企業は、これまで以上に創造力を駆使して自社製品を販売しています。オンデマンドのライドシェア (相乗り) サービスは、従来の交通インフラに変革をもたらしました。サブスクリプション方式の音楽配信サービスや動画配信サービスは今やどこででも利用でき、デジタル決済技術は、ネット通販業者はもちろん、地元農家の直販所など、あらゆるところで受け入れられています。

ソフトウェア業界では、1 回だけ支払えば永続的に利用できるライセンスの販売から、新しいサブスクリプション方式でのライセンス提供へとビジネスモデルの移行が急速に進んでいます。そして、Tableau もこの変化を実際に経験しました。ビジネスモデルの移行がどれほど速く進んでも、企業にとって最も大きな課題の 1 つは、変化の真っ只中であってもビジネスを安定して継続させることです。顧客の購入が新旧両方の販売モデルで行われる時期は、移行の本質を見極め、その過程でビジネス上の意思決定をデータに基づいて行えるように、より細かいセグメント分析を行う必要があります。

さらに、多くのビジネスモデルが変化するにつれ、収益認識ルールも一変しました。ビジネスモデルと会計ルールに変化があれば、投資家への報告時にその変化をしっかりと明確に伝えることが CFO に強く求められます。このような変化の中で、経営陣は、従来の報告や分析に留まるのではなく、ビジネスを成長させるための信頼できるアドバイスや戦略を財務チームに求めています。財務チームのリーダーの多くは、このようなニーズを認識していますが、分析を向上させるためのベストプラクティスを見つけ出すのに苦労しています。

変化するビジネスモデルを管理するためのベストプラクティス

この投稿では、Tableau の財務チームが自社のビジネス変革を通じて学んだ 5 つのベストプラクティスを紹介し、いま企業が直面している非常に複雑な状況を乗り越えるために、Tableau のプラットフォームをどのように利用できるかについて紹介します。

1.重要な指標についての認識を社内で一致させる。

これまでの古いビジネスモデルのパフォーマンスを評価した指標は、これからの新しい戦略との関連性が低いことが多く、リーダーシップチームの認識を新しい主要指標と一致させ、さらに重要なこととして、それらの主要指標に関する共通の定義の認識を一致させるのに時間をかける必要があります。年間経常収益 (ARR) のような指標は論理的には簡単と思われています。しかし、正確な計算値であることに 2 つのチームが合意し、両チームがアクセス可能なパブリッシュされたデータソースカスタムフィールドとして計算結果を保存することで、同じ指標でそれぞれのチームが異なる結果を報告することを防げるようになります。

Tableau では、割引率など、上記のようなカスタムフィールドを簡単に作成できます。保証されたデータソースを介してこのようなフィールドを共有することで、チーム同士が共通の指標についての認識を一致させることができるようになり、同じデータから異なる報告が出ることを回避することが可能になります。



2.顧客をグループ化して注意深くモニタリングする。

ビジネスモデルの移行中に、顧客グループの状況を移行のタイミングと合わせてモニタリングすることで役立つ情報が得られます。Tableau の詳細レベル (LOD) 表現などの機能を使用したコホート分析では、以下のような質問の答えを得ることができます。

  • 新しいビジネスモデルで獲得した顧客は、従来のビジネスモデルで獲得した顧客よりも売上貢献度が高いのか、それとも低いのか
  • 事業規模、地域、業界が異なるセグメントで新しい価格設定に対する反応に違いがあるか
  • 購入する製品の組み合わせ、製品バンドル、購入頻度はどのように変化しているか

適切な詳細レベルからヒントを得ることで、新しいビジネスモデルでの販売に地域の市場参入戦略が効果的かどうか、またビジネスモデルの移行が進むことで、特定の顧客グループがさらにサポートを利用する可能性があるかどうかなど、財務チームは先を見据えて積極的にアドバイスすることができるようになります。

このようなコホート分析方法の詳細は、詳細レベル (LOD) 表現に関するブログ投稿をご覧ください。



3.継続的な予測の準備をする。

ビジネスモデルが変わると、価格設定、製品のバンドル、チャネル固有の戦略も変わる可能性があります。さまざまな仮定の中で多くの予測シナリオを検討すると、追跡することが増え過ぎて混乱することも考えられます。Tableau の FP&A チームは、反復測定した予測値を簡単に比較できるダッシュボードを使用しています。そのため、複雑なドライバーベースの予測を行い、さまざまな予測結果を簡潔に表すことができます。



4.GAAP の差を埋める。

売り切り型の販売とサブスクリプションモデルは、一般に認められた会計原則 (GAAP) での収益認識パターンが大きく異なる可能性があります。収益認識基準 ASC 606 への移行でも、多くの財務チームが独自に対応してきました。Tableau では、このような GAAP を基準にして収益を予測するダッシュボードを使用しています。収益に対する先見の明が優れている企業の財務チームは、ビジネスモデルと会計基準の変化が結果にどのような影響を及ぼしたかを過去の期間と比較し、先を見据えながら、その差を埋めることができます。会計処理が終わり、出てきた結果を受け、急いで分析を行うのではなく、GAAP による収益予測を行うことで、結果をどのように伝えるかを評価するのに必要なリードタイムを確保することが可能になります。



5.詳細な価格設定分析を行う。

価格設定は、ビジネスモデルの移行で最も慎重を要する作業の 1 つです。ビジネスが B2B であっても、B2C であっても、顧客に提供する価値を反映させた価格を設定し、他社に対する競争力を維持するための割引戦略を確立することは、多くの業界で共通しています。

価格レベルと割引方針の設定が終われば、集計トレンドに影響することなく、取引ごとの価格を簡単に決定できるようになります。ここで紹介する散布図ダッシュボードを使用すれば、売上データの外れ値や価格設定の傾向を見つけ出すことが可能です。

  • 割引方針の分析に関する散布図:会社の方針と比較した場合の割引の使用について、外れ値や傾向を特定します。

  • 平均販売価格 (ASP) ダッシュボード:製品別および注文数別に平均販売価格を分析し、外れ値や傾向を特定します。

これからの財務部門に必要なのは、受け身の対応ではなく、先を見据えた積極的な対応です。つまり、すでに起こったことを報告するだけではなく、戦略的な移行について支援しアドバイスすることが求められています。Tableau が自身の経験から学んだベストプラクティスをいくつか紹介してきました。それぞれの企業の財務部門が信頼できるビジネスアドバイザーとして、これからのビジネス変革に取り組む際のヒントにしてください。

価格設定分析に対する Tableau のアプローチについての詳細は、2019 年 6 月 6 日 (木) 午前 8:00 (東部夏時間)/午前 11:00 (太平洋夏時間) 開催のウェビナー「Driving proactive pricing analytics for FP&A」をご覧ください。このウェビナーでは、Tableau の財務チームのメンバーがダッシュボードデザインに取り入れた考え方について話し合い、さまざまな企業のチームで実践してもらうためのヒントを紹介しています。

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