1977 年 1 月発行の『Sideburns』誌 (英語) からヒントを得た、データビジュアライゼーションへのパンク音楽的アプローチ

この記事は以前に ComputerWorld (英語) に掲載されたものです。

Stephen Few 氏は、そのすばらしい著書『Show Me the Numbers』の中で、「情報を効果的に提示するためのスキルは直感的なものではなく、学ばなければならない原則に基づくところが大きいのです」と述べています。

基本的に私も同感です。

しかし、1 つ問題があります。実践によってしか習得できないスキルもあるのです。完璧に機能するグラフとは何かを知っていても、人間の心理について知ることや、また伝えるだけでなく心をつかむことも必要であることを学ぶことはできません。早い段階で経験する失敗と成功からは、本と同じくらい多くのことを学べるのです。

残念なことに、多くの人が他の専門家に脅かされ、実践することを怖がっています。実際に始める前に高いレベルに達していなければならないと感じてしまうのです (例として、この投稿 (英語) をご覧ください)。

私は、最低限の知識を得た時点で実際に始めてみて、実践から学んでいけばよいと思います。

現在では Google のデータ編集者である Simon Rogers 氏は 2012 年に、「誰だってやれる (英語) 」というパンク音楽の倫理をデータジャーナリズムの世界に提唱しました。たった 3 つの前注意属性 (英語) を知っているだけでは優れた作品はできないかもしれませんが、少なくとも実際に始めることができ、その結果、問題の数よりも多くのメリットが得られます。

データが対話を始める

これは 2008 年に私が初めて作成したダッシュボードの 1 つで、大学院課程の学生の進捗度を示しています。

私は、オックスフォード大学でアナリストとしてグラフを作成し始めました。初めてのグラフはひどい出来でした。期待したように世界を変えることはできせんでした。しかし、初めてのものを目にした同僚は、「悪くないね。でもデータをこうやって表示するのではなく、こうしてみてはどうかな」と言いました。

それから、私たちは協力して作業を繰り返し、誰にでも役立つダッシュボードを作成しました。パンク音楽的なアプローチによりプロトタイプを作成できたのです。研究者らと同時に学んだのです。

早い段階から作品を公開すると上達も早い

早い段階から作品を公表することで、フィードバックの好循環を生み出すことができるということです。2016 年に年間を通して実施されたコミュニティ主導のデータビジュアライゼーションプロジェクトである Makeover Monday (英語) では、これが証明されています。このプロジェクトでは、毎週新しいグラフとデータを公開し、参加者に元のチャートをリメイクしてもらいます。これまでに 500 人近くの参加者が、3,000 個以上のグラフをリメイクしています。

プロジェクトのパンク音楽的側面によって参加者が成長できます。下記のツイートは、ニューヨーク在住のアナリストである Tom O'Hara 氏による最初のリメイクの 1 つについてです。良い出来とは言えません。ストーリーが明確でなく、色使いも最適とは言えません。しかし、そんなことは大したことではありません。O'Hara 氏が参加してくれたことが嬉しいのです。

1 年を通して、O'Hara 氏のスキルは大きく向上しました。以下は、O'Hara 氏の最近のリメイクの 1 つです。デザインとストーリーテリングのスキルの理解に大きな違いがあることが分かります。「Makeover Monday を始める前は、データを使ってストーリーを伝える方法を知りませんでした。エンドユーザーへの影響を考えずに、好き勝手にグラフを作っていました。Makeover Monday のおかげでストーリーテリングのテクニックを磨くことができました」と O'Hara 氏は言っています。

Makeover Monday を敷居の高いプロジェクトにしていたら、エリート主義で人を萎縮させるプロジェクトとなっていたでしょう。O'Hara 氏は、実際にやってみてフィードバックを受けたたくさんの人の 1 人です。この繰り返しの公開学習が O'Hara 氏のスキルを向上させたのです。データ Viz のエリートのみが参加できるプロジェクトと、多くの人に活気を与えることができるプロジェクトのどちらが良いでしょうか。

乱雑でアドホックなビジュアル探索も無駄ではない



データを最も良い形で提示するための過程で作成したものは、どれほど乱雑でもかまいません。

ビジュアライゼーションは洗練されていて、すぐにでも印刷できる仕上がりでなければならないと思い込んでいる人が多すぎます。しかし、それは違います。ゴタゴタとデータを視覚的に探索することは、経営陣に向けたデータのプレゼンテーションと同じくらい重要です。詳しく学ぶために、キャンバスの上にデータをぶちまけて、散らかしても構わないのです。

ベルリンに本拠地を置く Aeria Games 社の Kirill Andriychuk 氏はこのことを知っており、次のような逸話を教えてくれました。「ある夜、Aeria Games の CEO が同席する場で、国別のビジュアライゼーションをいくつかすばやく作って、利益性の最も高いお客様がどこにいるのかを調べていました。そんなことをしているときに CEO が『待て、待て。ここを見てみよう。シンガポールでは何が起こっているのだろう』と言ったのです。利益率の非常に高いお客様の存在に、私たちはそれまで気づいていませんでした」

くどくて、めちゃくちゃで、大雑把なパンク音楽的なグラフから、まさに必要なインサイトが得られるのです。保存する必要も、公開する必要もありません。基本的なデータをあちらこちらに転がしてみて、その中からインサイトを発見するだけでよいのです。

この記事は、近年私が VisualisingData.com の Andy Kirk 氏と主催しているデータディベートからヒントを得ました。より学術的アプローチからの議論については、データディベートをご覧ください。

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