ミネソタ汚染管理局がデータビューをクリアに管理


ミネソタ汚染管理局 (Minnesota Pollution Control Agency、略称 MPCA) は、監視、清掃、規制の適用、方策の開発、および教育によってミネソタ州の自然環境を保護しています。MPCA は、最高レベルの透明性と説明責任を満たすよう努めており、情報に関するアドホックな要求に対応できるようにデータ分析部門を設立しました。このチームは、質問への答えを迅速かつ包括的に得られるように、また同局内でデータドリブンなカルチャーをさらに広めていけるようにするために、Tableau の利用を選択しました。

非常に興味深く、きわめて公共性が高い

ミネソタ州では記録の開示性に関する法律が確立されているため、州のすべての機関が透明性と州政府の説明責任に関して高い基準を維持しています。

MPCA では、内部のクライアント (他の職員や役職者など) と外部のクライアント (政策立案者や関係する市民) の両方からの調査依頼やデータ要求に対応するために、データ分析チームを設立しました。

「州法により、データのアクセシビリティに関して高い基準を維持しています。法律の要求によって非公開にする必要がない限り、情報を提供することが優先されます」と、MPCA のデータ分析スーパーバイザー、Leslie Goldsmith 氏は述べています。

また、MPCA のデータは非常に興味深いものであると同時に、きわめて公共性の高いものであり、市民と政治家の両方に焦点を当てていると指摘しています。

「こちらが回答を提供できないと、人々は何かを隠しているのではないかと疑います。または、そのような能力が足りていないのではないかと心配します。これは話し合いに不要な雑音をもたらす要因となってしまいます」と話しています。

政治家からリクエストがあった場合、データ分析チームは、提供する分析結果のベースとなったデータが明確で、透明性があることを保証する必要があります。

「たとえば、特定の聴聞会に対して回答を提供する場合、その回答を再現できる必要があります」と、Goldsmith 氏は説明します。

「一般的に、市民は自分の問い合わせに対する答えだけを求めますが、政治家は答えだけではなく、スタッフが検証できるようにデータを見たいと考えます」。

データの入ったボックス

データ分析チームは、データドリブンな組織になるための同局の取り組みを強化することにも取り組んでいます。

「誰が質問に回答するかによって、その答えが毎回異なるような場合があるかと思います」と Goldsmith 氏は言います。データ分析チームのミッションには、真の回答を一貫して得られるようにするということも含まれていました。

「私たちは、不足しているデータと存在しているデータを区別できるように支援していますが、人々はその方法を知りません」と Goldsmith 氏は語ります。「または、データの入ったボックスを持ってきて、「ここから何か興味深いものを引き出せませんか?」と言ってきたりするのです」。

データの入ったボックスは通常、2 つの異なるタイプのデータで構成されています。1 つはフィールドデータであり、文字通り現場データの場合もありますが、環境条件やストレス要因がこれに該当します。もう 1 つは組織データであり、パフォーマンス指標や現在進行中の作業数、マイルストーンとなるイベントなどについてのデータです。

それらのデータは、Oracle や Microsoft SQL Server、Esri Database、Access、Excel、PostgreSQL など、複数のデータソースにも保存されています。「データは局内のあらゆる場所に保存されています。 誰もが望むような一元化はされていません」と Goldsmith 氏は言います。

質問の中には、MPCA が業界に対して実施してきた施策の数や金銭的価値など、定期的に尋ねられるものもあります。

「そのような質問は毎月受けています」と同氏は続けます。「ただし、質問者は毎回、先月とは少し違う方法で質問するのです。常に Access でのクエリによってデータを引き出さなければならない、またはデータベースを検索する必要がある場合、前回のときと同じことをまた実行することになるため冗長な作業となり、時間もかかってしまいます」。

「Excel でやろうとすると、大きなハンマーを持ち出してきて…」

チームはデータにアクセスした後も、それを使える形式にするための作業を行う必要があります。

「多くの人がスプレッドシートを使いたいとは思っていません。数字に埋もれて見失ってしまうからです。異なる種類のデータのすべてを取得して、そこからいくつかの見やすい全体像を作成したいと考えています。それを Excel でやろうとすると、大きなハンマーを持ち出してきてフォーマットを粉々に叩き割るようなやり方が必要です。しかも、7 人もの人々が 18 もの異なる方法でそれをやってくれと言うのです」と、Goldsmith 氏は笑いながら言います。「生産性を高めるのは困難です」。

同氏の見積もりでは、Excel と Access のデータを使用して見栄えのいいグラフを作成するプロセスは、1 つのレポートあたり約 2 時間かかっていました。そして、レポートの更新のたびにその 2 時間がまた必要になります。これが毎日必要なレポートもあれば、週次や月次のものもありました。

そこで 2007 年、Goldsmith 氏はより優れたツールを探し始め、Tableau についての言及を目にしました。
長年にわたってビジュアル分析の支持者であった Goldsmith 氏は、Tableau がまだスタンフォード大学での研究プロジェクトであったときに Tableau について読んだことを思い出しました。

同氏は興味をそそられ、Tableau Desktop 4 のトライアルをいくつか手配しました。
「トライアルで何も設定せずに使用したところ、ほんの 20 分で、何か役立つものが作れていると感じました」と Goldsmith 氏は言います。「あとは前進あるのみです」。

チームは Tableau Desktop 4 から使い始め、すぐに Tableau Server 4 へと移行し、新しいリリースが出るたびにアップグレードしながら、もう 5 年近く Tableau を使用しています。現在、MPCA チームは Tableau Server 8 を使用しています。

MPCA では 18 人のアナリストが、Tableau Desktop でビジュアライゼーションを作成し、Tableau Server で同局全体にパブリッシュしています。そして全職員の 900 人が、Tableau Server にパブリッシュされたビジュアライゼーションにアクセスし、操作することができます。ダッシュボードとビジュアライゼーションへのアクセス制御については Active Directory を使用しています。

「Tableau のおかげで『はい』と言うことが多くなっています」

Goldsmith 氏は、MPCA が政府としての透明性と説明責任の目標を満たすために Tableau が役立っていると考えています。

「過去 5 年間で 2,600 ものワークブックを作成しており、それらの多くが単発の質問への回答となっています」と Goldsmith 氏は言います。「誰かが私たちに連絡し、何かを依頼してきたら、『はい』と言うようにしています。Tableau のおかげで『はい』と言うことが多くなっています」。

たとえば、データ分析チームは施行の取り組みに関して、自動的に更新されるワークブックを作成しました。これにより、同局は市民、プレス、政治家からの質問に迅速かつ一貫した回答ができます。

「これらのワークブックは、これまで実行してきた施策数や、それらの施策の価値、施行による環境への利点を示しています。これらのおかげで質問に対して簡単に回答することができます」と同氏は述べています。

また、Tableau によって、分析だけでなく、その背後にあるデータを共有できることについても高く評価しています。

「パッケージドワークブックは、特定の時点でのテーブルや、ビジュアライゼーションの元となるデータといった静的な概要をまとめるのに優れた方法です。これによって再現性とデータリネージが保証されます」と同氏は言います。

迅速な分析と、その元となるデータを提供できる Tableau の機能は、回答が不完全だったり、回答を提供するまでに時間がかかりすぎた場合に招いてしまう人々の恐れや疑念を軽減するためにも役立ちます。

各質問への対応時間が 30 分から 1 時間ほど削減されています。他のツールを使用した場合に発生するさらに長時間の作業や面倒な問題とは無縁です。

「アクセス、実験、探索 - きわめて迅速」

データ分析チームは、同局内のデータドリブンなカルチャーを推進する重要なツールとして Tableau を使用しています。

「Tableau を使用することで多くの質問に答えられています。それらの質問は Tableau がなければ答えを得ることはできず、返答不能と見なされていたでしょう。『答えられればいいんだけど、答えられないのが人生』などと考えていたと思います」と Goldsmith 氏は述べています。

同氏が特に便利だと考えているのが、さまざまなデータソースに接続できる Tableau の柔軟性です。

「Tableau は優れたツールです。データの入ったボックスが持ち込まれたときに柔軟に対応できるからです」と Goldsmith 氏は言います。「データへのアクセスや、実験、探索がきわめて迅速にできます」。

また、チームは高品質のデータの重要性について同局の各グループに教えるためにも Tableau を使用しています。

「誰かに話しかけて、テーブルやスプレッドシートを見せても、必ずクリックしてくれるわけではありません。しかし、視覚化すれば、そのインパクトはとても大きくなります」と Goldsmith 氏。「データ入力を間違えたために 1392 年からタイムラインが始まっていたら、マネージャーは一目でその間違いに気づきます」。

Goldsmith 氏は、Tableau を使用することでチームの生産性が改善されたことは間違いないと考えています。同氏の見積もりでは、単にデータを取得して回答を得るだけで 2 時間かかり、そこから回答のフォーマット作業にさらに 1 時間から 2 時間かかります。

「各質問への対応時間が 30 分から 1 時間ほど削減されています」と同氏。「他のツールを使用した場合に発生するさらに長時間の作業や面倒な問題とは無縁です」。

「Tableau なら数時間の作業で、回答を準備して利用できるようにすることが可能です。またデータに接続されているため、再びやり直す必要がありません。作成したものを何度も繰り返し使用できます」と Goldsmith 氏は言います。「これは、頻繁に要求がある分野で特に役立ちます」。

同氏は続けて次のように語っています。「ROI の観点では、作業が 40 時間ほど節約された時点で、Tableau Desktop ライセンスへの投資から実際に計測可能な利益が得られ始めると見積もっています。Tableau を頻繁に使用するなら、数か月で純粋に投資を回収できるようになるでしょう」。

「Tableau がなければ、さらに多くの手間と時間がかかり、今よりもきわめて少ない成果しか得られていないでしょう」。