Tableau 導入で大学スタッフの視野が広がり、IR 活動が活性化



カトリック修道会のイエズス会によって 1913 年に設立された上智大学。IR (インスティテューショナル・リサーチ) 推進委員会 が発足し、教学や経営の情報を分析して、経営の改善や強みを伸ばすなど、大学全体の向上を目指す動きが加速していました。 Tableau を導入することによって、各部門でデータを扱うことが容易になり、出身校や入学後の成績など、入試制度と関係性を持つさまざまな要素を可視化することができました。

カトリック修道会のイエズス会によって 1913 年に設立された上智大学。IR (インスティテューショナル・リサーチ) 推進委員会*が発足し、教学や経営の情報を分析して、経営の改善や強みを伸ばすなど、大学全体の向上を目指す動きが加速していました。

上智大学では、 Excel や Access でデータ分析を行っていましたが、学内の膨大なデータをフル活用できず次のアクションに踏み込めずにいました。そのため 膨大なデータを、各部門で速やかにビジュアル化し分析できる導入しやすい安価なソリューションが求められていました。

Tableau を導入することによって、各部門でデータを扱うことが容易になり、出身校や入学後の成績など、入試制度と関係性を持つさまざまな要素を可視化することができました。また、2015 年度から導入された新しい入試制度である TEAP (Test of English for Academic Purposes: アカデミック英語能力判定試験) 利用型入試のデータを Tableau で分析するなど、各種制度設計の新しい取り組みもはじまってきています。

上智大学は、Tableau による TEAP 利用型入試のデータ分析結果を、TEAP 連絡協議会で発表しました。この発表内容に興味を持ち、自大学の入試方式に TEAP 導入の検討をする大学が出てきています。こうして、上智大学の新しい取り組みは他大学にまで波及していきました。

  • Excel では扱えなかった膨大なデータを分析
  • IR 活動の活性化、データとファクトに基づき議論をする組織文化の醸成
  • 2 ヶ月あまりで学内に広がった Tableau 利用

入試制度や出身校、入学後の成績などの膨大なデータでも Tableau で分析することで多角的に捉えられるようになりました。Excel を使っていたときではこんなことは考えられませんでした

大学の国際的な価値向上を目指す上でデータ分析の必要性を痛感した

創立は 1913 年で、102 年という長い歴史を持つ上智大学。文部科学省提供事業である、大学の国際競争力向上とグローバル人材の育成を目指す「スーパーグローバル大学創成支援」に2014年に採択されました。

その前年に、上智大学は IR (インスティテューショナル・リサーチ) 推進委員会が発足し、大学全体のデータを把握することを試みましたが、Excel や Access を使ったデータ分析では限界がありました。

また以前は、学内のコミュニーケションが縦割りになりやすく、部門間を横断した情報共有や意見交換を改善する必要がありました。「入試や学事、就職支援などを担当する教学部門から、経営企画や財務、人事、監査などを担当する法人部門まで幅広い部門からなる本学では、データを最大限に活用し、意思決定にもつなげるツールを求めるようになりました」と学術情報局 情報システム室の相生芳晴さんは語ります。

千代田区にある四谷キャンパス

他大学での Tableau 導入を知り、すぐにトライアル版を使ってみて驚いた

Excel を活用したデータ分析に限界を感じるようになっていたなか、相生さんは、島根大学が Tableau を導入していることを知ります。Excel 以外の BI ツールがあることに気づき、これに相生さんはインスパイアされました。早速 Tableau Desktop のトライアル版で入試データを分析したところ、Excelとは比較にならない優れた操作性とビジュアライゼーションに驚き、データ分析における新しい視点が生まれたと言います。

同時期に「スーパーグローバル大学創成支援」に公募しタイプ B 校として採択されました。この Tableau 体験をきっかけに分析意欲が刺激されていた相生さんは、補助事業の後押しもあり、本格的に Tableau Desktop を学内に導入することを推進しました。

Tableau 導入後の活用について相生さんはこう振り返ります。
「Tableau を導入するにあたり、まずは、学内の 15 名ほどのメンバーを集めて Tableau Fundamentals トレーニングを実施しました。その後、題材を用意して自前のテキストを作成し、学内での研修を続けました。トレーニングで例題を解くことができても実践的に使いこなすまでに多少時間がかかるメンバーもいたので、分からないことがあればすぐに私に聞いてもらうようにしたのです」

相生さんが Champion (Tableau を使った分析を組織全体に広げるためのコアメンバー) となったことで、メンバーが Tableau のことについて何でも気軽に相生さんに聞くことができるようになり、習得度もあがったと言います。

Excel では不可能だった 膨大なデータを一気に可視化 他部門でも次々と Tableau を導入

国内の大学では島根大学に次ぎ、いち早く Tableau を導入した上智大学では、そのユーザーフレンドリーな操作性とハイセンスなビジュアルが学内でも評判となり、さまざまな部門で使用されるようになりました。そのなかでも、入試制度の設計に大いに役立ったと語るのは入学センター長をつとめる伊呂原教授です。

「入試制度には一般入試、推薦入試、各種特別入試など 10 以上の種別があります。この種別ごとの入学後の成績や出身校情報など、膨大なデータでも多角的に物事を捉えられるようになりました。Excel を使っていた時はこんなことは考えられませんでした。ビジュアル化された分析結果は、入試制度の意思決定にもつながっています。例えば、入試への積極的な活用が推進されており本学でも2015 年度の入試から導入した TEAP (Test of English for Academic Purposes・アカデミック英語能力判定試験)のテストのデータを組み合わせると、受験者の英語能力に関するデータが可視化されて分かりやすくなりました。」

データに触発され、データ活用を促進

Tableau で TEAP 利用型入試のデータを分析し、学部・学科に配布をしたところ、各現場で反響があり、これまででは考えられないくらいデータリクエストが増大しました。

また、Tableau による TEAP 利用型入試分析結果を TEAP 連絡協議会で発表したところ、他大学もこれに興味を持ち、自大学の入試方式に TEAP 導入の検討をする大学が出てきています。こうして、上智大学の新しい取り組みは他大学にまで波及していきました。

現在、同校は入試データ分析以外にも、履修や成績データの分析、語学スコア分析、財務分析、他大学とのベンチマーク資料作成などに Tableau を利用するようになり、学内で利活用されるツールになっています。

「速い、安い、使いやすい!」 Tableau はそのひと言に尽きる

Tableau を導入したことで、生産性が飛躍的に向上し、データ分析が楽しくなったという相生さん。Tableau は『速い、安い、使いやすい! そのひと言に尽きる』と言い、とても重宝しているそうです。

上智大学では、最初の Tableau の導入からわずか 2 ヶ月で利用者が 20 名以上に増加しました。複雑なデータでも簡単に可視化できるようになったことで、学内スタッフの視野が広がり新しい試みにも意欲的になりました。このポジティブな流れが、同校にとって Tableau の成功体験となったのです。

*IR 推進委員会は 2015 年 7 月に解散し、IR 推進室が 2015 年 8 月 12 日に発足



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