎回 10 分以上かかっていたといいます。「資料作成にかかっていた時間は 1 案件あたり 2 ~ 3 時間。レポート関連業務の従事者では、業務時間の 3 割近くがこのような作業に費やされていました。またデータが増大し続けた結果、ついにはダウンロードしたデータを Excel で開けなくなってしまいました。Excel で扱えるデータ量を超えてしまったらしく、いつまでたっても画面が表示されなくなったのです」。

この問題を解決するため、菊地氏は2016 年4 月にインターネットで「Excel ビッグデータ 無理」と検索。その結果見つけたのが、Tableau だったのです。

Tableau で感動したことは簡易的なものであれば、関数を組まずとも可視化できることです。またExcel ではグラフ作成のセンスが必要ですが、Tableau なら自動的にユーザーを支援してくれるため、それなりの分かりやすいグラフを短時間で作成できる点も素晴らしいと思います

Tableau: Tableau の導入・運用環境について教えてください。

菊地氏: 2016 年 5 月には Tableau Desktop を 1 ライセンス契約し利用を開始しましたが、すぐに作業時間が半減し、Tableau に溺れることになりました。そこで 2016 年 6 月に役員へのプレゼンを行い、10 ライセンス分の予算を獲得。2016 年 7 月には契約を行い、8 月には各部署から合計 10 名を選抜した「Tableau推進チーム」を発足しました。

推進チームのメンバーはまず Tableau の使い方をマスターした上で、データ分析で困っていそうな人に声をかけ、その作業を Tableau で代行するという、地道な啓蒙活動を展開。これによって Tableau に対するポジティブな印象が広がっていき、推進チームへの依頼も増えていきました。

2018 年 2 月にはユーザー数無制限で使える Server 版を購入し全社にリリース。より多くの社員に利用してもらえるように、実際の業務データを使ったハンズオン形式の研修も開催されました。単なる Tableau の使い方だけではなく、そのメリットや重要性も伝わるように工夫。受講は強制ではありませんでしたが、全社員の 60 % が受講する結果となりました。これによってユーザーは、一気に全社員へと拡大することになりました。

Tableau: 今回のプロジェクトで Tableau を選定した理由を教えてください。

菊地氏: Tableau 活用推進にコミットすることになったのは、大きく 4 つの特長に魅力を感じたからです。第 1 は可視化機能が優れていることです。きれいなグラフがすぐに作成できるため、データを直感的に理解しやすいのです。第 2 はエンジニアスキルがなくとも利用でき、営業担当などが自身のデータを簡易的にグラフ化できることも評価につながりました。第 3 はサポートがしっかりしており、日本語の関連情報もインターネット上で簡単に入手できます。まずは自分が使えなければ他の人には勧められません。Tableau なら理解しやすい情報が豊富にあるため、この点も不安はありませんでした。そして第 4 が、データ分析ツールのデファクトスタンダードになりつつあることです。データ分析ツールはいったん使い始めたら長い付き合いになるため、将来性が高いことも重要な評価ポイントでした。

Tableau: Tableau の導入効果を教えてください。

菊池氏: Tableau の導入は、以下のような効果をもたらしています。1 つ目は、データのスピーディな可視化が可能になりました。資料作成のフォーマットを Tableau で作成することで、これまで追い切れなかったデータの可視化が容易になりました。データを入れ替えることで、このフォーマットを他の案件でそのまま利用することも可能です。データの入れ替えに必要な時間はわずか 2 秒程度です。このスピード感でグラフが作成されるツールは、これまでに見たことがありません。

2 つ目は、資料作成時間が 2 ~ 3 時間から 10 分程度へと短縮できたことです。Tableau へと移行して仕組み化したことで、全体的な資料作成業務も大幅に簡略化されました。以前は 2 ~ 3 時間かかっていた案件ごとのレポート作成時間は、現在では 10 分程度にまで短縮しました。また集計や分析だけではなく、予測もできるようになったため、先を読んで次のアクションに結びつけることも可能になりました。

3 つ目は、資料の共有化でクオリティの底上げにも貢献することができました。作成した資料を積極的に共有されるようになっています。これによって他の人がどのような資料を作っているのかがわかるようになり、以前はバラツキがあった資料のクオリティも均質化・底上げされました。

Tableau: 今後の展開について教えてください。

菊池氏: 現在はデータを社外に持ち出せないようにしていますが、最近ではデータの重要性に対する社員の理解も深まっているので、近い将来には社外からも Tableau にアクセスできるようにすることを検討しています。Tableau で顧客にプレゼンできるようになれば、営業担当者の説得力はさらに高まるはずです。もちろん業務効率化も Tableau も手段であって目的ではありません。これらをうまく活用することで、さらに新たな価値を生み出していきたいと考えています。