財務計画に Tableau を使用して、ビジネスへのインパクトを高める方法

Honeywell 社は、柔軟性なセルフサービスの財務分析を実施する過程で得られた教訓を共有します。

上記の画像は、実世界のデータを表したものではありません。

編集者注: Honeywell 社は、Fortune 100 に名を連ねる米国の多国籍企業であり、産業用製品、消費財、エンジニアリングサービス、航空宇宙システムをさまざまな顧客向けに生産しています。同社は、ビジネス全体でインサイトに富んだ分析とセルフサービスのレポート作成の文化を促進するため、Tableau を 2 年以上にわたって使用しています。Honeywell 社では、財務部門による連携と Tableau の導入によって、生産性が向上するとともに、在庫管理などの分野で可視性を得たことにより財務実績が強化され、レポート作成に要する時間が大幅に削減されました。今回、シニア財務ディレクターである Joseph Majewski 氏をお招きし、Honeywell 社がどのように Tableau を使用して財務計画を強化しているのかについての見解を共有していただきました。

データを確認して (時には非常に厳しい期限で) 回答を迅速に生成するために、ビジネスパートナーが財務部門に大きく頼っているというシナリオを、多くの専門家は理解することができます。Honeywell 社も例外ではありません。実際に、Honeywell 社の CFO は、財務部門の従業員に次のように伝えています。「あなた方は、Excel レポートを手作業で繰り返し作成するために、学校に行き、財務専門家になったわけではないでしょう。私たちもそれを望んでおらず、皆さんには、より優れたビジネスパートナーとして、分析の影響力を高めることに注力してもらいたいと考えています。」そのため、私を含めた財務部門のメンバーにとって、ビジネス部門との連携を強化するのに伴い、Excel による作業を廃止して、大量のデータの取り込み、分析、理解するために、Tableau の導入が重要となっています。

レポート作成および分析作業を強化して、より優れた成果と効率性を実現するために、Tableau を活用した複数の「パイロット」プロジェクトが、ビジネスグループ全体で実施されてきました。Honeywell 社の CFO および社長からの支援もあったことで、この 2 年間で数多くの成功事例が生み出されました。1 つの事例として、在庫上の課題に取り組んだパイロットプログラムがあります。このプログラムでは、不動在庫に紐付けられたデータ分析を通じて、およそ 1000 万ドルの収益を実現することができました。このパイロットとその成功により、Performance Materials and Technologies チームによる導入が広がりました。

導入の過程を詳しく見るために、Honeywell チームは、段階的なアプローチをとりました。最初に、新しいデータとセルフサービスのビジュアライゼーションの導入から開始することで、在庫チームがデータにアクセスして、新たな理解が得られるようにする機会を与えました。その後、このプロジェクトに需要データを追加することにより、アクションベースのビューを作成して、5 つの異なる定例ミーティングでより幅広いユーザーが使用できるようになりました。この在庫プロジェクトおよび Honeywell 社のビジネスインテリジェンスプロジェクトで活用された、他の重要な要素には、以下のものがあります。

  • プロジェクトは、新しい情報を提供するか、または多大な生産性をもたらす可能性を備えている必要があります。
  • 分析は実用的である必要があります。つまり、単に「何が」や「なぜ」を示すのではなく、リーダーが意思決定を行い、アクションを起こすのに役立つインサイトを提供する必要があります。
  • 繰り返しの作業が鍵となります。小規模に開始することを恐れず、導入を支援するフィードバックを収集します。

Honeywell 社の CFO のリーダーシップの下、私たちは、全社規模の標準財務レポートも作成しました。これにより、Excel での作業が軽減され、セルフサービスのレポート作成が促進されます。このレポートは、各報告期間の最後に、業績を示す標準のサマリーと主な指標を提供します。

Tableau Server のユーザー数が 2.5 万人を超え、勢いが高まる中、Honeywell 社の財務部門は、より優れたビジネスパートナーとしての当社の立場を継続的に強化し、ビジネスグループによる重要かつ戦略的な意思決定に役立つインサイトに富んだ分析を日々推進しています。建設業界の例えを使って説明すると、ビジネスインテリジェンスに対する私のアプローチでは、財務システムチームを「フレーマー」として考えています。私たちは、データ接続を作成して、財務部門と IT 部門との懸け橋となっています。そして、財務部門の専門家は、「フィニッシャー」としての役割を担っています。これらの専門家は、データを処理して、影響力の高い分析を作成します。そして、最も優れた分析は、標準で使用されるようになります。

他社の FP&A 部門でに役立つ可能性がある、Honeywell が得た教訓

データ作業は複雑である可能性がありますが、以下の方法に従えば、そうである必要はありません。

  • 現在実践している方法を評価します。既存のツールを使用して、IT プロジェクトを開始する前にデータソースを作成できますか?
  • 熱意あるユーザーがチェンジエージェントとしての役割を担うようにします。ワークブックのパフォーマンスを向上させ、成果物を強化するために、財務部門の何人かのスタッフに、Tableau でカスタム SQL を学んでもらいました。
  • そして、ビジネス部門と IT 部門の人材を統合して、共同作業してもらいます。 多くの人材が、自身が専門とする領域を超えて、分析に乗り出し、支援が必要な場合に、その支援を提供できる IT スタッフを見つけています。

データ戦略を作成し、管理されたデータを活用します。Honeywell 社では、以下のような有用な考慮事項が明らかになりました。

  • Aerospace の財務部門では、既存の HANA ビューから開始しています。そして、IT による開発を要請する前に、抽出データをソリューションのプロトタイプやパイロットに活用します。
  • Tableau のロールレベルのセキュリティは、データウェアハウスのセキュリティロールを反映する、ディメンションフィルターの作成を可能とします。これにより、柔軟にサーバー上で抽出データの作業を行い、データセキュリティを確保できるようになります。
  • しかし、ここで最初に戻って IT 部門と協力し、データおよびパフォーマンスのニーズを満たすように、HANA ビューの変更、または新しい HANA ビューの作成を行います。

最終的に、分析利用の広がりによる違いを生み出すのは、人々です。

  • 組織内で分析を奨励して、その導入を推進するように、リーダーに働きかけてください。リーダーからの支援が得られない場合は、支援を提供してくれるリーダーを探し続けてください。
  • 大切なのは人材です。個人的に私は、常にプロセスの改善を望み、学習し、さまざまな試みを自発的に行う人材を探し求めています。
  • しかし、他のユーザーが参加するのを待たないでください。小規模に開始した後、他のユーザーを関与させてフィードバックを収集するという作業をビジネスパートナーと繰り返し行ってください。

詳細については、このオンラインセミナーで、Honeywell 社が Tableau を使用して、どのようにして柔軟性に優れたセルフサービスの財務分析を全社的に推進しているかをご覧ください。