データとペットへの愛をつなぐ Tableau コミュニティメンバー

Best Friends Animal Society と Tableau コミュニティメンバーが、分析と大切なペットで分かち合っているつながりについて、詳しくご覧ください。

素晴らしいストーリーを知るきっかけは、単なる偶然であることも珍しくありません。私は、 Tableau の分析ユーザーグループ のあるイベントの後、 Tom Pierre さんというロゴチャレンジの参加者から連絡を受けました。Pierre さんは Best Friends Animal Society に所属しているのですが、自身のチームの素晴らしい成果について、そして ペットの命を救うためのダッシュボードをどのように作成したかを語ってくれました。この会話は偶然だったのでしょうか?

ペット好きのひとりとして、私は Tableau コミュニティチームの Laura Ward に連絡を取り、Best Friends Animal Society が行っている動物の命を救う取り組みの紹介に関心があるか尋ねました。このブログを書いてはどうかと Laura に提案されたとき、私は少々怖気づいてしまいましたが、Best Friends Animal Society の目的に共感していたことから大喜びもしました。

ペット好きの私からペット好きの皆さんにお伝えするこの記事では、分析と四つ足のかわいい友だちで私たちが共有しているつながりや愛情についてご紹介します。

DataDev Day: Chess

ペットとデータへの情熱を分かち合うことで生まれる連帯


Best Friends Animal Society について

 

DataDev Day: Chess

Best Friends Animal Society について私が知ったのは、ペットと人の友情を表す、私を微笑ませた秀逸なロゴだけではありません。2025 年までに米国で飼い主のいないペットの殺処分を廃止させて、保護収容施設の動物を救うという素晴らしい目標も掲げています。また、Fast Company 誌の「世界で最も革新的な企業」で 2021 年トップ 10 のリストにも挙げられました。評価されたのは、データの利用とペットの命を救うためのダッシュボードによるインパクトであり、米国中の猫や犬の命を救う方法に変革をもたらした点です。

殺処分ゼロつまり「ノーキル」を目指す運動は、私にとって大きなインパクトがあります。悲しいことですが、米国では毎年、数千匹の動物が保護収容施設で犠牲になっています。この 30 年間でこの数字は改善されて、1984 年に保護収容施設にいた動物は 1,700 万匹だったのが 2019 年には 60 万匹強になったとはいえ、現実は過酷であり、大きすぎる数字です。 

DataDev Day: Chess

Tableau で作成されたグラフ、Best Friends Animal Society 提供のデータによる

意識の啓発やデータの透明性を通じた一般への啓蒙など、Best Friends Animal Society の取り組みのおかげで、米国内で命を救われるペットの割合は増えています。ノーキル 90% を達成した保護収容施設は 2012 年の 60 か所から 2019 年には 2,000 か所と、Best Friends Animal Society が達成した成果は称賛に値し、米国内の保護収容施設が望ましいノーキルの状況に移行しつつあります。

DataDev Day: Chess

Tableau で作成されたグラフ、Best Friends Animal Society 提供のデータによる

 

Best Friends Animal Society のデータビジュアライゼーションチームと 2025 年目標のダッシュボード

Jami Delagrange さん と Tom Pierre さんは、同組織でデータビジュアライゼーションの作成と共有を担当するチームに所属しており、原因と解決策に非常に近いところにいます。お互いの活動を評価、称賛し合っている 2 人です。 

Delagrange さんはビジュアル分析担当マネージャーで、Tableau が利用され始めたころの 2016 年に Best Friends Animal Society に参加しました。偶然見つけた Best Friends Animal Society でしたが、そのミッションに共感し、今では持てる技術スキルを日々生かして、ミッション遂行に大きな情熱を傾けています。 

今の仕事を始めるとデータビジュアライゼーションが好きになり、動物に対する愛情との相乗効果が発揮されました。Delagrange さんはペットの命を救うためのダッシュボードの作成に全力を注いだと語り、結果がすべてを物語っています。Delagrange さんが愛情を持って行動していることは、実際に見て感じられるはずです。 

その成果はすべて、素晴らしいチームワークがなければとうてい実現できなかったでしょう。そのチームワークこそが、データを Best Friends Animal Society のミッションやコアバリューと完全に一体化させるのに欠かせないものなのです。

このダッシュボード は、Best Friends Animal Society が地域社会に対する働きかけと啓発の活動を行い、ペットの新しい家族を見つけるのに役立っています。使いやすいうえ、州別、保護収容施設別にデータを探索して、収容数、救われた動物の数、保護収容施設が救ったペットの割合を調べることができます。

パートナーネットワークの数多くのチームは、情報を収集、分析、提示し、最寄りの保護収容施設がもっと多くのペットを救うための支援を行える個人と、その情報を共有できるように貢献しています。また組織の内部には、Tableau プロジェクト専門の開発者が 2 人います。Delagrange さんがダッシュボードを作成し、Pierre さんは毎月の保守と円滑な運営のためのサポートを行っています。  
 

具体的なテクニック

Delagrange さんが打ち明けてくれたところによると、最も難しいのは Tableau で「細かいところまで気配り」できるようになること、つまりコンテナーやパディング、デザインのコツをきめ細かに使って、より良いユーザーエクスペリエンスのために磨きをかけることです。入力テキストのすばやい表示やモバイル用デザインも難しいかったのですが、私は仕上がったダッシュボードをとても気に入っています。ダッシュボードは、(私の好きな機能の) パラメーターアクションがリリースされる前に作成されたと聞いたとき、どうやったのだろうと戸惑ってしまいました。しかし Delagrange さんは、パラメーターアクション機能がリリースされる約 2 週間前に、デザインにナビゲーションラインを加えるというアイデアを思いついたのだと教えてくれました。このような細かい部分がものを言うわけです。

使われているテクニック

  • 美しい線を描くためのシートを作成します。   

Animal Society Example 1

 

  • 2 つのシートで円を使って、ダッシュボード操作または現在のビューのアクティブ (黒い円) と非アクティブ (灰色の円) を示し、ワークブック中の全ダッシュボードで反復します。(注: 基本的な要素に画像ではなく形状を用いると、Tableau Server でレンダリングが高速化される傾向があります)

Animal Society Example 2

Animal Society Example 3

 

  • もちろん、パラメーターアクションやフィルターアクションで、ユーザーは最初のビューに戻ったり、前に選択されていたオブジェクトからハイライトをなくしたりすることができます。

Animal Society Example 4

 

Delagrange さんと Pierre さんの使ったテクニックに関心をお持ちでしたら、簡略化されたものを Delagrange さんの Tableau Public プロフィールからダウンロードすることができます。 
 

次のステップ

この 5 年間というもの、チームはデータへの取り組みを改善し、Tableau の機能強化に伴って分析スキルも高めてきました。それにより、動物の命を救う活動にデータが可能な限り最大のインパクトをもたらすとともに、Best Friends Animal Society が 2025 年までにノーキルの目標を達成できるようになることが期待されています。

従来、動物保護の活動には透明性を促すツールや標準がありませんでしたが、その状況はデータ共有の意志や能力とともに変わりつつあります。今ではデータドリブンな戦略を使って地域社会に支援を訴える保護収容施設が増え、Best Friends Animal Society のチームもその変化に影響を及ぼしています。ペットの命を救うためのダッシュボードは、わかりやすさとそれがもたらす理解により画期的な存在になりました。

注: 2021 年 6 月 23 日に Best Friends Animal Society は、ペットの命を救うためのダッシュボードでユーザーエクスペリエンスを一新しました。データがわかりやすく表示されるとともに、飼い主のいないペットを救うことが最も求められている地域が強調され、地域社会の住民に一層訴えかけるようになっています。
 

DataFam の皆様へのお願い

この取り組みを周囲に伝えて認知度を高めるとともに、お近くの保護収容施設が動物に新しい家族を探せるよう支援していただければ幸いです。動物は永遠の愛情を注いでくれます。この責任を軽く考えず、あなたを一目で愛したその心を裏切らないでください。