Tableau ビジネスサイエンスとは

AI を活用した新しいクラスの分析により、さらに多くのビジネスユーザーがデータサイエンスの機能を活用できるようになります。詳しくご覧ください。

Tableau はさまざまなことに取り組んでいますが、その 1 つが日常業務でデータを使う人をさらに増やすことです。データを使って考えることができれば、つまり分析が複雑なソフトウェアやスキルを学ぶことではなく、疑問の答えを導き出すことであれば、人の可能性は解き放たれ驚くような成果が得られるようになるでしょう。しかしこれまで、データをよりどころにする人々と、データを使って最善の意思決定を行うのに欠かせない高度な分析の間には、数多くの障壁がありました。

そこで Tableau はそうした障壁を減らすべく、新しいクラスの分析を生み出しました。それが Tableau ビジネスサイエンスです。ビジネスサイエンスにより、データサイエンスの強力な機能をビジネスユーザーが利用できるようになります。

これまで、AI、機械学習、ほかの統計的な手法を利用したビジネス上の問題の解決は、主にデータサイエンティストの専門領域でした。多くの組織は、ミッションクリティカルで非常にスケーラブルな特定の問題に取り組む、小規模なデータサイエンスチームを抱えています。しかしビジネス上の意思決定の中には、データに加えて経験や知識も基にするもの、そしてより高度な分析テクニックを応用すると大きなメリットを得られるものが数多くあります。

そこに、高度な正確さやコントロールと、結果を得られるまでの時間 (つまり意味がある間にインサイトに基づいて行動できること) のトレードオフを最小限に抑えながら、データサイエンスの機能を誰もが使えるようにする機会を見出すことができます。分析では、人が次の質問をし、次の仮説を検討し、次のアイデアを試せるようになっていることが必要だと、Tableau は常に考えてきました。そして今、さらに一歩前進し、ビジネス上の問題にすぐにでも予測を適用できる実用的で倫理的な AI で、さらに多くの人が判断力を高められるように支援します。 

ビジネスサイエンスは、アナリストやビジネスユーザーに説明可能な AI と予測分析ツールを提供します。それにより、組織全体でより迅速に自信を持って意思決定を行えるようになるほか、分析の利用場面を拡大し、所有するデータの理解を深められるようになります。

Tableau ビジネスサイエンスとは

ビジネスサイエンスは、AI を活用した新しいクラスの分析です。すべての問題が、スピードやビジネスのコンテキストを犠牲にしても厳密な精度を必要としているわけではない点に着目し、分野の専門知識を持つユーザーが、より大きな自信をもってスマートな意思決定を迅速に行えるようにします。ビジネスサイエンスのソリューションは厳密かつ正確ではありますが、意思決定者が自身の利用場面で何が必要かを決められる、自由度と柔軟性も備えています。自由度の例として、入力するデータ、変数の指定、しきい値の設定などが挙げられます。ビジネスのエキスパートはモデル構築プロセスで、完全に自動化された環境を使うことも誘導形式の変更機能を使うこともできます。予測、What-if のシナリオプランニング、誘導形式のモデル構築など、管理されたコード不要の AI を利用できる人が増えるため、ビジネスチーム内で一層多くの分析を行えるようになります。

ビジネスサイエンスは、誰もがデータサイエンスの機能を利用できるようにするとともに、モデルの主な要因を理解できるように支援します。分野の専門家が従来のデータサイエンスツールを学ぶ必要はありません。分野の専門家が誘導形式の AI 利用環境を手に入れると、チームはこれまで通り人の判断力に頼りながらも、より多くのビジネス上の問題に高度な分析を応用し、重要な意思決定のスピードと厳密さを高めることができます。大切なのは微調整された極めて正確なモデルではなく、人を正しい方向に導いて問題の核心にできるだけ近づけることなのです。 

結局のところ、ビジネスは本質的に複雑で変わりやすいものであるため、分野の実状を知る人の専門的な経験や知識は欠かせません。そのためビジネスサイエンスは、データサイエンスチームがリソースを割り当てたり優先したりできないこともある、ビジネス上の問題への対応で極めて役に立ちます。

Tableau ビジネスサイエンスの対象ユーザー

ビジネスサイエンスは、ビジネスの状況、ビジネスの重要な要因、どのデータが解決策を見出すのに役立つ可能性があるかを知る立場にいる人のためのものです。アルゴリズムを書き、導入して、モニタリングできる技術的な深い専門知識を持った人材は必要ありません。ビジネスのプロフェッショナルやデータアナリストが、Python も統計も、アルゴリズムのパラメーターを調整する方法も学ばずに、機械学習モデルから得られる予測とインサイトを活用できるようにすれば、データドリブンなエキスパートが増えていくでしょう。

Tableau はこれまで、ビジネスサイエンスが企業に最善の成果をもたらせる適切なアプローチになるケースを数えきれないほど見てきました。たとえば、マーケティングのリードスコアリング、営業チームのノルマ割り当て、サプライチェーンの分散や最適化などです。人事なら、ビジネスサイエンスを利用して、採用候補者がオファーを受け入れる見込みを評価するという用途が考えられます。不動産チームであれば、オフィススペースを購入する場所の計画や、社員を別の場所に移動させるための費用の検討で、ビジネスサイエンスを活用するといいかもしれません。また、どのような部署も、予算管理やリソース割り当ての場面でビジネスサイエンスを活用できる可能性があります。

Tableau ビジネスサイエンスとデータサイエンスの違い

ビジネスサイエンスは、データサイエンスと同じ統計や計算のテクニックを一部利用しますが、統計的な厳密さよりも、分野の専門知識や価値を引き出すまでの時間を重要視しています。前提そのものが異なっており、データサイエンスとは目的も一般的な対象ユーザーも違います。

データサイエンスの出力は、繰り返し作業を強化するために本番環境に導入することができる機械学習アルゴリズムです。データサイエンスでは通常、「はい/いいえ」で答えられる質問に答えを出そうとしたり、予測された結果が特定のしきい値を越えるかどうかを調べようとしたりします。用途の好例として、不正行為の検出が挙げられます。その場合、過去のデータでアルゴリズムをトレーニングし、数十万件、数百万件の出来事からパターンを分析して取引が不正かどうか予測することにより、不正行為を認識できるようにします。またそのようなモデルでは、ごくわずかでも正確性に違いがあれば会社に数百万ドルの損害を与えることになりかねないので、微調整が極めて重要となります。

ビジネスサイエンスの場合、目的は最も正確になるまでモデルに磨きをかけることではなく、KPI を動かすことにあります。従来のデータサイエンスサイクルよりも修正と再導入のプロセスを反復しやすくすることによって、障壁を取り除き、ビジネスをよく知るユーザーが迅速にモデルを構築し予測を行えるようにします。従来より多くの人々が、高度な分析テクニックを迅速に活用して、必要なときに必要な場所でスマートな意思決定を行うことができます。

たとえば小売企業が、ある地域の利益を高めるにはどの商品を店舗に追加するべきかを知りたいとしましょう。ビジネスのプロフェッショナルは、サプライヤーとの関係、地域的なトレンド、その他のインパクトをもたらす定性的な影響などの要素が、意思決定にどのように関わる可能性があるかを、つまりマシンには決して理解できないであろう細かな事柄をわかっているはずです。そこで、人の専門知識、判断力、状況の認識力を、マシンが自動生成する厳密でスケーラブルなインサイトと組み合わせれば、より優れたビジネス成果が得られます。 

データサイエンスは治験でワクチンの有効性を分析する場合に向いているでしょうが、ワクチンの配布と割り当ての問題、つまり微妙な部分が変わり続け人の判断に大きく依存する問題には、ビジネスサイエンスの方が向いています。もっと例えて言うと、フィンセント・ファン・ゴッホをデータサイエンティストだとすれば、ビジネスサイエンスとは番号通りに色を塗る『星月夜』の塗り絵を持っている人です。データサイエンスなら「北緯 37.7914°, 西経 122.3951° + 2.03 x 10^5 mm、角度は 44.7° => 北緯 37.7932°, 西経 122.3947°」となるところを、ビジネスサイエンスでは「3 つ目の角を左に曲がり、車に気をつけていけば、そこが One Market Street です」となります。

Tableau ビジネスサイエンスの詳しい情報

この AI を活用した新しいクラスの分析は、Salesforce による Tableau 内の Einstein Discovery エンジンで実現されています。透明性のある倫理的な AI を組み込んだ実証済みテクノロジーであり、ビジネスチームが結果の背後にある主な要因やバイアスの可能性を把握して、理解を深め自信を持って意思決定を行えるようにします。また、ビジネスワークフローに直接組み込まれるため、ユーザーはすでに業務を行っている環境で最大の価値を引き出すことができます。

Tableau ビジネスサイエンスの詳細については、 ホワイトペーパーをご覧ください。